日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

今年は漢字一文字で? 2018

2018-12-31 01:40:41 | 日記
2018年も最後の日となってしまいました。今年のまとめをしておかなければということで書いています。
そういえは、昨日29日、NHKで「最強の城」スペシャルという番組をたまたま見て、奈良大の前学長の千田嘉博先生が高橋英樹さんなどと出演していました。そこで、「フォトジェニックな城」というカテゴリーで、名古屋城、金沢城に続いて、私の実家・地元の、白河小峰城が出てきたのでびっくりしました。「フォトジェニック」のベスト3に入るとは。ふーん、私も地元だから贔屓目に見てかっこいいお城だとは思っていたけど、やっぱりそうなのね、と確認しました。でも、このブログでも書いてきたように、東日本大震災で石垣が崩壊したエピソードとか、そういう話が全然出てこなかったので、取材の仕方が変だなあとは思いました。

この白河小峰城(三重櫓のみ)は、平成3年に復元されています。バブル絶頂期で、ふるさと創生か何かのお金を使ったのではなかったか・・・何となく平成3年というのが、バブリーでちょっと恥ずかしいなと気が引けるところもあります。私の伯父は、地元の高校教員・郷土史家であり、近世が専門で、このお城の復元も監修していたようで、昔、伯父の家に遊びに行くと、小峰城の昔の珍しい絵図などを私に見せてくれました。多少説明してくれたのですが、私は当時、すごい、とは思いつつ、あまり興味がなく、気乗りしない感じで聞いていました。伯父は亡くなっていますが、いろいろと持っていた貴重な資料等は、どうなったのかな、と時々思います。
この小峰城は、「木造」で忠実に復元されていて、内部には、戊辰戦争で戦場となった場所の杉の木が使われていて、その時の弾痕も残っています。

しばらく行っていませんが、無料で入れると思います。
テレビで見て、小さいけど確かにフォトジェニック、かっこいいお城だと再確認しましたし、実家に帰った時にもうちょっといろんな角度からきれいに撮影してみたいと思いました。
結構、あの番組によって白河小峰城行ってみよう、という人も増えるような感じも・・・(昨日少しこのブログの小峰城の記事へのアクセスも増えていました)
入場無料ですけれども、観光客が安定的に訪れるようになってきたならば、将来的に有料にして、管理する人を常駐させた方がいいと思います。

震災で石垣が崩壊 白河小峰城の今

上記の記事の他、小峰城関係の記事、例えば、以下のタイトルの記事

「ご当地萌えキャラクター・小峰シロは白河小峰城の石垣崩壊で生まれたのでした。」
をはじめとして、まとめてこのリンクから見ることができます。



私が撮ったもので、青空をバックにしたものというと、こんなものとか。これは震災の修復が終わって公開が再開されたばかりの頃。



石垣の美しさでいうと、こんなものとか。
これも震災で少し石垣にゆるみができてしまっているように思われるのですが。

ぜひ、みちのく白河の、震災からの復興なった小峰城を見に来てください。

さて、去年おととしと書いてきたため、恒例となりつつある今年の漢字の話題ですが、日本漢字能力検定協会による今年の漢字は、「」でした。平成という時代が、阪神・淡路大震災をはじめとして大きな災害の多い時代でもありましたが、今年も各地でいくつもの災害が起きました。被災された方々が、平穏に年を越せますように。

私自身の今年の漢字一文字ですが、まず、おととしは「」、去年は「」でした。

今年は、「」ということにします。少し早めに浮かんで、後になって、やっぱり違うかな、とも思いましたが、これにしましょう。

今年も、去年同様、日本史関係ではなく、自分の学校関係の話になってしまいますが、今年は、久々に1年生からの担任を受け持ち、その生徒達が非常に明るく朗らかで、私も楽しく担任の仕事をさせてもらいました。気楽に、とも書こうとしたのですが、最近は完全に気楽にとはいいがたい面もなきにしもあらずのため、そこまでは書かないでおきます。

クラスは「朗」でしたが、私自身の仕事全般では、仕事量が多く、研修なども多く、授業の準備にも追われ、余裕のない一年でした。そのため、とにかく旅行ができませんでした。

今年は奈良にも3月に1回しか行けませんでした。実家に帰った以外は、私的な旅行はその1回だけです。仕事を離れて学ぶ・リフレッシュする、ということは非常に大事だと思うのですが、それができなかった1年でした。

しかし、来年は、そういった「負担」がなくなったり、軽減したりするので、クラス担任の仕事を引き続き大切にしつつも、旅行その他の、仕事以外の活動は今年よりは充実できそうです。

また、博物館学芸員資格課程についても、一応、夏の博物館実習を受ける権利は得たはずなので、それも楽しみですし、少し前進できると思います。

今年は、ブログを通じての出会いとしては、3月にブログ「奈良大学通信まよい鹿」の瓊花さんにお会いできました。また、このブログ内で紹介している「日本内閣史ノート」を授業で活用したい、という愛知県の先生からご連絡をいただきました。ありがとうございます。

来年も、またブログを通じて新しい出会い等があればうれしいです。ご意見ご感想などお気軽にお寄せください。コメントへの書き込みでも、メッセージを送る機能を使ってでもどちらでも。

それでは、今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。よいお年を。

ムンク展「叫び」を見てきました。

2018-12-28 01:37:31 | イベント
2018年ももうすぐ終わります。なんとなく恒例になりつつある、「今年は漢字一文字で?」を今年もやっておこうかと思います。その前に、今日行って来た美術館の話を書きたいと思います。・・・と書きはじめたら、長くなってしまったので、漢字一文字の話は今回は見送りですね・・・

今日から仕事も休みにして、上野の東京都美術館で開催中の「ムンク展―共鳴する魂の叫び」に行って来ました。
https://munch2018.jp/
上野では、他に、フェルメール、ルーベンスの展覧会もやっています。ムンク以外も見ようかなとも思ったのですが、一つでおなかいっぱいになり、全然違うタイプの絵を見るのも、余韻が壊されるかななどと考えたりして、ムンクだけで帰って来ました。

私は自分の担任クラスの生徒向けの学級だよりに、冬休みに、本を読んだり展覧会に行ったり映画を見たりして心を豊かにしてほしい、ということで、いくつかおすすめを挙げた中にこのムンク展も挙げておきました。
その時は知らず、行ってみて知ったことなのですが、12月中は高校生は無料とのこと!!
現地で並んでチケットを買っている時に聞いて、えっ?そんなの知らなかったよ、知っていればもっと宣伝したのに・・・
というわけで、高校生の皆さん、12月中は無料ですから、行ってみてください。生徒証は持って行ってください。
自分のクラスの生徒にはこのブログの存在は教えていません(1年生は日本史をやっていないため)ので伝えようがありませんが・・・


なんといってもムンクといえば「叫び」が有名です。その絵は何枚かあって、今回「来日」したのは1910年頃に描かれたものでした。その絵を含めて100枚くらい展示してあって、見ごたえがある展覧会でした。

一応平日でしたがお客さんはやや多め。「叫び」の所は行列を作って流れていく形でした。少し並んで、順番を待ち、いざその絵の前に立とうとして、正面に立つ時にたじろぐような、圧を感じるような、迫力がありました。夕焼けのオレンジが全体を支配していて、不安をかきたてられるような絵です。そのそばに、「絶望」というタイトルで、似た構図の絵(人物は叫んでいない)があって、やはりこの絵は愉快な気分の絵ではないなと確認しました。

ムンクの他の作品は知らなかったのですが、さまざまな絵を見ていろいろ感じさせられました。ムンクの絵は、写実的で美しいというのではなくて、心の中が絵に表現されていると思いました。

赤い服や白い服を着た女性を描いているものを見て、ふと、関根正二という画家の絵が似ている、と思いました。関根正二は、私の実家・白河出身の、20歳で夭折した天才画家です。やはり赤い色が印象的で、心象を描いた絵というところで似ていると思いました。
関根正二の絵で有名なもの(重要文化財に指定)として、「信仰の悲しみ」というものがあります。
何となく似た雰囲気だと思い、ちょっとネットで検索してみたら、同じようなことを考えた人も少なくとも一人はいました。

そして、ムンクと関根正二が生きていた時代は重なっていました。日本にムンクの絵が紹介されたのが、ウィキペディアによると1911、1912年頃。関根正二が12、13歳の頃です。ムンクの絵を見たかどうかはわかりませんが、人間的なタイプが似ているかもしれません。全く勝手な憶測です。

グッズ販売のコーナーも「充実しすぎ」ていました。「叫び」の絵に、ピカチューとかキティちゃんが入り込んで叫んでいる絵のグッズ(こんなパロディみないなことが許されるんですね)とか、お面とか、お菓子とか、付箋とか、Tシャツとか、ありとあらゆるグッズが売っていました。どうも私は身につける気にはなれませんので買いませんでした。

日本史のブログとしてはだいぶかけ離れた内容になってしまいました。
とりあえず、高校生は、12月中は「無料」ということですから、行ってみましょう。という告知でした。ムンクの生き方は、まさに芸術家です。簡単にまねできるものではありません。若い感性で、本物の芸術をナマで感じてきてください。
12月は、31日(月)以外は開館しています。1月1日は休みですが2日から開館しています。
東京国立博物館も1月2日からやっていますし、冬休みにどこか博物館に「初もうで」してみるのもオツなものですよね。

・・・というわけで、本当は、「今年は漢字一文字で」の話のつもりが、妙にムンクの話が長くなってしまったので、また明日以降、書きたいと思います。今日はこのへんで。

出雲―大和―伊勢・・・アンテナショップめぐり(@日本橋)

2018-12-24 15:15:47 | 日記
クリスマスイブ、3連休でゆっくりできていいですね。私の学校では、明日、終業式があって、冬休みに入ります。明日の締めくくりのために心を整える前に、ここに記事を一つ書いておきたいと思います。

昨日、にほんばし島根館に、年末の年越しそばとして、出雲そばを、そして、お正月のお雑煮用として、仁多米のお餅を買いに行きました。その近くには、三重県と奈良県のアンテナショップもあって、三つとも行って来ました。出雲・大和・伊勢という古代における重要地域であり、私は好きで、特産品を買ったり、旅行前の情報収集をしたりするために、よく行きます。
出雲そば・三輪そうめん・伊勢うどんと、それぞれ個性的な麺製品が名産であるのも面白いですよね。

三重県のアンテナショップは、覗いてきただけですが、お正月のお供え用の鏡餅とかアワビとか、おいしそうなものがたくさんありました。奈良県のまほろば館は、くず湯を買いに行くのが一番の目的で、他に、吉野のヒノキの木片とヒノキオイルのセットが売っていたので何となく買いました。


直径4cmくらいの木片。吉野のヒノキは目の細かさが美しく、とてもよい香りで、癒されますね。



帰り道、それらのアンテナショップと道路をはさんで隣り合っている三越を、正面玄関方向から撮りました。写真では小さいですが、玄関に金色のクリスマスツリーが二つ、華やかでした。


それから、「奈良バイクシェア」というチラシを、まほろば館でもらって来ました。
電動アシスト自転車が使えるようです。
春日大社や平城宮跡まで、ふらっと行くのによさそうです。今度奈良に行ったら、使ってみようかな。
自分の覚え用として、アップしておくことにしました。
詳しくは、このリンクなど

http://docomo-cycle.jp/nara/

それでは、また。年内に、最低1回はまだ記事を書きたいものです。

なんとも個性的!明石焼。

2018-12-15 15:17:45 | 旅行
やってもやっても終わらない、という感覚でこのところ仕事をしていましたが、一応、一段落して、今日は学校に行かずに休養しております。
少し自由時間もできましたので、ブログも書き進めていきたいと思います。

まだまだ2年前の話が残っています。今日は、2016年10月、明石・神戸の旅の続きです。

過去の記事は以下のとおり

明石へ。五色塚古墳見学記 (2016年10月)

淡路島・明石海峡大橋を見はるかす絶景! 五色塚古墳見学記 その2

五色塚古墳を見学した後、明石駅に戻り、「明石焼」を賞味しようと、お店を探すことにしました。つまり、たこ焼きですよね。
しかし、それらしきお店には、「明石焼」とは書いておらず、「玉子焼」としか書いていないのです。玉子焼??これが明石焼のお店ということなのかな?と、迷い、中を覗いてみると、丸い、たこ焼きっぽいものをお客さんが食べています。たぶん、そうなんだよね、ということで、入ってみました。

メニューといっても、「玉子焼」と、「特製玉子焼」しかありません。
だんなが特製、私は普通の玉子焼を注文してみました。
店員さんは、きびきびと動き、店内は活気がありました。

出てきたものは、なんとも独特な姿でした!



朱色の台が斜めになっていて、そこに、15個のたこ焼きが、点々と並んでいます。
こんな斜めの台になっているのは、どういう意味があるのでしょうか?
運ばれてきた時は、このように右側が高くなっていましたが、隣りの席の人は、手前を低く、奥を高くして置いていました。自分で向きを変えたのでしょうか。

シンプルな食べ物ですから、平らなお皿に並べるだけでは変化に乏しいので、斜めにしたのでしょうか?面白いです!関東・東京で、こんな台に乗せてたこ焼きを提供するお店はあるのか?ちょっと調べてもみたのですが、そもそも明石焼をやっているお店はほとんどないようです。
あまり本場と同じものは東京にまでは進出してきていないようです。

たこ焼きは、関西の食べ物で、関東に住む私はそれほど食べる機会のないものです。
関東ではソースで食べるのが一般的ですが、大阪のは、だしの中に入れて食べるのだ、ということは聞いていました。大阪というのか明石だけなのかはわかりません。過去に、大阪料理のお店でそういうたこ焼きを食べたことはあります。


ともかく、その温かいだしと、ソースも一緒に提供されました。
どちらを使ってもいいようで、隣の席の人は、ソースを使っていました。
両方を試してみました。

さて、たこ焼きそのものですが、黄色くてふわふわとやわらかく、とろっとしています。中に入っているタコは、大きくて、プリプリの歯ごたえでした。角切りでした。東京で食べると、「干からびた足」だったりしますが(笑)。こんなにプリプリとしたタコの入ったたこ焼きは、これまで食べたことがありません。さすが、本場のタコはすごい!
これは関東の人も一度食べる価値ありです。

先ほどの五色塚古墳でも平安時代のたこ壺を見ましたし、たまたま翌日の奈良大の博物館学芸員の実習でもたこ壺をスケッチしましたし・・・こちら関西・瀬戸内海の文化圏のタコは、古代からの食文化の歴史があり、格別のおいしさなのでしょうね。
神戸では、たこめしの素も買って帰りました。おいしかったです。これも関西独特の食べ物ですね。

お店の名前も忘れてしまったのですが・・・明石ときめき横丁の中の、「松竹」だったでしょうか。
とにかく、「玉子焼」と「特製玉子焼」の2種類のメニューだけで勝負している、朝から晩までひたすら一つのものを焼き続ける、それがお客さんに支持されて、喜ばれている。そういうものに一生をかけられる人生というのも、すごいと思いました。

明石を後にして、次は、私は神戸に行きたいと考えていて、だんなは、京都に行きたい(ミーハー?)、その日の宿は、私は奈良、だんなは京都と別々で(笑)、それぞれ好きな所を見て回ることにしました。
このあたりは、京都も神戸も大阪も、奈良も近くて日帰り圏でよいですね。


神戸をざっと歩いてきました。横浜の中華街のような、南京町。





飲茶のお店が多かったですね。パンダのグッズも多かった。
とりあえず駆け足で神戸の街を見て歩きました。
神戸は趣のある喫茶店があるのではと考えたのですが、あまり時間もなく、結局元町駅前の上島珈琲店へ。上島コーヒーは、神戸で創業したとのことで、ここも、調べると直営店とのことでした。
ウエイトレスさんの接客がとても感じがよくて、東京のお店とはだいぶ違うなと思いました。

そんなこんなで、その日奈良で宿泊した宿は、ABホテル奈良という、新しいホテルでした。あまり、特徴はありませんでした。大浴場ありとのことでしたが、あえて行きませんでした。

次の日は、奈良大での実習です。今日は、このへんで。