緊急事態宣言のもと、ゴールデンウィークに入りました。いろいろと状況は動いていきますが、自分の手元でできることを一日一日、着実にやりましょうか。
さて、日本史Bの授業ができないので補足を続けます。教科書p.17<弥生人の生活>からいきます。これも図説をよく参照して、農具の種類やお墓、青銅器の種類などを見ておいてほしいと思います。
その中で、教科書が改訂されて新しく付け加えられた事項のうち、私も以前から興味を持っていたものがここにありますので触れておきますと、p.18「四隅突出型墳丘墓」というものが太字扱いになりました。これは、鳥取や島根など山陰地方を中心にみられるお墓の形で、上部は四角くて、その四隅から足のように傾斜が延びているつくりで、ヒトデとかコタツ型といわれたりしています。古墳時代に入る前に作られた、お墓です。まだ古墳とは言いません。
私も見に行きたいと思いながらまだ行っていません。
島根県に西谷墳墓群という、大型の四隅突出型墳丘墓が密集している所があります。そこに、出雲弥生の森博物館があります。ホームページから、四隅突出型墳丘墓に関するページはこちら
http://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1244161923233/html/common/5ea6a661017.html
この博物館には、「よすみちゃん」というマスコットキャラクターもいるようです。
出雲市内にあります。いつか、行ってみたいと思います。
鳥取県にもきれいな四隅突出型墳丘墓があります。
興味があるのが、妻木晩田(むきばんだ)遺跡です。弓ヶ浜という美しい海岸を見下ろす絶景の場所に、四隅突出型墳丘墓がいくつも見つかっています。
鳥取県立むきばんだ史跡公園HPより↓
https://www.pref.tottori.lg.jp/44362.htm
ここも行きたいですね。
弥生時代、出雲に王国があって、その王の墓がこの四隅突出型墳丘墓ではないかと、出雲に強大な力を持つ王がいた証拠であろうと考えられるわけです。
また、岡山県に楯築墳丘墓という、円形の墳丘の両側に突出部がある墳墓も教科書では太字になりました。これが前方後円墳の形につながっていくその原型ではないかと考えられています。これも、岡山つまり吉備の地に造られたという点で興味深いです。
吉備については、またの機会に、または過去の私の記事をごらんいただければと思います。
こうしたお墓について、教科書の記述が強調されるようになったということは、最近の考古学の成果が少し反映されてきているということです。私も、出雲についてとても興味を持っていて、出雲に王がいた、それは、奈良・大和に王権が確立する前に。そして出雲から大和に移ってきた人・モノが・・・といったことに興味があります。記紀、そして風土記も含めて、そこにみられる神話に書かれている内容も、全くの作り話ばかりではなく、何かの事実も反映されているのではないかとも考えられます。国譲り神話をはじめとして、出雲は興味深い地域です。こうした考古学の成果も裏付けになっていくと思います。
このあたりを書くときりがないので、簡単に触れるだけにしておきます。
以前も書きましたが、教科書には出雲の「い」の字もないのが残念です。以前は出雲大社が載っていたのですが。こちらのブログでその鬱憤晴らしという感じで出雲について語りましょう。
ここでも少し触れた、出雲と大和の関わりについて、1冊紹介します。
村井康彦『出雲と大和-古代国家の原像をたずねて』(岩波新書2013)
私が興味を持っている世界のことが網羅されています。なかなか、生きている間にすべてが解明されるとは思えませんが、自分なりに考えを組み立てて、こうなんじゃないか、と空想?できるのも楽しいのではないでしょうか。
このように書いていて、ふと、ある本のことを思い出しました。
高山貴久子『姫神の来歴』(新潮社2013)という本です。
以下、安易ですがAmazonの説明文より。
須佐之男命の妻ながら、わずかな記述しかない櫛名田姫(くしなだひめ)。天照大御神の妹神とされる丹生都姫(にうつひめ)は、なぜか、『記紀』にその名が記されていない。不可解な事実に着目した著者は、二人の姫神の来歴を辿り始める。博多から始まる探究の旅は、奥出雲に飛び、吉野、高千穂…。取材十年。圧倒的な説得力で解き明かされる古代王権の真実、逆転する「天つ神」と「国つ神」、須佐之男命の正体。「天孫降臨神話」の真相とは?略奪された姫神とは?そして卑弥呼とは。独自の仮説で日本古代史を根本から塗り替える劇的な一冊。
この高山(こうやま)さんについては、次のようなプロフィールがあります。
作家。1962(昭和37)年、熊本県に生まれる。上智大学外国語学部フランス語学科卒業。出版社勤務の後、2001 年、絵本『ワハムとメセト~ふたごの国の物語』を、2002 年に
絵本『ばらの谷』、詩集『時の祀り』を、かんげき屋より上梓する。
2011 年、「ばらの谷」が小学校の国語の教科書(東京書籍「新しい国語 六年・上」)に掲載される。本書に関する取材は2002 年から始まり、完成まで十年を要した。2013年3月急逝。
というわけで、「2013年3月急逝」とありますので、51歳で亡くなってしまったんです。写真を見ると、とても美しい方です。得てして、こういう方は早くに天に召されてしまう運命なのかな、などと悲しく思いながら、読んだ本です。10年も自分でフィールドワークをしてまとめたものだと。小説のような、紀行文のような、微妙な本だったと思います。興味をひかれました。その本を書くための努力・行動力がすばらしいです。
自分自身で、このように調べ、考えたことを、ロマンチックにでも、まとめて提示できたらすばらしいですね。
高山さんの著作は、小学校の教科書にも採用されているとのことで、この本を読んだときに興味を持ちながら、忘れてしまっていました。改めて、ここで思い出すことができましたので、本を探して、読んでみようかなと思います。皆さんももしこの『姫神の来歴』ご縁がありましたら読んでみてください。私は図書館で借りて読みました。『姫神の来歴』紹介ページ
※追記:文庫本にもなっているようです。新潮文庫
写真は・・・いまいちですが、出雲に関するものということで(笑)、
私の好きな出雲のお菓子、「若草」です。前にも載せましたっけ??
島根県のアンテナショップで時々買うのですが、今は残念ながらアンテナショップは休業してますね。
普通の日常が早く戻ることを願って、自分のやれることをやり、ステイホームを継続したいと思います。
弥生時代、あまり進みませんでしたが今日はこのへんで。
さて、日本史Bの授業ができないので補足を続けます。教科書p.17<弥生人の生活>からいきます。これも図説をよく参照して、農具の種類やお墓、青銅器の種類などを見ておいてほしいと思います。
その中で、教科書が改訂されて新しく付け加えられた事項のうち、私も以前から興味を持っていたものがここにありますので触れておきますと、p.18「四隅突出型墳丘墓」というものが太字扱いになりました。これは、鳥取や島根など山陰地方を中心にみられるお墓の形で、上部は四角くて、その四隅から足のように傾斜が延びているつくりで、ヒトデとかコタツ型といわれたりしています。古墳時代に入る前に作られた、お墓です。まだ古墳とは言いません。
私も見に行きたいと思いながらまだ行っていません。
島根県に西谷墳墓群という、大型の四隅突出型墳丘墓が密集している所があります。そこに、出雲弥生の森博物館があります。ホームページから、四隅突出型墳丘墓に関するページはこちら
http://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1244161923233/html/common/5ea6a661017.html
この博物館には、「よすみちゃん」というマスコットキャラクターもいるようです。
出雲市内にあります。いつか、行ってみたいと思います。
鳥取県にもきれいな四隅突出型墳丘墓があります。
興味があるのが、妻木晩田(むきばんだ)遺跡です。弓ヶ浜という美しい海岸を見下ろす絶景の場所に、四隅突出型墳丘墓がいくつも見つかっています。
鳥取県立むきばんだ史跡公園HPより↓
https://www.pref.tottori.lg.jp/44362.htm
ここも行きたいですね。
弥生時代、出雲に王国があって、その王の墓がこの四隅突出型墳丘墓ではないかと、出雲に強大な力を持つ王がいた証拠であろうと考えられるわけです。
また、岡山県に楯築墳丘墓という、円形の墳丘の両側に突出部がある墳墓も教科書では太字になりました。これが前方後円墳の形につながっていくその原型ではないかと考えられています。これも、岡山つまり吉備の地に造られたという点で興味深いです。
吉備については、またの機会に、または過去の私の記事をごらんいただければと思います。
こうしたお墓について、教科書の記述が強調されるようになったということは、最近の考古学の成果が少し反映されてきているということです。私も、出雲についてとても興味を持っていて、出雲に王がいた、それは、奈良・大和に王権が確立する前に。そして出雲から大和に移ってきた人・モノが・・・といったことに興味があります。記紀、そして風土記も含めて、そこにみられる神話に書かれている内容も、全くの作り話ばかりではなく、何かの事実も反映されているのではないかとも考えられます。国譲り神話をはじめとして、出雲は興味深い地域です。こうした考古学の成果も裏付けになっていくと思います。
このあたりを書くときりがないので、簡単に触れるだけにしておきます。
以前も書きましたが、教科書には出雲の「い」の字もないのが残念です。以前は出雲大社が載っていたのですが。こちらのブログでその鬱憤晴らしという感じで出雲について語りましょう。
ここでも少し触れた、出雲と大和の関わりについて、1冊紹介します。
村井康彦『出雲と大和-古代国家の原像をたずねて』(岩波新書2013)
私が興味を持っている世界のことが網羅されています。なかなか、生きている間にすべてが解明されるとは思えませんが、自分なりに考えを組み立てて、こうなんじゃないか、と空想?できるのも楽しいのではないでしょうか。
このように書いていて、ふと、ある本のことを思い出しました。
高山貴久子『姫神の来歴』(新潮社2013)という本です。
以下、安易ですがAmazonの説明文より。
須佐之男命の妻ながら、わずかな記述しかない櫛名田姫(くしなだひめ)。天照大御神の妹神とされる丹生都姫(にうつひめ)は、なぜか、『記紀』にその名が記されていない。不可解な事実に着目した著者は、二人の姫神の来歴を辿り始める。博多から始まる探究の旅は、奥出雲に飛び、吉野、高千穂…。取材十年。圧倒的な説得力で解き明かされる古代王権の真実、逆転する「天つ神」と「国つ神」、須佐之男命の正体。「天孫降臨神話」の真相とは?略奪された姫神とは?そして卑弥呼とは。独自の仮説で日本古代史を根本から塗り替える劇的な一冊。
この高山(こうやま)さんについては、次のようなプロフィールがあります。
作家。1962(昭和37)年、熊本県に生まれる。上智大学外国語学部フランス語学科卒業。出版社勤務の後、2001 年、絵本『ワハムとメセト~ふたごの国の物語』を、2002 年に
絵本『ばらの谷』、詩集『時の祀り』を、かんげき屋より上梓する。
2011 年、「ばらの谷」が小学校の国語の教科書(東京書籍「新しい国語 六年・上」)に掲載される。本書に関する取材は2002 年から始まり、完成まで十年を要した。2013年3月急逝。
というわけで、「2013年3月急逝」とありますので、51歳で亡くなってしまったんです。写真を見ると、とても美しい方です。得てして、こういう方は早くに天に召されてしまう運命なのかな、などと悲しく思いながら、読んだ本です。10年も自分でフィールドワークをしてまとめたものだと。小説のような、紀行文のような、微妙な本だったと思います。興味をひかれました。その本を書くための努力・行動力がすばらしいです。
自分自身で、このように調べ、考えたことを、ロマンチックにでも、まとめて提示できたらすばらしいですね。
高山さんの著作は、小学校の教科書にも採用されているとのことで、この本を読んだときに興味を持ちながら、忘れてしまっていました。改めて、ここで思い出すことができましたので、本を探して、読んでみようかなと思います。皆さんももしこの『姫神の来歴』ご縁がありましたら読んでみてください。私は図書館で借りて読みました。『姫神の来歴』紹介ページ
※追記:文庫本にもなっているようです。新潮文庫
写真は・・・いまいちですが、出雲に関するものということで(笑)、
私の好きな出雲のお菓子、「若草」です。前にも載せましたっけ??
島根県のアンテナショップで時々買うのですが、今は残念ながらアンテナショップは休業してますね。
普通の日常が早く戻ることを願って、自分のやれることをやり、ステイホームを継続したいと思います。
弥生時代、あまり進みませんでしたが今日はこのへんで。