素牛を導入して、暫くは粗飼料主体で飼い直しすることを前述した。
子牛を高く競り落として貰うために、発育や増体を良くしようと濃厚飼料の割合を多くして与え、その結果、りっぱな尾枕を付けて市場に出てくる。
この様な牛は、そのまま育成配合を多給して肥育状態に持っていけば、脂肪の蓄積が早期に始まり、こぢんまりとした肥育牛に仕上がる。
順調に仕上がればよいが、ビタミンAのコントロールをすることでA欠乏症になる可能性がかなり高い。
脂肪壊死に罹る可能性も否定できない。
もう一つ問題視すべきことがある。
それは、昨日書いたことであるが、濃厚飼料多給の結果、ルーメンアシドーシスに罹りやすい状態にあると言うことである。
同症状の結果は、既に述べた。
導入後、飼い直しをする効果は、粗飼料を多給させて健全なルーメン(第一胃)を作るということが目的であるが、それは取りも直さず、今時の大多数の素牛が肥満で、ルーメンアシドーシス状態であることを前提とし、肥育に取りかからねばならないことから、飼い直しの必要性があると考えている。
以前から、地域によっては、グリーンマークを付けた牛は、その価値を評価して貰おうという取り組みがあるやに聞く。
グリーンマークとは、子牛を粗飼料主体や放牧主体で育てた牛に認定マークを付けてセリに出すシステムのようである。
しかし、その認定の根拠と証拠立てがどのようになっているかは知らない。
これが信頼できれば、大変結構なシステムである。
飼い直しが極めて容易くなるからである。