牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

牛1胃の絨毛

2008-04-30 21:57:40 | 牛の成長


肥育牛は、配合飼料を日量10数kg程度多量摂取する。
配合飼料つまり濃厚飼料と粗飼料の摂取割合は重量比で10:1程度が良いとされる。この割合で粗飼料が小さくなれば、第1胃等の内壁にある絨毛の間に餌が詰まったり、付着したり、団子状になり消化機能を阻害する。
絨毛が損傷を受けるとともに、絨毛の色(写真下)も正常な黒から白に近い灰色まで様々な色となる。
粗飼料の量と品質が正常に保たれていれば、胃内に生存するプロトゾア等原虫類は一定していて、飼料の消化機能を正常に保持させる。
乳用雄仔牛の肥育では、短期に増体させようと配合飼料を主に多量給与した。その結果、絨毛に極度の付着や塊が見られ、結果的に肝臓に膿が溜まる肝膿瘍の多発事例が続発したが、DGを期待するが余りの粗飼料不足であった。肝臓を主に内臓廃棄を否めない。
良質粗飼料を決められた割合を守りながら給与し、絨毛を正常な状態で肥育を継続することが、重要なのである。
絨毛次第で、美味しい「サシ」も期待できるのである。





牛は常に脱柵体制にある

2008-04-28 23:00:07 | 牛の管理
本来、野生を駆け回っていた動物たちが、人に手なずけられ家畜として飼われるようになった経緯がある。
その本来持ち得ているであろう本能は、家畜になっても愛玩動物であっても失われることはないだろうと思う。
その様な本能が、牛たちにもある。牛たちは囲まれた飼育場で飼われているために、機会あらば柵の外に出ようと言う本能がありありである。
だから、牛を世話する人が、ドアのロックを忘れたり、柵が壊れたりすると、待ってましたとばかり、脱柵する。脱柵した牛は、敵の頸をとったが如く後肢を尻バネし小躍りして暴れる。これが集団ならなおのことである。
一方脱柵出来ないで、脱柵組を見送る側の牛たちはと言えば、飛び跳ねながら、じたんだ踏んで悔しがる。
脱柵牛が1~2頭なら、畜舎の辺りをうろうろしながら遠くへは逃げない。
ところが、数頭以上であれば、そうはいかない。群集心理の如く、走り出したら止まらない。みんなで渡れば怖くないのである。逃げ落ちた通りが幾通りかあれば、ただごとではなくなる。
肥育牛の場合は、普段から餌を飽食状態で摂取しているため、盗食と言う行動は執りにくい。それまで、閉じこめられているため、運動量は極端に少ない。その様な牛が、急激な行動を取ることは、四肢や心臓などの動きが耐えられない状態になりかねない。
またこれが、肥育牛でなく、繁殖用雌牛であれば、日頃餌を極端に制限されているため、盗食が起こる。
盗食した牛は、日頃食う餌の種類が異なることと、その量が多量となるため、消化不良から食滞を起こす。
牛の胃内には、草など餌の分解を助ける働きをするバクテリアなどが多量常駐しているが、これらのバクテリアなどは、通常摂取する餌をターゲットとしている。
他所で異なる餌を多量に摂取してしまえば、それらを分解するバクテリアなどがいないため、胃の働きがストップする。つまり食滞となる。死する結果になりかねない。
思いやりのある牛飼いなら、ロックや柵の点検は極当然の作業である。賢い牛はうまく学習して、ロックを外す牛もいるほどである。

牛の900日間

2008-04-27 10:54:27 | 牛の成長
肥育牛は生後約900日間で仕上げられ出荷される。この限られた飼育期間において、牛たちに健康的で快適な飼育環境を如何に提供出来るかが、牛飼いたちに問われている。このことが牛たちに寄せる思いやりと牛飼いの飼育技術の良否にも密接に繋がっている。
今や牛たちは経済動物として、牛肉産業に多大なる影響力を担っている。しかも、和牛は世界に類のない牛肉資源として高価に取引されている。牛肉を多量消費している南北アメリカ大陸と比較すると、やや誇張すれば、凡そ10倍の評価である。同大陸からすれば、首をかしげたくなる現実であろう。それだけに、和牛は余計貴重な肉資源となっている。
さて、肥育牛は900日間が成育期間である。通常肥育牛は、1日0.8~1kg体重が増えることが知られている。中には、期間中1kgの増体を果たす牛もいる。生時体重を30~40kgとして、935kg前後になることになる。この様な牛は、900日間ほぼ病気をせず事故にも合わなかったはずである。この様に、子牛の時から何らの疾病の経験がなければ、順調に発育する。
生まれた時に、初乳やミルクを潤沢に飲ませ、体力的にパワーを付けてやることが、初手の大事な作業である。これを怠ると、積極的な授乳に至らず、風邪や下痢を繰り返し、肺炎を併発させるなど、順調な発育どころではなくなる。この様な疾病歴を持つ子牛は、肥育に入ってからも、飼育環境や飼料の給与法が変化することにより、それについて行けずに食が細く、気候等の影響を受け、体調を崩す例は、日常茶飯事である。購買時にこれらの体力を見抜く審査眼を身につけることが重要となる。
肥育中に、下痢や肺炎を起こすと、必ず食欲は低下する。こうなると増体しない。むしろ、減量する。その他、諸々の疾患を経験するたびに食欲低下を起こす。2~3日で回復しても、増体が順調に伸び出すのは、凡そ1週間後になる。
牛は、餌を食っていくらの世界である。まあーその内、治るだろうとタカをくくってしまうと、逆に体調をこじらせて取り返しの付かないことが往々にしてある。
常に、体調を疑ってかかる慎重さが必要である。こじらせて肺炎を起こすと、1ヵ月はおろか数ヶ月回復しない場合がある。同時導入牛より、100kgも増体が遅れれば、終了時には、その100kgがそのままついてきて、順調なら、800kgが700kg以下での出荷と言うことになる。
増体の遅れは、絶対に取り戻せない。取り戻そうとすれば、低いDG(1日当たりの増体量)のままでは、かなりの日数がかかり、経費が嵩むことになる。
牛を飼うには、900日間を大過なく飼育できるための諸々のスケジュールと環境作りが不可欠なのである。

黒毛和種の毛色は黒ではない

2008-04-27 01:22:32 | 牛の成長



黒毛和種の生時の毛色は、写真のように黒色ではない。生時は全ての子牛がほぼ同じような毛色である。
この毛色は、生後半年も経過すると、黒ぽくなったり、赤茶けた色になったり次第に変化する。
子牛市場に出る頃になれば、真っ黒ではなく茶色がかった黒色で、微妙な違いがある。
肥育が進むとともに、牛の毛色は再び黒色が強くなり、ほぼ似た色に収まる。
育成時に毛色の違いがでる理由は、全てではないが、遺伝的に赤茶ける系統がある。逆に黒の強い系統もある。
例えば、第5隼福号の遺伝子を有する産子には、赤茶けるものが見られ、第7糸桜号のは黒が強いとされている。
また、飼料添加剤として販売されている海草や貝類から生成されたアルギットなどを与えるなど配合飼料の内容でも毛色に変化が生じ、特に影響を受けるのは、太陽光線である。屋外に放し飼いしている子牛は、総体的に赤茶けてくる。これも全てが揃うわけではないことから、紫外線の影響を受ける度合いが個々にちがうのだろうと予想している。
ところで、以前枝肉取引が行われていない頃は、牛の資質が肉質を判定するのに重要な審査項目であった。資質の項目にある被毛では、毛が細く柔らかく、毛色は真っ黒く無いものとされていた。真っ黒い牛は、いわゆる「さし」の入り具合が悪いという見方がなされてきた。ところが、第7糸桜号の出現でそれは完全に否定されることとなった。また、鳥取系統の牛は総じて 黒の強い毛色で、当時は差ほど肉質は良とされていなかったが、その後鹿児島県で体型の大柄な鳥取系統を基軸に肉質の良好な種雄牛が産出され、真っ黒のだめイメージが払拭された。
子牛市場では、同一品種だろうかと思えるほど、毛色が微妙に異なって見える。
購買者の好みにより、茶っぽい牛を優先的に競り落とすケースもある。毎年のことだから、おそらく良い結果を確かめているのであろう。

写真下は、運動場付きの飼育場で飼われている生後10ヵ月令の去勢牛群であるが、毛色はまちまちである。


寝る牛は育つ

2008-04-25 20:56:51 | 牛の成長




人は喰っちゃ寝、喰っちゃ寝なら、文句なしに体重が増える。牛の肥育では、人のそれが実にうらやましい限りである。
肥育牛は、人みたいに仕事があるわけでは無く、食べること、水を飲むこと、反芻すること、排糞尿すること、そして寝ることを繰り返すのが仕事みたいなものである。
肥育牛は、この仕事を毎日規則正しくこなしてくれれば、立派に仕上がる。

写真は下から導入1ヵ月目、同10ヵ月目、肥育終了2ヵ月前の黒毛和種去勢牛の昼寝姿。


美味しい牛肉には粗飼料が大事

2008-04-24 20:03:27 | 牛の成長
美味しい牛肉は、乾草と稲わらから作られると言っても過言ではない。勿論、穀類など高カロリーの配合飼料の影響が大きいのは言うにおよばない。
乾草などの粗飼料が、牛肉生産に深く関わっている理由は、前述したが、牛は草食動物であることに関わりがあるからである。草食動物でなく、雑食であれば、豚と同様であり、反芻胃の必要性が無くなる。
肉量と肉質を期待する我が国では、粗飼料だけで、肥育することはとうてい考えられない。脂肪交雑の蓄積を差ほど期待しない外国では、広い放牧地に放し、牛が成長するのを待って、間引き的に出荷している。つまり、草食動物の特性を生かした低コスト生産が行われている。
これまで草に加えて配合飼料を多給する肥育方式は、日本のお家芸であったが、美味しい牛肉生産を期待する日本をターゲットにオーストラリア、アメリカで実施され、韓国、中国等でも自国消費用に実施されるようになった。
和牛では、全ての素牛が高級牛肉になることを期待して肥育されているのが現実である。
先ず乾草の拘わりである。この肥育における飼料の給与パターンは前述したが、導入後約5ヵ月間は、良質でカロチン含量の高い乾草を飽食させる。これにより消化管機能を高めるとともに、肝臓内にビタミンAを多量に蓄積させることができる。この結果、生後約15ヵ月目からは仕上げ用配合飼料を給与し始めるが、順調に多量の摂取量が取れることになる。通常この時期は、肉質を高めるために、ビタミンAをコントロールするが、育成期に多量の乾草を接しているために、ビタミンAの欠乏症は回避される。
次に稲わらである。肥育用の粗飼料として最適なのが稲わらである。脂肪交雑を期待することは、体脂肪を蓄積させなければならない。それには、穀類など配合飼料を如何に食い込ませるかにかかっている。肥育前半から体脂肪を可能な限り蓄積させることが、不可欠であることは、前述した。この間、仕上げ配合とコンビで給与する粗飼料が稲ワラである。稲わらは嗜好性もいい。そして稲わらは多量に与える必要がない。精々一日1頭あたり1kg前後でいい。稲わらの繊維はかなり硬い。麦わらは掌の中ですり潰すと粉になるが、稲わらはそうはいかない。その硬さが、体脂肪の生産には好都合である。また、配合飼料を順調に摂取させるための手助けにも稲わらの効果は大である。
摂取した飼料が第1胃内に出来るだけ長く貯留することで、脂肪生成に有効とされ、それに有効な役目を果たすのが稲わらである。また稲わらに含まれている納豆菌が有効との説もある。最近の輸入わらは、加熱処理が義務づけられているが、加熱することで納豆菌は死滅することから、肥育用の稲わらは、国産わらが最も適している。最近、肥育センターでは、国産稲わらの収集に躍起なのである。


牛は集団で動く

2008-04-23 23:17:52 | 牛の成長
牛は草食動物であることは、周知の事実である。アフリカ大陸の草原では、草食動物自ら外敵を攻撃することはない。外敵を恐れながら、集団をつくり草を食み終わると外敵が襲うことのないところで休息を取りながら反芻を繰り返す。これが彼らの行動パターンである。
牛の集団行動は、外敵から解放された現在でも、写真のように放し飼いすると集団行動を取る。
この様に、牛は本来の習性から抜けきれないでいるが、それが関連してか牛は、習慣性が強い。飼育環境を変えたり、餌を変えると数日間はもとに戻らない。その間増体しない。牛を飼うには、習性を熟知しなければならない。

肥育牛に運動は必要か

2008-04-22 23:50:37 | 牛の成長
平茂勝号が供用される以前までは、可能な限り仕上げ体重を大きくしようと、肥育素牛は導入時から、運動場に放し飼いして、四肢を鍛え頑強に育てようと取り組んできた。
最初の数ヶ月は、良質の乾草など粗飼料を中心に肥育前期用の配合飼料を飽食させ、次第に仕上げ用配合飼料に置き換えて肥育してきた。このケースだと、去勢牛は運動と粗飼料の多給、それに配合飼料を多量摂取により、言うところの平茂勝系統の牛では、大型の体型になり、仕上げ時には体重が900kgを越すのも珍しくなくなった。雌牛は育成時から、本来の早熟性が基で、去勢牛より丸みを帯びて背腰は平らで広く肥育牛らしくなり、700kg前後で仕上がる。この結果、肉量はともかく、肉質では、雌牛の方がランクが高い。
通常、肥育は雌のケースのように、生後15~20ヵ月までに目一杯増体して丸くさせ、その後は半年余り、その摂取量を維持し、その後は次第に食い止む形となり、体脂肪(皮下脂肪や筋間脂肪)を徐々にそぎ落として仕上がる。去勢牛は、常に発育旺盛で過肥でなく均整の取れた肉付きのまま仕上げ期を迎える。そのため食欲が順調なため、体型が大型化すればするほど、肥育末期でも増体するため、俗に言う枯れた状態になり難い。これは雌雄の体脂肪における早晩性の違いである。去勢牛のそれは、摂取量の増大が肥育期間の長期化と飼育経費の増大に繋がる。
そこで、去勢牛については、ことさらに導入後の過度な運動は避けるべきである。
とくに和牛の体型の大型化と、肥育期間が2年間で仕上がることを考慮して、肥育の形を出来るだけ雌牛同様の飼い方に変えて行う。
大型の肥育センターなどでは、導入から出荷まで同一の飼育マスの中で、運動を意識することなく飼育している。去勢牛は、5頭程度を収納できる飼育マスで、運動量を抑え、生後20ヵ月令までに、体重を630kg以上にもっていき、まるまると肥らし、体脂肪の蓄積を促す肥育法が功を奏するようである。これにより飼料効率も高まり、肥育期間の短縮と飼育経費の低減が実現する。
ちなみに、繁殖用の雌牛は、約10歳までの繁殖に支障の無いよう、十分な運動により四肢を鍛えるは常識的なことである。

写真は、導入から1ヵ月目の去勢牛群である。




牛の種付け時に迷わない

2008-04-21 20:01:16 | 種雄牛
繁殖農家は、自分が繋養している雌牛に、どの種雄牛の精液を交配するかで決断を迷っているようである。
過去にも○○方式というような交配パターンが示され、農家はその指導を受けて交配してきた。
最近の和牛の雌牛群は、兵庫県の全てと宮崎県の半数以上を除き、肉量肉質が兼ね備なわった平茂勝号の系統で占められていると言っても過言ではない。
これらの系統の母牛には、但馬系統の種雄牛を種付けするのが順当な交配であろう。逆に但馬系統の母牛には、平茂勝の系統の種雄牛を種付けする。この単純な交配計画だけで、上物(A-4以上の格付け)以上の能力を持つ子牛が生産されている。
肥育している立場でも、この交配を繰り返して生まれた仔牛は、大体上物生産が目算できる。10数年以前には考えられなかった交配である。
最近注目されている種雄牛安福久号は、但馬系統であるが、平茂系統の母牛をターゲットに育成され、その交配により、肉質では高能力の成果をあげている。
話は変わるが、安福誉号という種雄牛がいる。平茂系統の母牛に交配した仔牛は、高い確率で、A-5にランクされる。ところが、子牛市場にその産子の出場頭数がかなり少ない。この産子が出れば確実に競り落とすことにしている。この産子は子牛育成時に若干小ぶりであるため、セリ価格も若干安い。そのため、生産農家が種付けしたがらないと聞く。子牛市では、体重220kg程度であるが、肥育の仕上がり時には800kgを優に越す。母牛の平茂系統がその能力を引き出させているのである。
ことによると安福久号に匹敵すると睨んでいる。農家は目先の利益だけに執着せず、優れた後継牛を生産する算段こそが、自らの将来に希望が持てることを考えていただきたいものである。

写真の2頭は、平茂系統の産子を肥育中の去勢牛である。

子牛は草で育てる

2008-04-20 23:35:07 | 牛の成長
和牛子牛の育て方は、生産農家毎にまちまちである。あたかも子供を育てる場合と同様である。それは、これまで和牛生産の飼育規模が小さいことが一因している。
近年では、飼養規模の増大が進みつつある。多頭化することにより、その育成技術を確立させねば、経営が順調に展開されない。
これまで、子牛には母乳を最大限利用させることが、低コストに繋がるとされてきた。しかし、そのことにより、母牛がストレスによるホルモン異常などで受胎率の低下が指摘されるようになり、生後3ヵ月目前後には離乳させ、母体のストレスを軽減させる指導が行われ、大多数の繁殖牛がその方法で飼育されている。
ところが、海外における子牛育成技術では、生後まもなく離乳させ、3~4ヵ月間は哺乳ロボットを用い、専用のミルクと代用乳のみで草を一切与えず、その後良質粗飼料を徐々に与えながら飽食させる方法がとられ、日本でも、繁殖頭数200頭規模の施設で実施されている。この方法により、第一胃内の絨毛の発達を順調に促し、子牛の発育が従来以上に改善したという。
このように子牛の育成技術も、改善されてきている。
この様に育成され、子牛市場に出される子牛たちであるが、肥育センターへ導入された子牛の成育が、生産農家毎に若干異なる結果となるケースがある。導入後の粗飼料の利用性に差が見られるのである。粗飼料を順調に摂取しない子牛は、その後の肥育過程で、ビタミンA欠乏症や早期に配合飼料の食い止みなどや体調異常を来たすことになる。
子牛市場で高価なセリ価格を期待するが余り、成長に効果的な子牛育成用のペレットなどを多給し、成長した肥育牛並みの皮下脂肪などが多量に蓄積され、尾枕(尾根部両側に脂肪の塊で盛り上がる様子)が出来ているケースがある。この様な子牛はそれまでの粗飼料の摂取量も少なく、導入後も同様となる。
優れた血統を有する子牛でも、飼い方がそれに伴わねば、ただの牛である。
子牛生産農家は、折角の牛肉生産のための貴重な資源であることと、牛は草を喰う反芻動物という本来の特徴を正しく理解して育成して貰いたい。最近では、パソコンに導入牛の様々なデータと肥育成績を入力しているケースが大多数である。パソコンは、様々なケースで肥育成績が分析できる。勿論個々の生産者毎のデータも一瞬に一覧できる。つまり生産農家がその子牛によって評価されるケースがあることも理解すべきである。生産農家は高価で子牛を提供する代わりに、それに見合う優れた子牛を育成すべきではないだろうか。
子牛には十分な草を与えることが不可欠なのである。