日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

紅葉に燃える学校の桜・・・明日は模試。

2012-11-30 21:52:18 | 受験
明日は学校で模試(プレテスト)を実施します。
ICプレーヤーを使って受けられる最後の模試です。志望校選択にも結果が生かせるよう、よく準備をし、全力でやり抜いてください。

さて、東京は今、紅葉がきれいです。特に、学校の桜の紅葉が今年はとてもきれいな発色をしていて、社会科の部屋からも、その美しさが目にとまります。
昨日はその桜の紅葉を写真に撮っていました。社会科の部屋からです。





下の写真は、同じく社会科の部屋から、皆さんがこの学校に入学して4日目、2010年4月10日の満開の桜です。あれから2年半・・・皆さんはあの時の入学したばかりのフレッシュな気持ち・姿と比べて、今はどうでしょうか?私自身も、その間にだいぶ歳をとりました。




この写真の比較のように、桜というのは、春は美しいピンクの花、秋には真っ赤な紅葉、と、2度、私たちの目を楽しませてくれるのですね。
3年生の皆さんにとってもこの学校生活最後の、晩秋の美しい風景を、ここにも残しておきたいと思います。

そして、もう「晩秋」というより、明日から12月。冬です。師走です。試験本番も着々と近づいてきています。楽しみですねえ。

昨日、先日受けた漢字検定の合格通知(準1級)が来ました。200点満点で184点とりました。160点以上が合格でした。合格率は、15.4%。1カ月半の突貫工事にしては、上出来です。要領のよさと集中力だなと思います(自画自賛)。






皆さんも、センター試験まであと50日。猛烈に集中力を高め、バリバリ知識を蓄えてください。

ちなみに、漢字検定は、2級以下ならいつでも受けられます。卒業単位が危ない人は、安心のために、漢字検定を受けておくのもいいと思います。準2級や2級なら、結構簡単だと思います。
私は、準1級は1ヵ月半でもなんとかなると踏んで受けましたが、1級は・・・1ヵ月半では無理です。段違いに難しいです。いつか、かなり余暇ができたら、チャレンジしてみます。
試験に照準を合わせて集中する感じ、この漢字検定で思い出すことができました。受験生の皆さんの気持ちになって、どうやったら効率的な勉強ができるか、また一緒に考えて行きたいと思います。あきらめないで、絶対合格する!という気持ちで、日々を大切に過ごしていきましょう。




期末考査とそれ以後について

2012-11-25 20:31:40 | 連絡事項
期末考査の試験範囲は、p.179~206で、そのうち、p.192~196は除きます。これで定期考査も3年間の最後ですから、ぜひ、有終の美を飾ってください。
センター試験と類似の問題を出しますので、受験で日本史が必要な人は、満点を取るつもりでベストを尽くしてください。手持ちの問題集の試験範囲部分を全部やって、この範囲についての知識を完璧にしてしまいましょう。

宿題を提出していないとか、これまでの点が低くて危険な人達は、試験前に集める予定です。

期末考査はともかく、受験勉強への今後の対応ですが、
①期末考査後、日本史の基礎から勉強したい人のための補習を、放課後やろうかと考えています。
②冬休みには、センター試験対策の問題練習の講習をやります。
③1月は必修の授業以外はなくなるので日本史も本来はないのですが、受験生のために、特別授業をやろうと考えています(木曜の5,6限?)。

放課後の補習は、どういう形態がいいか、どの時代をやってほしいか、など、要望があれば、聞かせてください。

3教科受験ならば、5教科の人とは違って、まだまだ日本史を詳しくやる時間はたくさんあるはずです。まだまだこれから!受験勉強は楽し。集中力をますます高めて、できるだけたくさんの問題を解くようにしてください。教科書を読むのももちろんやってほしいです。しかし何しろ、問題練習を多くやって、間違った所をよく確認して、知識を増やしていってください。問題を解きながらの方が、頭によく入ります。

奥出雲幻想

2012-11-23 19:40:40 | 旅行
昨日、帰宅すると、小包が届いていました。
出雲の国(島根県)から届いた、奥出雲の特産品の詰め合わせでした。
私は、数年前に出雲地方に旅をした時に食べた「仁多米(にたまい)」がおいしい!と感激し、以来、仁多米を時々買っていました。そもそも、私の父方は新潟なので、お米は小さい頃から今に至るまで、おいしいコシヒカリを食べてきましたから、それで間に合っているといえばそうなのですが、時々、在庫が切れそうになることがあり、そういう時に通販で買っていました。

お米の袋に貼ってあるシールを集めると、四季折々の季節に応じた奥出雲の特産品をプレゼント!
ということなので、何年もかけて集め、やっとたまったので、送ってあったのでした。

小包を開けてみると、すばらしい!立派なマイタケのパックと、トマトソース、高菜のぴり辛煮の3品が入っていました。すべて奥出雲地方の特産品です。
今日は、マイタケをどう料理しようか、天ぷらにしようか?とも考えましたが、バター炒めもおいしいようなので、そうしました。
おいしかった!
「雪○まいたけ」とはまた別物の、香り高い、立派でおいしいマイタケでした。

私は、出雲地方に旅をしてから、その地域が大好きになり、別荘でも持って住みたいと思うくらいなのです。その魅力は、ちょっとやそっとの文字数では書ききれないほどですので、今日も少しだけしか書きませんけれども。

最近の日本史の授業では、「たたら製鉄」が出て来ましたが、それをやっていたのがこの奥出雲地方です。
この地方のお気に入りは、出雲そば、松江の和菓子・特に「若草」、松本清張の小説『砂の器』に出てくる「亀嵩駅」近くの温泉、出雲大社へ電車で向かった時のさいはての感じ、宍道湖の夕日、もちろん仁多米、この地域の大社造りの神社の雰囲気の面白さ、などなど・・・

また、私は、『出雲国風土記』の内容が、他の風土記と違っていることにも興味があります。いつか詳しく調べてみたい、と思っています。

Q 奈良時代に各国が風土記を作るように命じられたのは何年で、何という天皇の時ですか?

A 713年、元明天皇の時ですね。

Q 今はほとんどが残っていませんが、現存する風土記は五カ国ありますが、どこの国ですか?

A 常陸、出雲、播磨、豊後、肥前ですね。そのうち、完全に残っているのは出雲だけです。

このあたりは、受験生なら必ず知っていなければならない内容です。

そして、今、出雲といえば、上野の東京国立博物館で、
古事記1300年・出雲大社大遷宮 特別展「出雲―聖地の至宝―」
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1473

という企画展が開催されています。これがもう、あさってまで!?となってしまいました。
もっと早く、ここにも紹介したかったのですが。
先日、私はこれを見て来ました。
出雲大社の最初の建物は、とてつもなく巨大だった・・・その模型が展示されています。不思議と背の高い(足の長い)建物なのです。48mもの高さがあったとか。
そして、2000年に発見された、鎌倉時代の柱「宇豆柱」という、太い杉の丸太が3本束ねられたものが、そのまま出雲から運んで展示してあり、その太さに圧倒されました。こんな太い柱で、どんなに巨大な建物が建てられていたのだろうと。

昔は、巨大な建物の覚え歌として「雲太、和二、京三」というものがあったそうで、一番大きいのが「雲太」すなわち出雲大社、「和二」は奈良(大和)の東大寺大仏殿、「京三」は平安京の大極殿のことだそうです。現代の出雲大社は、そんなに大きくはありません。しかし、あの柱の太さはすごかったので、さもありなんという気もします。
そういう巨大な建物が、なぜ出雲にあったのか?・・・不思議だと思いませんか?

他にも、授業でも触れた、358本もの銅剣がまとまって出土した「神庭荒神谷(かんばこうじんだに)遺跡」の銅剣も何本か展示されていました。(教科書p.15欄外①)この遺跡の名前も弥生時代の遺跡として受験的には覚えておいてください。
島根を旅した時に、博物館(風土記の丘?)でたまたまこの銅剣がたくさん展示してあったのを見ていました。
あの、まとまって出土した様子は、図説p.36 にも写真がありますが、驚きです。358本という本数にも意味があるようです。1985年に発見されたそうですから、最近のことです。

また長くなってしまいました。
できれば、高校生の皆さんにも、上野の国立博物館で見てもらいたいのですが、もうあさってで終わってしまうので、どうかな・・・企画展は高校生は400円で見られます。安いですよね。大人はその倍の料金なのですよ。

東京国立博物館の構内で高さ48mの巨大神殿が体験できるARアプリ

http://www.shimane-iit.jp/ict/ar/

というのがあって、私は写真で見てだまされたのですが、博物館の外に模型が建てられているのかと思ったら、それは、アプリを使って撮影した、幻の神殿だったのです。

興味と時間があったら、行ってみてください。特に、もう進路が決まっている人。

まだまだ出雲の話は尽きないですが、いい加減このへんでストップしましょう。ではまた。

全国の高校生はみんな読んでる

2012-11-18 10:13:25 | 受験
先日の模試(実力テスト)は、ちゃんと自己採点をして必ず復習し、間違ったものも、二度と間違えないように、確実に知識を増やしてください。

自分の選択した解答を、問題用紙にきちんと残しておかないと、自己採点が正確にできず、出願する大学を決める時に困ります。私が高校生の時に、
「現役生は自己採点が高めに出るから・・・」
と化学の先生がつぶやくのを聞き、「??」と思いました。おそらく、自分の願望で、本当はもっと得点が低いのに、正直にではなく、高く出してしまうということなのでしょうか。

私は当時、全く正直に自己採点をし、最初に採点した国語で、漢文が軒並み間違ったのがわかり、心臓に風穴があく思いをしました。
自己採点も、正直にやりましょう。偽ってはいけません。

実力テストが終わった後、ある生徒が来て、日本史が思ったよりできなかったのか、
「教科書を読まなきゃだめだってことに気付いた。」
と言いました。この時期に自ら気付いたのは幸いです。
そういう生徒がいてよかったなあ、と思った翌日、朝の電車の中で、ある女子高校生が、山川の日本史の教科書を車内で読んでいるのを見かけました。私は高校時代、40分間、電車に座って通学できたので、日本史の教科書もよく読んでいましたけれども、今の高校生は、あまり車中で勉強しないのかな、まして教科書など読めないか、と思っていました。でも、昨日の今日で、いましたねえ。
その女子高校生は、制服からみると、W大の系列校の生徒のようで、新宿駅で降りて行きました。

日本中の高校生が、地道に日本史の教科書を読んでいるのです。
そして、日本史の全体像がわかれば、いずれは飛躍的に日本史が得点できるようになるのです。
1日50ページ集中して読めば、1週間です。日本史の全体像を、早く手の内に収めてください。

(後から追加:今日の夕方の三日月よりちょっと太めの月)


同じ時間に同じ場所(自宅ベランダ)で撮った→木枯らし1号が吹いた今宵



露出時間によって、空の色が違って写りますね。

「約束」

2012-11-14 22:01:52 | 昭和時代
今日は、2年生の授業で「ライオン宰相」と呼ばれた浜口雄幸のビデオ(その時歴史が動いた)を見せていました。

浜口雄幸は、金解禁重要産業統制法などを実施した総理大臣です。折悪しく、世界恐慌の直後で、日本は深刻な昭和恐慌に陥りました。ロンドン海軍軍縮条約締結にあたっては、統帥権干犯問題も起こりました。そして、浜口首相は東京駅で狙撃され、数カ月後にその傷が元で亡くなります。

ビデオが始まって、「その時歴史が動いた」で毎回設定される「今日のその時」を松平さんが紹介したのを聞いて、
「今日じゃないか!」
と思わず声をあげました。「今日のその時」は、1930年11月14日だったのです。
ちょうど82年前の今日、浜口雄幸首相が東京駅で狙撃されたのでした。

去年の日本史Bで担当した2クラスにも、この浜口さんのビデオを見てもらいました。結構印象の強いビデオだったから覚えている人も多いと思います。今年の2年生も、後半あたりから特に、しんとして、番組に引き込まれていました。

浜口さんは、総理大臣になってから、いつ死んでもいいという覚悟で政治を行っていました。
浜口首相は、「国民との約束」をとても大切にしていたというエピソードがクローズアップされていました。番組の最後では、浜口首相の言葉として、浜口にとって政治は道楽だと言う者がいるが、政治は絶対に道楽であってははならない。真剣きわまりないものだ、道楽に堕落してしまったらその国はおしまいだ、という趣旨の言葉が語られました。

今の政治家は、国民との約束を守っていると言えるだろうか?命がけで政治をしているだろうか?そういったことを私も生徒に問いかけましたし、生徒の感想も、いつもにましてびっしり、考え深い感想が書かれていました。毎年感じますが、冬頃になると、(2年生の)生徒の感想も少し深みを増してきますね。
去年の生徒の皆さん(現3年生)も、このビデオの内容に心を動かされて、真摯な感想をたくさん書いてくれていました。
「ライオン宰相」覚えたよ、と後で言ってきた生徒もいました。

帰宅すると、21時のニュースで、何やら、野田総理が熱弁をふるっている。しかも「約束」という言葉を力説している。昼間は、民主党のふがいなさも頭によぎりましたが、野田さんも浜口さんのように、国会で真剣勝負しているようじゃないか、と思ってテレビの映像を見ました。国会解散の日程を言っている??16日?と、驚きました。
自民党総裁などとの党首討論でのやりとりの中で出てきた言葉で、ちょっと、売り言葉に買い言葉のような印象も受けましたが、解散の日は決まってしまったようで。
野田総理は「約束」を守る(議員の定数是正)、ということを、野党にも要求していたようです。

誠実で、正直で、約束を守る、これが政治家にとっても、政治家でなくても誰でも、最上の態度だと思います。そういう態度で仕事をしていれば、認めてくれる人もきっといるはずです。
今日の野田総理の映像は、いつもより、毅然として、懸命に政治家としての仕事をしているように見えました。
浜口さんのスピリットを、野田さんはどれだけご存知かわからないけれども、浜口首相狙撃事件のあったこの日、帰宅して映像を見て、少し、野田さんを見直しました。この先はわかりませんが。
今日、ビデオを見ていた時は、生徒たちは現代の政治家に失望していたかもしれませんが、夜にこの映像を見たら、現代の政治家も全く捨てたもんではないな、と思う生徒もいたかもしれないと思うほどです。

浜口首相は、撃たれた時、「男子の本懐だ」と言ったそうです。
新潮文庫に浜口総理を描いた『男子の本懐』(城山三郎著)があります。興味があったら、読んでみてください。

「約束」という言葉が耳に残った今日。「約束」を誠実に守れる人間でありたいと改めて思いました。