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日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

ムンク展「叫び」を見てきました。

2018-12-28 01:37:31 | イベント
2018年ももうすぐ終わります。なんとなく恒例になりつつある、「今年は漢字一文字で?」を今年もやっておこうかと思います。その前に、今日行って来た美術館の話を書きたいと思います。・・・と書きはじめたら、長くなってしまったので、漢字一文字の話は今回は見送りですね・・・

今日から仕事も休みにして、上野の東京都美術館で開催中の「ムンク展―共鳴する魂の叫び」に行って来ました。
https://munch2018.jp/
上野では、他に、フェルメール、ルーベンスの展覧会もやっています。ムンク以外も見ようかなとも思ったのですが、一つでおなかいっぱいになり、全然違うタイプの絵を見るのも、余韻が壊されるかななどと考えたりして、ムンクだけで帰って来ました。

私は自分の担任クラスの生徒向けの学級だよりに、冬休みに、本を読んだり展覧会に行ったり映画を見たりして心を豊かにしてほしい、ということで、いくつかおすすめを挙げた中にこのムンク展も挙げておきました。
その時は知らず、行ってみて知ったことなのですが、12月中は高校生は無料とのこと!!
現地で並んでチケットを買っている時に聞いて、えっ?そんなの知らなかったよ、知っていればもっと宣伝したのに・・・
というわけで、高校生の皆さん、12月中は無料ですから、行ってみてください。生徒証は持って行ってください。
自分のクラスの生徒にはこのブログの存在は教えていません(1年生は日本史をやっていないため)ので伝えようがありませんが・・・


なんといってもムンクといえば「叫び」が有名です。その絵は何枚かあって、今回「来日」したのは1910年頃に描かれたものでした。その絵を含めて100枚くらい展示してあって、見ごたえがある展覧会でした。

一応平日でしたがお客さんはやや多め。「叫び」の所は行列を作って流れていく形でした。少し並んで、順番を待ち、いざその絵の前に立とうとして、正面に立つ時にたじろぐような、圧を感じるような、迫力がありました。夕焼けのオレンジが全体を支配していて、不安をかきたてられるような絵です。そのそばに、「絶望」というタイトルで、似た構図の絵(人物は叫んでいない)があって、やはりこの絵は愉快な気分の絵ではないなと確認しました。

ムンクの他の作品は知らなかったのですが、さまざまな絵を見ていろいろ感じさせられました。ムンクの絵は、写実的で美しいというのではなくて、心の中が絵に表現されていると思いました。

赤い服や白い服を着た女性を描いているものを見て、ふと、関根正二という画家の絵が似ている、と思いました。関根正二は、私の実家・白河出身の、20歳で夭折した天才画家です。やはり赤い色が印象的で、心象を描いた絵というところで似ていると思いました。
関根正二の絵で有名なもの(重要文化財に指定)として、「信仰の悲しみ」というものがあります。
何となく似た雰囲気だと思い、ちょっとネットで検索してみたら、同じようなことを考えた人も少なくとも一人はいました。

そして、ムンクと関根正二が生きていた時代は重なっていました。日本にムンクの絵が紹介されたのが、ウィキペディアによると1911、1912年頃。関根正二が12、13歳の頃です。ムンクの絵を見たかどうかはわかりませんが、人間的なタイプが似ているかもしれません。全く勝手な憶測です。

グッズ販売のコーナーも「充実しすぎ」ていました。「叫び」の絵に、ピカチューとかキティちゃんが入り込んで叫んでいる絵のグッズ(こんなパロディみないなことが許されるんですね)とか、お面とか、お菓子とか、付箋とか、Tシャツとか、ありとあらゆるグッズが売っていました。どうも私は身につける気にはなれませんので買いませんでした。

日本史のブログとしてはだいぶかけ離れた内容になってしまいました。
とりあえず、高校生は、12月中は「無料」ということですから、行ってみましょう。という告知でした。ムンクの生き方は、まさに芸術家です。簡単にまねできるものではありません。若い感性で、本物の芸術をナマで感じてきてください。
12月は、31日(月)以外は開館しています。1月1日は休みですが2日から開館しています。
東京国立博物館も1月2日からやっていますし、冬休みにどこか博物館に「初もうで」してみるのもオツなものですよね。

・・・というわけで、本当は、「今年は漢字一文字で」の話のつもりが、妙にムンクの話が長くなってしまったので、また明日以降、書きたいと思います。今日はこのへんで。