日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

奈良県桜井市への移住はいかが?

2016-02-27 17:19:00 | 日記
前回の記事から3週間が経ってしまいました。先週、先々週と2週続けてスクーリングに行かせていただいていて、久々に予定のない週末にたどりついたところです。

大学のスクーリングは今週も来週も行われているようですが、3月卒業予定者の受講できるリミットは先週分まででした。一応、無事に受講したので、卒業できるはずなのですが・・・?先日の歴史地理学は、最後に試験があって、一応答えは埋めてきたのですが、真面目な受講生ではないので、そんなにいい点ではないと思います。せめて及第点を・・・と願っています。
卒業判定結果は、再来週、3月10日前後あたりに届くようです。

スクーリングの話はまた後日ということで、今日は短めに、2月7日に参加した「桜井市魅力満喫セミナー」についてご紹介します。

奈良まほろば館という、「三越前」駅近くの奈良のアンテナショップを、私はよく利用していますし、メールマガジンもとっています。そのメールマガジンで、このセミナーがあるのを知り、ちょうど予定も空いてるし、行ってみようか?と、申し込みました。

桜井市といえば、最近では、卑弥呼の墓かも?といわれるようになった箸墓古墳・纏向遺跡があり、大和国一ノ宮の大神神社があり、山の辺の道があり・・・と、古代ロマンあふれる地です。私もおととし、大神神社近くのゲストハウスに宿泊し、桜井市にふるさと納税し、特産品として三輪そうめんをいただくなど、ここ数年心をひかれている地域です。

このセミナーは、桜井市への移住定住に向けた取り組みを紹介する、という趣旨で開催され、長谷寺についての講演の他、桜井市へ移住した方のトークセッションがありました。

桜井市への移住を本気で考えているわけではないのですが、私が好きな地域についてピンポイントで話が聞ける機会だし、何かおいしいものがいただけるらしいので、行ってみよう!卒論も終わって暇ができたし。という感じで行ってみたのです。

会場は、40人くらいでいっぱいでした。桜井市の職員の方から、桜井市はどのような街か、という簡単な紹介があり、続いて長谷寺について、長谷寺東京出張所の所長さん(住職さん)がお話ししてくださいました。
私が印象に残ったことだけ書きます。まず、長谷寺にお参りされたことのある方?と所長さんが尋ねたところ、ほとんどの方が挙手したので驚きました。私も20年前くらいにお参りしたことがあります。やはり、ここに集まっている方は、奈良が好きで、移住も結構本気で考えている方たちなのかもしれないと思いました。若い女性もいましたし、全体的には、私よりは少し上の年代の方が多いようでした。

私は長谷寺も好きです。ご本尊の仏像は、とても見晴らしのよい外の景色を見るようにして座っていらして、東大寺二月堂のような登廊と、ぼんぼりのようなふっくらした形のあかりが心に残ります。
当時の門前町の雰囲気もこじんまりとしてよかったです。そこでにゅうめんを食べました。

以下、所長さんのお話のメモから抜き書きします。

長谷寺は、桜がすばらしい。
長谷寺の観音様が、「わらしべ長者」の観音様である。
全国の観音霊場の総本山である。
冬時間の7時から勤行があり、参加Okである。
お寺とコンビニとどちらが多いか。お寺は8万、コンビニは4万、まだお寺の方が多い。
伊勢神宮ができる前に、アマテラスは長谷寺の建つ前の土地に住んでいた。そこに観音様を造った。
要するに、昔は神仏習合の状態(本地垂迹)であり、例えば鶴岡八幡宮の前に鶴岡八幡宮寺があったりした。
長谷寺は真言宗豊山派の総本山であり、東京では音羽の護国寺に出張所がある。


長谷寺は女性的な、やさしい雰囲気のあるお寺であり、私は、ここには書きませんが、調べてみたいと思っていることがありますので今後も心に銘記すべきお寺です。
三輪山の裏・長谷寺との間あたりに、出雲とか白河といった地名があるのも、興味をひかれています。出雲人形というのがこのあたりで作られていますね。

そういえば、2月14日の「だだ押し」が有名で、私はその日に奈良に滞在していたのですが、その時間にはスクーリングで勉強していますから、残念ながら行けませんでした。
奈良の冬は、火まつりが多いらしいですね。お水取りとか若草山焼きとか。

さて、桜井市への移住者(具体的には長谷寺付近・初瀬)のトークセッションですが、若い方ばかりでなく、40代50代の方もいらっしゃいました。大阪にも通勤可能だとか。移住はもちろん誰にとってもよいことばかりではなく、地域の人とうまくやっていけるかどうかも重要であるということは受け入れ側の方がお話しされていました。


(箸墓古墳にも近い、ホケノ山古墳そばの国津神社近くの風景。住所は桜井市箸中ですからここも桜井市です。昨年3月のお彼岸にレンタサイクルで走った時のスナップ。のどかで最高だなあと思いながら自転車を走らせていました。国津神社も興味深い神社です。ここの境内からも子持勾玉が出たとか。)

最後に、「桜井移住体験モニターツアー」の紹介がありました。2000円で宿泊費・食事代などが含まれているツアーで、1泊2日で桜井のあちこちを見学するものです。3月19(土)~20日(日)の開催とのこと。募集人員10名で、その会場で早速申し込んでいる人もいました。私は、まあ行きたいですけれども、奈良に「行き過ぎ」なので3月は控えておこうかと・・・
先日も「奈良ファンクラブ」からちらしが送られてきたので、まだ定員に達していないのかな?

移住については、私はまだ東日本でいろいろとやらなければいけないしがらみ?もありますので、すぐには行けませんけれども、老後のすみかとして、いつか考えられるかもしれません。

移住は、本気を出して、やるぞ!と心を決めれば、いつでもどこでもできるように思います。
今日も、散髪するのも村外?という地方の過疎の問題の記事を見ました。3000円の散髪に1万5000円のタクシー代がかかるとか。
一方で、東京には人が集中しすぎて、さまざまな面で便利になりすぎていますが、生活するのにお金がかかります。大都会で貧困にあえいでいる人も多いのですが、地方に移った方が、物価も安く、のどかに暮らせるのではないかと考えたりするときがあります。医療や交通、生活の利便性などの問題はありますが、いろいろな職業の人が、少しずつでもバランスよく各地に居住することで、住みやすい地方の街が一つでも多く、かたちづくられるといいのですが。

さて、上に書いた「何かおいしいものがいただけるらしい」というのは、セミナー受講案内に
「受講いただいた方は、大和さくらいブランド認定品をご試食いただけます。」
と書いてあったことによります。

何かな・・・?と思っていたら、「めおとまんじゅう」という、紅と白の皮の間に餡がはさまったおまんじゅうでした。なるほど、シンプルですが、めおとっぽいです。

桜井市のホームページに、大和さくらいブランド認定品の紹介ページがありました。
http://www.city.sakurai.lg.jp/sosiki/machidukuribu/kankouka/brand/1450685786063.html

「やまとびと 女夫(めおと)饅頭」
江戸時代、伊勢参りの人々が往来してにぎわった桜井市黒崎付近で江戸時代に人々に親しまれた「女夫(めおと)饅頭」を復元して販売されています。 江戸時代の旅のガイドブックともいえる「西国三十三所名所図絵」に「大和の代表的な菓子」として紹介されています。このお饅頭は三層でできており、上は白い上用饅頭、下はピンク色の酒饅頭、真中には粒餡が入っています。


との説明がありました。そうなんですよね。この初瀬や三輪のあたりは、伊勢に通じる道があって、古くからの人の往来があったんですよね。

セミナーについては以上です。
スクーリングの時の話も書きたいところですが、そんなに長時間PCの前に座ってもいられませんので・・・ただ、一つ書くと、今回、あの真っ黒い奈良漬(今西本店)を初めて購入しました。真っ黒でないのなら、買ったり、食べたりしたことはあったのですが・・・
それを買ったお店で、酒粕も店頭に置いてあり、これも買ってみようか!とひらめき、白いやわらかいのを一つ、買いました。ちょっと、帰りの荷物が重くなりましたが・・・茶色い酒粕も売っていました。

何に使おうかな、と、考え中ですが、先日、甘酒を作って飲みました。体によさそうです。他にもいろいろ試してみます。この酒粕で、今西本店さんが奈良漬を漬けているのかは聞きませんでしたが、そうなんでしょうかね。
買ってきたものを見ると、和歌山県海南市の名手(なて)酒造店というお店の純米酒粕と書いてあります。

こうした酒粕は、新酒が造られる12月頃から3月頃までにしか出回らないらしいです。今まで知りませんでした。冷凍などの方法で、1年中どこかで買うことはできるようですが。

そういうわけで、このブログも、奈良大通信教育の学生さんなどが結構ご覧になっているようですので、今週来週、奈良にスクーリングに行かれる方がいらっしゃったら、奈良漬とともに、酒粕もお一つ、おみやげにいかがでしょうか?と、ご紹介しておきます。

余談ですが、この間のスクーリングの帰り、定期入れ(免許証、学生証、クレジットカードなど入り)をなくして、肝を冷やしたのですが、拾ってくださった方がいらっしゃって、近鉄奈良駅で預かっていてくださいました。ありがとうございました!感謝です。


平城宮では梅が咲いていました。奈良には梅が似合いますね。(神話伝承論の校外授業より 2月13日)

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卒論返却・・・合格です。

2016-02-06 18:17:58 | 大学通信 卒論関係
奈良大通信教育の卒論が戻って参りました。審査結果通知書とともに。

宅急便配達の予告メールが来ていたので、今日届くというのはわかっていたのですが、結果を見るのが恐くて、気持ちがざわざわしていました。

思い切って封を開けてみると、「90点」との評価でした。ありがたいことです。
例年、80点や90点の方がいらっしゃるのはなんとなく知っているのですが、95点とか100点という方もいらっしゃるのでしょうか?

ともかく、60点以上なら合格ですので、残りのスクーリングを仮に受けられなくて卒業できないとしても、来年度は学費19万円を支払わずに済みます。これで一安心です。

卒論のテーマは、後日改めて紹介できればと思いますが、大まかにいうと、古墳時代に祭祀に用いられた「子持勾玉」の出土地についてです。
子持勾玉は、勾玉に子どもの勾玉がいくつもくっついたような不思議な形をしていて、全国でも500個足らずしか発見されていません。多くが、単独出土(1個しか出土しない)です。
結構大きいんです。だいたい、10cm前後はあります。
不思議なことに、古墳内部からはほとんど出土しません。

奈良県の三輪山周辺(大神神社=大和国一之宮)で子持勾玉が多く出土しているというので興味を持ち、調べてみると、特に東国で出土が多く、一之宮など古社の境内や周辺の遺跡で出土しているという特徴がありました。
全体でみると、東日本で多く出土しており、西日本では少なくて、ただ、今世界遺産登録を目指している沖ノ島ではたくさん出土しています。

卒論では、東国の子持勾玉出土地の特徴、共通性などについて現地を調査しながら考察しました。
詳しい内容については、別の機会に紹介できればと思います。

現地調査前に現地の博物館に問い合せて所蔵を確認したり、博物館訪問当日に実際の所有者が新しくわかって、その日にいきなり所有者のお宅を訪問して上がり込み、貴重な子持勾玉を見せていただき、手に取らせていただくという経験もできました!そういった、地域の方々との触れ合いも、私にとっての大切な財産になりました。

奈良大学の現地・現物主義を実践できて、卒論執筆を通して本当によい経験ができました。
卒論の指導教官のT先生は、演習のスクーリングも受講させていただいたのですが、その際の、「現地を見て来てください。」という言葉が、文献史学をやってきた私にはとても新鮮で、大きな刺激を受けました。

これからも、現地に行き、現物を見るという行動力は大切にしていきたいと思います。

卒論では、子持勾玉そのものについてではなく、その出土地について考察しました。
一之宮でいうと、東国では、武蔵国の小野神社、常陸国の鹿島神宮、陸奥国の都々古別神社(福島県白河市)などの周辺で出土しています。二之宮や式内社(延喜式神名帳にも載っている古い神社)ですともっとたくさんになります。
こうした子持勾玉が出土しているということは、その土地が、古墳時代・5世紀頃からずっと祭祀の場であったという証拠になります。
私はもともと神社は好きではなかったのですが、そんなに古くからそこが祭祀の場であったのかもしれないと思うと、あなどれないなと思うようになりました。
神社もいろいろで、最近できた神社(例:明治神宮や靖国神社など)と、式内社や一之宮のような、1000年以上の古い由緒をもつ神社とは、一緒には論じられないとは思います。

子持勾玉出土地については、まだ調べきれていない所もたくさんありますので、これからも、暇をみつけて旅に出たりして、調べていきたいと思っています。

卒論完成まで多くの方々にお世話になりました。感謝しつつ、今後、この経験や研究成果を還元・発展させていきたいと思います。



昨年のお彼岸に奈良日帰り弾丸ツアーを決行した際に見た、桜井市立埋蔵文化財センターの企画展「魅惑の玉」で展示されていた子持勾玉です。


大神神社でこの子持勾玉が購入できます。

今日はこのへんで。

追記:子持勾玉について、いろいろご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ、ご教示ください。よろしくお願いいたします。

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