現在、素牛価格は好調で、枝肉価格は低迷している。
なのに子牛市場では低迷で悲鳴を上げながら、肥育関係者が素牛を高値で落札している現状がある。
大丈夫だろうかと危機感を感じている。
◎肥育素牛価格は依然と好調である。
好調の理由には様々ある。
①素牛の発育がかなり改善されている。
DG1kg以下の子牛が少なくなり、1.3~1.5kgで以前は見られなかった発育の良好な子牛が見られるようになった。
子牛用育成配合の品質とその利用の仕方により結果が好転していると判断している。
飼料効率を高める添加剤もその一因になっていると聞く。
また血統、つまり増体能力を期待した交配で増体速度が改善されている。
肥育素牛を入手する段階で、肥育終了時の枝肉価格を期待するために、仕上げ体重の大型化が望まれることから発育の良い系統間の交配が進められている。
②肉質の良好な系統間交配が全国的にみられている。
どこの子牛市場でも、「安福久」母体の子牛が増加し、これらの子牛は発育が良好なれば、確実に高価で落札されて、市場平均を引き上げている。
△特に去勢子牛の全国平均価格は80万円以上を維持している。
△マルキンの経費計算では肉専用種の素牛価格は72.3万円としているが、黒毛和種以外の和牛の価格を加味すれば、その辺になるのであろうか。
◎枝肉価格は低迷している。
R1/6/6に関西のとある食肉市場で、あるイベントがあり、雌8去勢14頭が出品された。
格付け結果は5等級9頭、4等級13頭
①平均枝重475.8kg、平均枝単価2,424.8円、平均枝肉価格1,153,699円、内臓等20,000円、販売価格1,173,699円(税抜き)
②平均素牛価格(推定・イベント用を加味)850,000円、生産費468,135円(マルキン参考)、経費計1,318,135円
③単純差益 -144,436円
つまり大赤字の結果である。
◎枝肉消費低迷の理由
①輸入肉の増加
②日本経済の低迷により、若者の和牛肉離れ
③季節的に低迷
◎さて対策は
日本経済の立て直し。
夏に向けての焼き肉消費の回復を期待。
素牛価格を15万円下げて導入する。
飼料費等の値下げなど経費の節減を図る。
事故率を徹底して下げる。
泣き言ではないマルキンの発動。