日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

神話伝承論スクーリング その3

2016-07-18 13:43:40 | 大学通信 スクーリング
昨日、京都の祇園祭の映像をテレビで見かけました。去年はナマで見て、この三連休はスクーリングに行っていたんだっけ、と思い出しました。去年はスクーリング・卒論の遺跡調査などで休日もかなりアクティブでした。
今年は、学芸員のレポートのために、博物館にいくつか行かなければいけません。私立の小さめの博物館で、おすすめのがありましたら教えてください。

三連休の最終日くらいは、午前中の時間を生かして、記事を一つアップしようと書き始めたところです。

神話伝承論スクーリングの続きです。
二日目の午後は学外授業で、バスに乗って平城宮跡に行きました。

平城宮の東院の復元を行っている現場を軽く見学しました。普段は開けていない扉を開けていただいて、入って行きました。


先生は、東院の復元事業に関わっているそうで、建物の上に金色に輝く鳳凰は、先生の意見が反映された結果だとか(笑)。考古学、歴史学、国文学などの各先生の議論の結果らしいですが。平城京の時代にこんなものがあったかどうか、いろいろ意見があったらしいですが、最終的にそうなってしまったようです。


池の石の置き方なども、当時そのままで復元しているのだとか。

付近は、梅の香りが漂っていました。奈良・平城京には梅が似合います。奈良時代は、「花」といえば梅、平安時代になると、桜になったようですから。
お天気はよくなかったのですが、梅の季節に平城京跡を訪れることができたのは、よい思い出です。

その後、朱雀門に移動して、この講座のハイライトともいえるでしょうか、朱雀門に立って、平城遷都の詔を読み上げました。
朱雀門から南に向かって立ち、先生の後について、元明天皇になったつもりで、みんなで読み上げます。

この写真は、朱雀門に向かってぞろぞろ歩いている図です。
読み上げるのは、この門の上に立って南を向いて行います。

「まさにいまへいじょうのち、しきんとにかない、さんざんしずめをなす。きぜいならびにしたごう、よろしくとゆうをたつべし。よろしくとゆうをたつべし。」(『続日本紀』和銅元(708)年2月15日条)

「しきん」は四禽で、青龍、白虎、朱雀、玄武です。「さんざん」は三山で、藤原宮では耳成山、香具山、畝傍山ですが、平城宮ではそれが、平城山、御蓋山(春日山)、生駒山になるのだそうです。

先生は、これを暗誦しながら、最後は怪しい教祖のように、両手を挙げて「よろしくとゆうをたつべし。」とやりました。
この朱雀門での怪しい集団の行為が名物になって、取材も入ったこともあるとか?
まあ、まさにその現地に立ち、声に出して読むというのはすてきなことです。思い出に残ります。奈良ではそういう行為が似合う場所がたくさんありそうですね。

そこで解散となりました。大極殿は閉まっていて、そっちの方は皆さん行ったこともあるのか、私もありますが、そのまま帰る人あり、私は、平城宮跡資料館に行ったことがなかったので、行ってみました。本当は、歩いて、海龍王寺の方まで行ってみたかったのですが、雨が強くなってきたので、断念しました。

資料館のミュージアムショップで、考古学の発掘スコップ型のスプーンを購入しました。

さらに次回に続けます。
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7月30日開催「発見・検証 日本の古代」古代史シンポジウム2016

2016-07-03 23:22:10 | イベント
いきなり暑いですね~。東京は35℃を超えたようです。
神話伝承論スクーリングの話題は一休みして、他の話題を短く紹介します。

7月30日開催の古代史関係イベントについてです。

「発見・検証 日本の古代」古代史シンポジウム2016

以下、告知ホームページより、開催趣旨↓

2015年に3回にわたって開催したシンポジウム「発見・検証 日本の古代」では、歴史学・考古学をはじめ多くの研究者が参画し、日本の古代国家形成について、新たな知見と発見と共に白熱した議論が展開されました。邪馬台国、卑弥呼の実像に始まり、騎馬文化の衝撃から古代国家の成立まで、大きな成果がもたらされました。今回、シンポジウムをまとめた書籍シリーズの第Ⅰ巻刊行を機に、改めて最前線の研究者による討議を行い、研究の新たな展開に挑戦したいと考えています。

○プログラムおよび登壇者

総合司会 上野 誠
第1部「王権と都市と モノの移動が語る」
東 潮(徳島大学名誉教授)、武末純一(福岡大学教授)、寺澤 薫(桜井市纒向学研究センター所長)
第2部「人とクニ 古代国家の誕生」
白石太一郎(大阪府立近つ飛鳥博物館館長)、鈴木靖民(横浜市歴史博物館館長)、森 公章(東洋大学教授)
第3部「心と言葉 祭祀と言語の起源」
北川和秀(群馬県立女子大学教授)、笹生 衛(國學院大學教授)、田中史生(関東学院大学教授)
第4部「古代学の未来 "フミ"と"モノ"の知の結集」
登壇者全員

○開催日時:2016年7月30日(土)13:00~17:30

○会場:紀伊國屋サザンシアター(タカシマヤ タイムズスクエア南館7F)
   渋谷区千駄ヶ谷5-24-2(JR新宿駅新南改札より徒歩5分)

去年も、上野誠先生司会のこのイベント、行ってみようと思った時にはもう締め切られていて行けませんでした。
今年も、上野氏はじめ、寺沢薫氏、白石太一郎氏、鈴木靖民氏など、私の興味関心の分野ではそうそうたるメンバーで、さらには私が読む論文などでよくお目にかかる森公章氏、笹生衛氏、テレビで見たことのある田中史生氏、など、私のアンテナにひっかかってくる方々が集結されるので、ぜひ、と思って、チケット申込み開始の初日の7月1日にさっそく予約しました。なかなかよい席です。

募集人数:440名(先着順)※申込み受付け開始は、7月1日予定
受 講 料:3,240円(税込・全席指定)※「発見・検証 日本の古代」シリーズ第Ⅰ巻『纒向発見と邪馬台国の全貌―卑弥呼と三角縁神獣鏡』が含まれます

とのことで、書籍代を含んでいるんですね。

お申込みは ⇒
キノチケオンライン(24時間受付)
https://www.kinokuniya.co.jp/c/label/20150925000000.html
または
店頭販売(10:00~18:30)
 キノチケットカウンター(紀伊國屋書店新宿本店5F)
 紀伊國屋サザンシアター(タカシマヤタイムズスクエア南館7F)にて

以上の情報は、以下のリンクより
http://www.asahi.com/ad/kodaishi-sympo/

興味のある方は、まだ席はあるようですので、参加してみてください。
考古学、文献史学、国文学・・・などが、融合して研究を進めていく時代になってきたと私も思っています。関東地方にお住まいの皆さんもご一緒に。
奈良大関係者(上野先生、白石先生)が入っているのもうれしいですね。

さて、下の写真は、6月30日に多くの神社で行われる茅の輪くぐりの輪です。出勤途上、某神社で初めて体験しました。茅の輪は、結構大きくて、青々としているんですね。
これで半年間の穢れを落として、今年の後半も元気よく前に進んで行きます。



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