牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

同一市場から入れる

2010-11-15 18:39:00 | 家畜市場


同一市場から素牛を定期的に導入しているケースは多々ある。
その理由は、次の条件を満たすからである。

①長期にわたって、同一市場から導入することで、当該導入市場産出の肥育牛の枝肉成績が把握できるために、安心して導入できる。
②生産地の母牛群の血統や発育が全国レベルにある。
③子牛生産者とその母体群の能力が、実績的に把握できている。
④そのレベルでの導入頭数が潤沢に揃う。
⑤枝肉評価に見合う競り価格で導入できる。
⑥地域的な特定の疾患がない。
⑦当該生産地での子牛生産方式が一定していることと、それに対して育成から仕上げまでの肥育法に実績を得ており、経験的に当該生産牛ならという飼いやすさがある。

導入先は、1~2箇所ではないため、他の箇所の場合でも同様な根拠に基づいて導入している。
当センターでは、特出した素牛を競り落とすことはなく、健康で、発育がよく、まずまずの血統であれば、競りの対象としている。
市場価格の平均程度の素牛を主軸にし、平均を中として相場が上がればその中の下程度、相場が下がれば中の上程度をターゲットとしている。
得てして、中の下辺りからでもA5クラスは頻発することがある。
この目安が的確であれば、経営が安定する。

和牛子牛市況

2010-10-20 00:05:18 | 家畜市場


写真は、一月前の全国市況が日本農業新聞で紹介されていたものを複写して貼り付けたものである。
この1週間の市況によれば、宮崎県小林市場では前回比約数千円の下げで38万円程度となっている。
鹿児島県肝属市場では依然低迷し、36万円程度となっている。
淡路市場では2万円程度の上げて45万円であった。
これまでは口蹄疫による待機子牛の影響が、様々な形として市況に反映されていたようであるが、来月からは、全国的に口蹄疫の直接的な影響からは解放され、条件的には今年3月頃に戻るものと予想されている。
いずれにしても、著明な牛肉ブランドを死守するために、係る肥育産地は特定のブランドを有する兵庫県や岐阜県産子牛に人気が集中し、市況は安定して強含みの状態である。
そのほか、東北宮城県では茂洋号の産子の評価が高く相場をつり上げているようである。



今なお再開が厳しい子牛市場

2010-06-01 00:37:07 | 家畜市場



子牛市の再会が待たれる九州地方である。
出荷頭数の多い曽於中央など、平常時でも月に4日間開催されている。
4~5ヶ月ぶりの子牛競りが開催されれば、単純に計算しても同時に15~17日間は必要となる。
このような市場開催では、競り残しや安価で取引されることになりかねない。
当分の間は、出荷が制限された月齢の高い子牛から順次出荷することにならざるを得ない。
市場開催日が増加せざるを得ないが、そうなると購買者の獲得などから、九州や出荷延期している各県では、市場毎の開催日割表の変更を余儀なくされることにもなる。
市場開催が7月なのか8月なのか、或いは9月にずれこむのかを想定してJA市場関係者は、既に日割表の腹案を設定しているであろう。
これらの市場運営にも開催延期が長期化するほど厳しい難局を強いられることにもなる。
一刻も早い収束宣言が待たれるところであるが、伝播の状況は今なお拡大の情報が流されており予断を許さない現状下にある。