引き続き、鹿児島でのことである。
車で移動時に、全く人気のない山間の畑の中に畜舎があったので、見学させて貰った。
和牛の雌牛が40頭位い飼われていた。
子牛は1頭もいなく、生後10ヵ月令から24ヵ月令程度で、かなり栄養状態が良く、一見肥育牛の様でもあった。
暫くしたら、一人の老人が軽トラで巡回してきた。
この飼われている牛のことを聞いたら、4人の繁殖農家が、更新用の繁殖用雌子牛を共同で育成していて、人工授精して妊娠が確認されたら、それぞれの繁殖牛舎へ移動させて管理し、分娩させていると言うことであった。
4名が交替で育成舎の管理をしており、発情を発見したら人工授精師に連絡して種付けしているという。
1畜種当たり40~60頭の繁殖規模であり、1畜種当たり年間5~6頭の更新頭数で、育成期を共同分業することで、効率的な管理体制が取れると言うことであった。
粗飼料には、自家製の稲わらと乾草が飽食給与されており、濃厚飼料は育成専用の配合飼料を給与されていた。
各畜種は、育成舎へは軽トラで数分の位置にあると言うことであり、和牛産地さながらの共同管理方式であると感じた次第であった。