畜舎で子牛生産していると、季節的に風邪症状なのか下痢や咳を伴う病気になることがある。
この症状には、必ずと言っていいほど高熱を伴い、次第に瞼が重くなり生気が失せてくる。
そして、子牛たちへ次から次に感染する。
屋外の放牧場での管理であれば、この様なことは稀である。
2~3頭飼っている場合も、その様な発症は稀である。
これらの状態から、畜舎で蜜飼いすると、様々な疾病に繋がる。
予想するに、畜舎内が次第に疾病の原因となる多様な病原菌などに汚染されていることが伺える。
肥育牛であれば、その牛房が空くとともに消毒が習慣付いている。
しかし、繁殖牛房は常に常時多頭の牛たちがいることもあって、消毒などに至らない場合が多い。
分娩房などは以外と消毒管理されている例は多い。
疾病は、分娩房だけに常在しているのではなく、舎内の全てを管理しなければ、根絶には行かない。
実は、消毒法も様々で、薬剤や石灰に依ったり、バーナーなどによる焼射消毒などであるが、なかなか完全にはいかない。
そこで、昔はなかった様々なワクチンが開発されて、親牛にも子牛にも接種することによって、これらの疾病を予防している。
5種混合ワクチンとヘモフィルスワクチン(ヘモ)は、全国的に競り市前の月齢時に接種が行われ、子牛登記書の裏にその記録がある。
ヘモに関しては、競り市を挟んで生産者と肥育センターとで前後2回接種している。
中には、接種状態が不十分で、導入後1~2ヵ月後同症に罹るケースもある。
最近は、生後1ヵ月半くらいに第1回目を接種して、その1ヵ月後に2回目を接種するという混合ワクチンも出回っているようである。
このワクチンは、ヘモに加えて幼牛の肺炎等に効果があるとされておる。
肺炎に効果があっても、ヘモについては、2回目を2ヵ月半に接種したら、競りに出す頃になれば、同ワクチンの反応が消滅しているのではないかと考えられる。
最近、そのワクチンを接種してきた子牛が数頭いて、その対処に困惑し、メーカーに問い合わせたが、予測の上という回答しかなくさらに困惑した例があった。
結局、導入時に従来のヘモワクチンを投与したばかりである。
これらの開発や普及は良いが、投与に関する技術を確立させた上で、普及させて貰いたいものである。