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牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

牛の顔のおさらい

2008-04-05 23:41:13 | 牛の顔
牛の見方はかなり難しい。本格的な見方を習得するには、経験を積み重ね続けるしかい。牛の善し悪しはなかなか判りにくいが、牛を飼うからには、それが理解できなければ、目的に叶う牛は買えない。
牛の顔の各部の名称を具体的に写真に書き込んだ。
牛の頭部(顔も同じ)の大きさは、全身とのつり合いが良くなければならない。約10ヵ月令の子牛を家畜市場で買う場合、頭部のつり合いが小さい牛は、発育がいいとされ、逆に大きめ、つまり重たく感じる場合は発育が思わしくなくこじれている場合が多い。
顔は幅と長さのつり合いが良く、額は平らで口は大きい方がよく、顔幅が狭い牛は食欲が細く、発育に支障や体幅不足になり易い。
また、資質の善し悪しの判断に顔品がある。一見粗野な感じのする顔は良くない。角や耳の大きさも顔とのつり合いの良いものとされている。
肥育牛の場合は、いずれにしても、餌食いの良いことが、全てのような気がする。


牛の顔の変化

2008-03-28 20:24:15 | 牛の顔
写真の去勢牛は、その名を「美男」(子牛登記に記載されている)と言います。05.8.22生まれで、06.5.16にセンターへやってきた。父は勝忠平、母の父は北国7の8、母の父の父は安福165の9と立派な血筋である。兄は父が平茂勝だが、BMS NO.11。そろそろ仕上がった。勿論BMS NO.12を期待している。現在の予想体重は830kg。
本題は、顔の話である。顔は角や耳、目鼻全てにおいて実にバランスの取れた、まさに美男牛である。一度の疾病も経験しなく順調に育った。
美男の導入時の写真が下の写真である。子牛の頃から、文字どおり美男であった。
全ての牛がこの様なびけいであればと願っている。

因みに美男は291kgで、競り値は60万円きっかり。

子牛を顔で選べば

2008-03-27 19:22:59 | 牛の顔
家畜市場から導入した生後9ヵ月の去勢(睾丸機能を停止させた雄)子牛達である。
昨日の話内容から、肥育した場合、どちらが体重が大きくなるかは、どなたが見ても一目瞭然であろう。
左の牛は面長で、右は顔幅がある。然したる病気もせずに順調に発育して肥育されれば、生後30ヵ月になれば右は凡そ850kg以上、左は750kg前後が予測できる。
ただし、肉質の善し悪しまでは予測不能であるが、血統書により両親の肉質に関する遺伝情報などを勘案して凡そ50%程度は予測できる。
残りの50%は、肥育の手法にかかっている。
肉質が同等と予測して、枝肉重量を予測すると、導入価格は右を55万円とするならば、左は42~43万円でないと経営的にはあわない算段となる。



去勢牛のいい顔

2008-03-26 20:36:41 | 牛の顔
肥育牛は、一般的に3歳未満で仕上げて出荷する。その期間内で可能な限り体重を大きくして、最大限の枝肉量を期待する。そのため増体能力の高い系統や個々の牛では体型や増体に関係する部位などの優れた牛を導入する。
その幾つかの部位の内、顔とその周囲の形についても増体能力が高いか低い牛かを判定できる。
顔全体は面長でなく、顔幅が広いほどいい。顔幅は体幅を表すと言われ、育成時から仕上げ時の体幅が豊になり、増体が期待できる。
顔幅が広いと言うことは、口が大きいことに繋がり、口が大きいほど餌の食い込みが旺盛となる。肥育牛は、餌の摂取(食い込み)量次第で増体する。
顔が面長で細ければ、口も細く食い込みが悪い。口が小さければ、往々にして神経質なため増体能力に影響する。
写真の牛は、生後25ヵ月で体重が既に凡そ800kgに達している。顔の幅と長さのバランス、大きい口、鼻鏡も廣い。目も穏和である。理想的な顔と言える。