牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

文句の付けようがない

2008-07-05 00:09:51 | 肥育


写真の肥育牛は、文句の付けようがないくらい、素晴らしい体型と肉付きと増体能力を発揮している。
血統は第2平茂勝号、金幸号、金鶴号である。
血統も文句の付けようがない。
後は、文句の付けようのない枝肉を待つだけである。
血統と言えば、黒毛和種に限れば、今や、日本中その大部分の牛は文句なしの血統を持ち得ている。
だから、どの牛もA-5を格付けされ得る能力を持っているはずである。

枝肉格付けの現状について前述したが、同格付け創設時のモデル写真と現状との間にかなりのギャップがある。
(社)日本食肉格付協会では、そのモデルの最新版を平成20年5月に発行した。
それによると、創設時のシリコン製モデルは基本的に生かすとし、現状で実施されている格付けレベルの写真を並載し、その写真が基準となる旨の説明が成されている。
当初との判定基準のづれは否めないが、ここに改めて、リアルな写真として明示されたことは、関係者にとって、かなり見易い基準となった。
筆者が、「美味しい牛肉(2)~(12)でオリジナル写真として示したレベルとほぼ近いものである。
今回は、シリコンではなく、生の写真であることが、非常に重要な要素として興味が持たれるところである。
今後当該関係者には、枝肉とこの写真を見比べて、それぞれのランクを決める目安が出来たことになる。

一方、黒毛和種の脂肪交雑は、関係者の努力により、年々その蓄積程度を高めてきた。
上記したように、国中を優れた種雄牛の精液が飛び交うようになり、かかる肉質レベルは向上しつつ、性一斉もここ数年で一段と高まる気配である。
同協会の英断で示されたこの基準が、年ごとに変化することの無いよう見守って参りたい。