飼料難がらみもあって、飼料の高騰に歯止めが掛けられない状況が続いている。
飼料だけかと思っていたら、鋼材も急騰し、畜舎の新築や立替もままならない状況である。
黒毛和種を扱う肥育センターにとって、由々しき状況である。
この難局をどのようにして乗り切るかが、経営者の悩みの種であろう。
平均60万円の素牛を出荷する頃には、枝肉相場はどのようになっているだろうかと、掌に冷や汗をかきながら寝床に向かっている畜主の姿が目に浮かんでくる。
全ての飼育経費を算出すれば、現状では、45万円は掛かっている。
素牛代を加算すれば、105万円でトントンである。
経費を5万円減らすには、約4ヵ月短縮しなくてはならない。
そうなると、枝肉の仕上がり具合が気になる。
それでも100万円で販売しなくてはならない。
少なくても枝肉重量を500kgに持って行くとして、枝肉単価は、2,000円を確保しなければならない。
それには、A-4のピンでなければならない。
現状では、かなり厳しい相談になりそうだ。
だから、ピンの素牛ではなく、中程度に留めておけば、45万円程度の素牛代となる。
そうなると85万円で何とかなる。枝肉単価は1,700円で良いことになる。
大損はしなくて済むはずである。