牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

但馬牛のこと(4)

2008-07-21 17:32:20 | 牛肉


今、但馬牛の人気が高いようだ。
一説には、例の吉兆さんが九州産、中でも黒毛和種の本場的鹿児島産牛肉を但馬牛と偽装したから、但馬牛はより美味しいのであろうと勘違い(?)しているためだと言い、また一説には、飛騨牛の偽装で、そのおはちが神戸に向いているという説である。
兵庫ブランドには、神戸ビーフと但馬牛のブランドがあると聞く。
この二つのブランド条件は、何れも素牛が兵庫県産、つまり但馬牛でなければならないことが謳われている。その他、枝肉重量や出荷先市場の制限もあると聞く。
このブランド牛肉は、同じA-5であってBMS値が10以上であれば、他産地のものやブランドを外れた枝肉より、単価が1,000円以上高値で競り落とされているとも聞く。
正真正銘の但馬牛と言うことであろうか。
これまで、兵庫県は和牛を守るという点では、閉鎖的であり、その弊害から牛が小さいとか、これまで肉質では特出した成果がないなどと聞くこともあった。
今に至り、その閉鎖的な取り組みが、日本一のブランド化としての成果をものにしつつある。
それは、全てが、但馬牛であるという謳い文句である。
このことは、兵庫純血種であるということで他ならないからである。
他産地では、これに類する条件には行き着けないからだ。
ただ、ブランド化に成果が上がっても、但馬牛の増頭対策を打たねば、ブランド化も元も子もなくなる。