日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

奈良大通信教育2年目の総括(卒論以外)

2016-03-26 21:08:25 | 大学通信 レポート・試験等
先日卒業した奈良大通信教育2年目の総括をしておこうと思います。意外と、1年目の総括の記事へのアクセスが常に多いので、いくらかは参考になっているのかなと思い・・・

1年目の昨年度に36単位修得しましたので、今年度は、残りの24単位修得が目標でした。

テキスト科目で今年度に入って試験を受けたのは、古文書学、民俗学、歴史文学論、西洋史特殊講義の4つ・8単位分でした。古文書学は前年度にレポートを合格してありましたので、今年度にレポートを書いたのは3つでした。4、5、6月に1本ずつ提出しています。やはり、卒論のための勉強があるので、並行してレポートを書いたり試験を受けたりは結構難しかったです。

古文書学に取り組む人は少ないと思われます。しかし、私はあえてやることにしました。収穫はありました。ただ試験の成績はあまりよくなく、68点で、これだけが、優良可の「可」となりました。
古文書学と民俗学の試験はそれぞれ5月、6月に受験しました。まだ卒論の勉強はぼちぼちの頃です。レポート提出も6月までに済ませ、あとは、科目修得試験の受験は草稿提出後(10月)まで凍結することにしました。

本当は、建築史や平安文学論も勉強しようかと考えていたのですが、やはり余裕がなく、卒業に必要な最小限度にしようということにして、やめました。

民俗学は、結構興味深く勉強させてもらって試験も80点はとれたのですが、歴史文学論と西洋史特殊講義の二つは、あまり入り込めず、義務的に勉強したようなところがあって、試験も70点台にとどまりました。試験は2年間で13回も受験したことになり(私の場合1科目ずつが多いので)、2年目は緊張感が薄れ、単位がもらえるぎりぎり合格点でもいい、と、妥協する気持ちがあったかもしれません。

スクーリングは、卒業単位に含まれない地理情報システム(8月受講)の他、考古学特殊講義(7月)、文化財学演習3(9月)、神話伝承論(2月)、歴史地理学(2月)の5つを履修しました。
一応、予備で仏教考古学も登録しておいたのですが、受講しませんでした。

今年度は、スクーリングの前日泊が結構できました。そうすることで、京都の祇園祭の山鉾巡行を見たりということもできました。奈良のウィークリーマンション5泊6日もなかなかよい経験になりました。長期滞在ならおすすめです。

スクーリング科目のうち、日本史特殊講義、美術史特殊講義、奈良文化論、仏教考古学は受講しませんでした。多くの通信教育部生は、おそらく全部のスクーリング科目を受講して、奈良を満喫されるのだと思います。しかし、私は、時間もお金も余裕がないので、自分なりの最小限度にしました。内容を考えて、座学をただ受けに行くなら奈良に行かなくてもよいであろうとか、自分が興味を持っている時代・対象以外を扱っているとか、自分で見学したことのある場所が多く含まれているものとか、そういったものは、受講しないことにしました。

スクーリングを受けすぎては、通信教育とはいえなくなってしまうのではないかという思いもあります。
私が定年退職後などでお金も時間ももっと余裕があったら、全部受講したかもしれませんが・・・
宿泊費・交通費を入れると、大体1回のスクーリング(2泊3日)で5万円はかかったでしょうか。それにプラスして受講料16,000円ですね。

あえて、テキスト科目にがんばって取り組むことにしたのでした。

そういうわけで、2年間の内訳は、テキスト科目で36単位、スクーリングで18単位、卒論で8単位の合計62単位修得となりました。

2年目は卒論のための旅や勉強に重点を置くことになり、1年目とはまた違った1年となりました。卒論作成経過については、また別の機会に書きます。

奈良大では、通信教育といえども、いい意味でかなり「勉強させられ」て、教員としても今後のためになる知識等を得ることができました。奈良大の先生方も、熱心に関わってくださり、その気になればお話もいろいろできますし、距離は近いです。

スクーリングごとに、いろいろな方々とご一緒して、お茶を飲んでお話をうかがったり、バス移動の折にお話をしたりして、いろいろな地域からいろいろな思いで奈良に集まって来られているのだなということを実感しました。みんな、奈良や歴史が好きな人ばかりです。

入学はほぼフリーですが、卒業となると、確かに、相当勉強して、最終的にそれなりの論文がまとめられないと、卒業できないでしょう。逆に、卒業までたどりついた人は、自信を持って、自分なりの歴史探究の旅を続けていけることでしょう。

フルタイムでお勤めの人だと、2年で卒業するのはちょっと大変かなという気もします。定年退職後で、時間もお金も余裕ができた方には、ちょうどよいかもしれません。

神話伝承論スクーリングを終えた2月14日の夜、奈良公園のイルミネーション「なら瑠璃絵」から何枚かの写真を。


東大寺もライトアップされていて、金剛力士像も明るく浮かび上がって、筋肉がよく観察できました。

東大寺大仏殿までは近寄れないのですが、中門から覗くことができて、この日は、大仏様のお顔が外から見えるように窓が開け放たれていました。
やさしいお顔をしているね、と周囲の人々の声。
お正月やお盆の時しかこの窓は開かれないようですが、このなら瑠璃絵の時には開けてくれるのですね。


こんなふうに、柵の隙間から、順番に、大仏様を眺めて、写真を撮り・・・ということをしていました。スマホしか持っていなかったのですが、いいカメラを持っていけばよかったなあ・・・

追記:4月から、博物館学芸員資格課程科目等履修生になる予定です。2年間かかります。また少し、テキスト学習とレポート・試験を受けるという生活が続きます。

そういえば、昨日の午前中、江戸東京博物館で「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の挑戦」を見てきました。大学生学割が3月で終わるからです。平日の昼間なのにすごい人。目玉作品の「糸巻きの聖母」は、待ち時間なんと45分!一応くじけず列に並びました。実際は20分くらいでした。休日はもっと大変なんでしょうね。4月10日までです。
あとは、大学生料金の展覧会というと、東京都美術館のボッティチェリ展です。大学生の身分を最後まで活用するため、行ってみようかな・・・と思っています。

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お彼岸に卒業証書

2016-03-20 23:16:22 | 大学通信 全般
奈良大の卒業式はおととい金曜日でした。私は仕事もめいっぱいの日でしたし、欠席しました。
昨日土曜日、早速卒業証書が宅急便で届きました。紺色のカバーに収められて。
「通信教育部」という文字は入っていません。卒業者の台帳番号の所に「通」という文字が入っていますが。
卒業証書を見ると、ああ大学を卒業したんだなあ、と実感がわきます。2年間は、短かったですね。怠惰には過ごしていなかったし、密度の濃い2年間でしたが、もう2年経ったの・・・という感じです。

さらに、今日日曜日、また奈良大から荷物が届きました。記念品や会報のたぐいです。記念品は、クリスタルの重たい文鎮・置物でした。会報(学報?)では、もう早速おとといの卒業式の記事が含まれていて、仕事早いなあ、と驚きました。出席できなかった卒業生に対して、タイムラグをできるだけ少なくするための大学事務局のご努力なのでしょう。

自分の学校の生徒には、私も働きながら勉強してるから、皆さんも勉強と仕事両方がんばろう!ということも最初の頃は言いましたが、後の方では言わなくなってしまいました。
生徒の場合と私の場合では、似ているようでなにか違いました・・・

いずれにせよ、生徒の皆さんも卒業という目標からずれないような学校生活を送り、喜びの卒業式を必ず迎えてほしいです。

さて、明日が春分の日であるためか、このブログの中で、去年のお彼岸の時の記事
「春分の日 二上山に沈む夕日」
へのアクセスがこのところ多いです。

奈良日帰り弾丸ツアーから1年経つのですね。早いです。
その時の記事は実はまだ書ききれていないのです。

お彼岸に、二上山のちょうど谷間に太陽が沈むのを撮影するには、千股池という所から撮るのがいいらしいです。

私は、去年のお彼岸には、崇神天皇の磯城瑞籬宮跡から二上山への日没はどう見えるのかということに焦点をあてて行きました。見晴らしが悪いようだということがわかり、谷間には沈まないけれども、見晴らしのよい、三輪山・大神神社近くの展望台「大美和の杜」で見ることを考えました。

しかし、カメラの選択を誤って、あまりよい写真が撮れそうもないことと、日没を待ってから山を下りて駅に向かうと、東京に帰るのがかなり遅くなってしまって疲れ果ててしまうと考えて、三輪駅からの撮影となったのが上記の記事の写真です。

その日帰りツアーの目的として、他の一つは、その「大美和の杜」から見える景色、これを、ある写真で見たのですが、これがすばらしい景色で、それを、自分の目でじかに見たい、写真を自分で撮りたい、という思いがありました。

大美和の杜は、二上山の他、大神神社の巨大な鳥居がありありと見え、大和三山(耳成山、畝傍山、天香久山)も見える。すばらしいロケーションです。私は昼間と夕方の2回訪れ、じっくりとその風景を目に焼き付けました。

上は昼間大美和の杜から見た風景。
右手にふたこぶの二上山が見えます。



これは夕方、17時34分頃の大美和の杜からの眺め。
以前、写真で見たのとほぼ同じような風景を、自分で撮影することができました。

二上山も印象的ですが、大和三山も絶対に印象的です。藤原宮などの位置をこうした山との関係を考えながら決めたのだろうなということが想像できます。三輪山も含まれます。

この大和の地に都を置いた古代人の気持ちは、やはり現地に立って自分の目で確かめないと、わかりません。というか、現地でこそわかること・体感することが多いです。
それを確かめるにも、関東に住む私は、ごくたまにしかこの地に滞在することができないのが残念です。
いつか、藤原宮にも行ってみたいと思っています。

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卒業・・・私もです

2016-03-05 23:36:25 | 大学通信 全般
昨日は勤務校の卒業式でした。定時制高校の卒業生は、本当に少ないですから、逆に、一人あたりのお祝いの気持ちがとても大きいんだな!と、この学校に来て1年目に深く感銘を受けました。
卒業証書は校長先生から一人一人に手渡されるし、友人が大きな花束を持って駆け付けたりもして、全日制の高校ではなかなか見られない光景です。

今年度の前半、日本史の成績が悪くて、このままでは単位が足りず、卒業が危ぶまれたA君も、後半は挽回してよい点を取れるようになり、教科書も以前よりすらすら(の半分くらいかな)読めるようになり、さまざまな面で成長がみられ、無事、単位を取って卒業にこぎつけました。
ひやひやした教科だったので単位が取れてうれしかったようで、「お世話になりました。ありがとうございました。」と笑顔であいさつに来て、学校を去って行きました。
今年は就職も進学もしない生徒がちょっと多いかなと気になりますが、自分のペースで、次の扉をどんどん開けて行ってくれればいいかなと願っています。
昨年は担任生徒の卒業でしたが、今年は少し距離を置いて、穏やかな気持ちでの卒業式だったかな。

そんな感じの昨日の卒業式でしたが、今日、奈良大通信教育部から、「卒業判定・最終学年判定結果通知書」が届きました。
「・・・ので、卒業となります。
の文字。卒業していいんですね!書類で確認して、ほっとしました。
というわけで、勤務先の生徒も卒業、私も卒業ということになりました。

2年間の成績通知書も同封されていました。先日来、相次いで、2月の二つのスクーリングの成績が送られてきていたところでした。卒業判定のために早めに処理してくださったのですね。

その他の書類を確認したところによると、今年3月の卒業生は、107名のようです。
卒業式の出席確認のはがきが同封されていました。卒業式への出席は自由です。
私は仕事もあるし、欠席にしようと思っています。
編入生ですから2年間だけの在籍でしたし、存分に勉強したけれども、他の通信教育部生の方々平均よりも、たぶん、一生懸命さは薄い学生生活だったようにも思いますので、出席するのも気恥ずかしいかなと。

静謐な図書館で、熱心に勉強をしている高年齢の通信教育部生の方々の後ろ姿は、本当に尊いもので、心を打たれました。すばらしい学びの場に、私も短い間でしたが身を置くことができて、とても刺激を受けました。

卒業に必要な単位は編入学の場合60単位、私は卒業に関係ない自由選択も一つ入れて62単位修得しての卒業です。編入でなく124単位を4年以上かけて修得した方もいらっしゃるわけですが、本当によく努力されたのだろうなと思います。
卒業の喜びを、式でぜひかみしめていただきたいと思います。

現在在職している定時制高校では、成人の生徒も少数ですが若い生徒に混じって勉強しています。今年も、40代、30代の卒業生が出ました。奈良大の通信教育部も、さまざまな年齢の人達が一緒に勉強しています。年齢が何歳であっても、勉強したいと思い立ったその時に、勉強を始めればいいのです。

奈良大の先生方も、お忙しい中通信教育部生のために本当によく尽くしてくださっています。古代学を学ぶには奈良大にはよい先生がそろっていると某神話伝承論の先生がおっしゃっていました。学閥もないからとのことでしたが、実際そんな気がします。このあたりは、また別の機会にしたいと思いますが、卒業にあたり、先生方の学恩にも感謝しなければと思います。ここで感謝したところで、届かないかもしれませんけど・・・


神話伝承論で訪れた平城京跡の朱雀門前に集う受講生。この後、平城京建設の詔をみんなで読み上げました。

奈良大通信教育部で学ぶ人生の先輩方は、熱心で丁寧な生き方をされている方々が多く見受けられました。大学を離れた後も、きっと熱心で丁寧な生き方を続けて行かれるのだと思います。すばらしいことだなと思います。豊かな人生の歩みがずっと続いて行くことと思います。

学校に所属する方法もあれば、自分で勉強する方法もあるでしょう。自分のやり方で、生涯学び続けましょう。


奈良大の学食の親子丼。ちょっと野菜が少ないですが・・・安いですからね。400円前後だったと思います。800円くらいの品数豊富なメニューもあります。親子丼は、注文が入ってから目の前で作ってくれます。我々(高年齢の)学生が列をなして、大忙しで一生懸命にお姉さんが作っていました。ありがとうございました。
私、筋肉をつけたい今日この頃なので、この親子丼とか唐揚げ定食?とか、鶏肉系をよく食べましたけど、肉が柔らかくて、とてもおいしかったですよ。

追記:あーちなみに、来年度から、奈良大で博物館学芸員資格課程の科目履修生になろうと思っていますので、まだ奈良大には少し通うことはあります。スクーリングはないですけどね。

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