日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

知の格闘技??

2018-01-28 21:09:20 | イベント
東京は先日大雪が降り、降って数日経つのにかなり雪が解け残っています。寒いです。
机の上に、記事にするために積み上がっている資料を片付けたいので、2016年の7月に遡ってイベントの記事を書きたいと思います。

「発見・検証 日本の古代 古代史シンポジウム 2016」を観覧してきました(古くてすみません)。

開催日時:2016年7月30日(土)13:00~17:30
会場:紀伊國屋サザンシアター(タカシマヤ タイムズスクエア南館7F)
https://www.kinokuniya.co.jp/c/label/20160603115500.html

これについては、以前に開催告知を記事にしています。

再掲のような形になりますが、開催の趣旨は以下のようなものです。

2015年に3回にわたって開催したシンポジウム「発見・検証 日本の古代」では、歴史学・考古学をはじめ多くの研究者が参画し、日本の古代国家形成について、新たな知見と発見と共に白熱した議論が展開されました。邪馬台国、卑弥呼の実像に始まり、騎馬文化の衝撃から古代国家の成立まで、大きな成果がもたらされました。今回、シンポジウムをまとめた書籍シリーズの第Ⅰ巻刊行を機に、改めて最前線の研究者による討議を行い、研究の新たな展開に挑戦したいと考えています。

○プログラムおよび登壇者
総合司会 上野 誠(奈良大学教授)
第1部「王権と都市と モノの移動が語る」
東 潮(徳島大学名誉教授)、武末純一(福岡大学教授)、寺澤 薫(桜井市纒向学研究センター所長)
第2部「人とクニ 古代国家の誕生」
白石太一郎(大阪府立近つ飛鳥博物館館長)、鈴木靖民(横浜市歴史博物館館長)、森 公章(東洋大学教授)
第3部「心と言葉 祭祀と言語の起源」
北川和秀(群馬県立女子大学教授)、笹生 衛(國學院大學教授)、田中史生(関東学院大学教授)
第4部「古代学の未来 "フミ"と"モノ"の知の結集」
登壇者全員
受 講 料:3,240円
「発見・検証 日本の古代」シリーズ第Ⅰ巻『纒向発見と邪馬台国の全貌―卑弥呼と三角縁神獣鏡』という書籍代が含まれていました。

全席指定で、私は結構前の方のよい席でした。紀伊国屋サザンシアターには初めて入りましたが、いろいろ演劇などの催し物が数多くあるんですね。また来てみたいなと思いました。

今までこのようなシンポジウム等で拝見したことのある寺澤先生、白石先生、講義を受けた上野先生はともかく、私が読む論文でよく見かける鈴木靖民先生や笹生先生もナマで・・・というところが興味の焦点でした。

シンポジウムの主な内容は、省略(笑)。研究は日進月歩なので、もう状況が変化しているかもしれませんし。

とはいっても、やはりメモを読み返し、自分の関心からごく一部だけ抜き出すと、
誰の発言かも定かでないのですが、

「8世紀の人は雄略天皇を始祖と考えている。万葉集も。雄略期は画期。断層がある。」

田中氏「文献史学的に(?)、雄略期は画期か。5世紀を前半期と後半期に分けて考える。考古学とも違わない。」


このあたりは興味深いです。私が奈良大通信の卒論で取り上げた、子持勾玉も、5世紀にしかみられません。文字の使用が微妙な時期でありますが、それでもなんとなく現代まで伝わってくるものがある、日本は、いや奈良はといったらいいのか、すごいです。

あとは、自分のメモから抜き書きしておきたい所だけにします。それは、上野先生が最後に各パネリストに尋ねた、「若い人は未来からやってきた留学生と言われるが、若い人はどういう分野に時間とお金を費やしたらいいか、学部の1年生にさとすように言ってほしい」という話題についてです。
以下、敬称略。

田中 文字文化を考えたい。祝詞も朝鮮半島から入ってきた。

笹生 おまつりの対象をどう考えるか(災害との問題で)

北川 『万葉集』『日本書紀』を熟読玩味しよう。「大王」という表記は歌の中、題詞は「天皇」で残っている。二重のスタンダードがある。


これは私も実践したいと思っていることです。

森 自分の好きなことをしなさい。自分達は律令国家や平安時代が主流だった。韓国語や中国語の学習も必要になる。

これも私は共感できます。私が学生の頃も律令制度の関係をやっていました。しかし、トレンドというか、は、動いているのが感じられます。私も勉強のために韓国語や中国語をほんのちょっとかじりました(かじっています)。

鈴木 好きなことをやれといっても職がない。津田左右吉など『日本書紀』を暗記していた。これからの歴史学は、地球規模で日本の歴史を考えることが求められるだろう。留学の必要性も。

これもそのとおりで、私も『記紀』のどこに何が書いてあるかがわかるくらいに内容に精通したいものだと思っています。思うだけでなかなか難しいのですが。

白石 古代学、パレオロギア。文献史学と考古学の総合。それぞれの学問の方法を尊重しなければならない。

これも私は強く同感します。私は最初の大学で文献史学をやり、次の大学で考古学をやり、それぞれの分野だけでは足りない面があり、「古代学」という考え方は必要と以前から考えていました。

寺澤 何か一つ、自分のやりたいことを徹底してやれ。その後で、政治学でも植物学でも二つ目三つ目を作れ。

武末 留学してほしい。古墳時代の研究は古墳中心になってしまうが、集落研究もやってほしい。弥生時代も集落研究が中心。

東 フィールドワークのすすめ。


最後に上野先生が、

「70年前は考古学は未発達。70年後はこうしたシンポジウムには遺伝学の先生が半分以上並んでいると思う。私は70年後も司会をやりたい。」

と言って笑わせました。

せっかく学部の1年生向け的な貴重なアドバイスのオンパレードだったのに、観客は、高齢の人が多かったような。大学生はほとんどいなかったのでは?


上野先生は、ノーネクタイ、猫背で登場し、うまくシンポジウムをさばいていました。ご自分の意見などはほとんど言わず、司会に徹しているところは立派です。こういう感じだと、司会業のお仕事は次々やってくるのかもしれません?

各先生方の学部生へのアドバイスは、なるほどと思うものばかりです。私も奈良大での勉強をきっかけに、なんとなく考古学に足をつっこんだわけですが、時代的に、自然ななりゆきだったのかもしれません。

こういう流れを踏まえて、私も、学校で関わる生徒に、これから探求するといいかなという分野について紹介できたらと思います。誰か、考古学者になってくれないかなあ??私、発掘現場に差し入れに行きますから(笑)。

センター試験 そして生涯学習

2018-01-14 14:34:44 | 受験
センター試験が昨日今日とあって、今の勤務校でもチャレンジしている生徒がいます。昨日地歴が終わったので、一段落です。理系の人はまだ今日も試験が続いていますが、私が関わっている生徒は終わったことと思います。お疲れさまでした。

私も大学受験生と関わるのは久々で、「大予想」といった大風呂敷は広げられませんでした。米騒動(1918)から100年、ということで、そのあたりの時代のことが出るかなと考えておりました。米騒動そのものは出ませんでしたが、大正デモクラシーのあたりの出題はたくさん出ました(※追記:日本史Aの方に米騒動出てましたね。Bしか見ていませんでした。)。2年生の授業でやったこと・これからやる所がいっぱい出ています。

センター試験は難しくはありませんが、文章をよく読んで、勘違いなどのミスをしないように慎重に解答する必要があります。

センター試験を受けておけば、その結果を使って、出願するだけで合格できる大学もたくさんありますので、有効に結果を活用してください。
センター試験の結果+私大の試験を受けて合格したという事例もあります。例えば英語のリスニングの成績がよかった人が、それを活用して合格、ということもありました。

現役生はまだまだこの時期も伸びる、といわれます。3月まであきらめずに、志望校合格を目指して勉強を続けてください。

・・・と書いても、最近では読者に受験生がどれだけいるのかも謎ですが、一応まとめておきます。

さて、ここからは私ごとですが、めでたく「博物館経営論」のレポートができあがり、先ほどメールで提出してしまいました。非常に難航しましたので、ものすごくすっきりしてうれしいです!学芸員資格課程のことにかかわらず、もろもろについて新年から明るい展望が開けたような気分です。

博物館経営論は、こちらによく来てくださる普通検索観音さんのコメントでヒントを得て、おかげさまでまとまりました。だらだらと内容を書き連ねていたのですが、結論がうまく書けず、結論が書けたとたん、だらだらしていたものをどんどん削って、すぐできました。不完全な感じはするのですが、とりあえず不合格でもいいから一回手元から離してしまえ、と思いまして。

本当は、おととしの記事をまた書こうと書き始めていたのですが、あまりいろいろ一つの記事にまとめて書くとよくないかなと思いまして、ここまでにとどめておきます。今日のうちにもう一つアップするかもしれません。


写真は、2015年1月12日、奈良大通信教育のスクーリング・文化財学演習1のポスターセッションの時のものです。もう、まる3年前??なつかしいです。当時は、自分が卒論でやりたいことをまとめるためにわくわくしていました。

冬の奈良のスクーリングは、どんよりとした曇り空の日もあって、寒くて、たまに大粒の雪が降ってきたりもするのですが、勉強する内容も、奈良の地を散策することも、わくわくがつまっていました。だから、今でも、冬の暗い曇天であっても、奈良の空を思い出し、あのわくわく感がわき上がってくるような時があり、また奈良に勉強に行きたいなあ、と思ったりするこの頃です。

この記事の前半は、高校生の大学入試の話題でしたが、18歳で大学に入学するばかりでなく、この写真のように、何歳になっても、大学で学ぶ機会は開かれているのです。何歳になっても、勉強したいなあ、と思ったその時、このような学びの場を選択して飛び込んでみるのもよいことです。道は一本しかない、と思いつめず、自分のペースで、学びの道を歩いて行きましょう。

古墳型クッキーの話などからスタートしてみましょうか

2018-01-06 18:23:34 | 古墳時代
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

私が最初に担任した生徒の皆さんも、今年は年男・年女で、もう24歳になる人もいるということで、そう考えると月日の経つのは早いなあと感じます。

私はお正月は好きではなく、実家でもお正月だからと何か構えてやっていたわけでもないので、それらしい話題はスルーしたいと思います(笑)。そして、まだ(本当に机の上に)積み上がっているおととしあたりの話題から書き続けていきたいと思います。

ただ、一応去年も、今年は何をどうするという話題を年頭に書いていたようなので、少し書きますと、博物館学芸員資格課程の関係では、レポートあと一つの合格で、夏休みの博物館実習が可能になるので、それも日程の関係で行けるかどうかわかりませんが、とりあえず実習を受ける権利を獲得するための努力をしたいと思います。
仕事の方については、ここではあまり具体的には書けませんが、生徒の皆さんのためによりよい授業を、ということは言えると思います。

受験生は、センター試験が目前に迫って来ましたが、ベストを尽くしていきましょう!
私も受験生と同じ気持ちで勉強しようと思っています。がんばりましょう!

さて、おととしあたりの話題から再び書き続けようと書き始めたのですが、長くなるので簡単な話題に変更です。

昨年の夏休み、大阪・堺+奈良を放浪した時のおみやげです。

高畑方面で、志賀直哉旧宅や新薬師寺を見た後、興福寺近くまで戻って来て入ったお店、「プティ・マルシェ」で買ったクッキーです。ここは「ぷちまるカフェ」ともいい、というかカフェ部分がそういう名前なんでしょうか、あの古墳型ケーキで有名なお店です。
http://www.petitmarche-nara.jp/kofun.html
この古墳型ケーキは私もいつか食べてみたいのですが、超人気らしいので、本当にいつか、ですね。お店に行った時も、店員さんはとてもお忙しそうでした。

古墳型ケーキ以外もいろいろ売っているのをネットで知っていたので、それを目当てに入ってみました。


購入したのは、古墳型クッキー「おくつきの里」 ケースの底の「6基」入りという表記に笑いました。徹底しています。ポピュラーな前方後円墳だけでなく、マニアックな形も入っています。クイズまでついていましたよ。


それから、シカの白ちゃんクッキー。やさしい、かわいい表情がよく表現されています。この白ちゃんについては悲しい、また心もあたたまる話があります。ネットで探せば出てくると思います。
どちらも、とてもよい味でした。本当に。デザインも美しいです。

実は、夏休みの講習の時に来ていた生徒と食べたのですが、ちゃんと、八角墳は特別なお墓ということも知ってる生徒がいました。古代の授業を受けていないのに。物知りですねえ。

他に、勾玉クッキー、お菓子以外にも並んでいた古墳などのマスキングテープ、古墳クリップなどのグッズも買いました。他にも買いたいものがいろいろありましたが、あんまり買いすぎても何この人?と思われてもなんなので、やめておきました。いろいろと人気のお店で、また奈良に行った折に立ち寄ってみたいと思います。

そんなこんなで、あと少しで冬休みも終わりです。一応、博物館経営論のレポートを書いていましたが、まとまらない!量は書けるのですが。
「人的資源の消耗」って、何なんだ?どこに書いてある?と、そんな感じです。
レポートをまとめ上げる能力が落ちているのか、内容的に難しいからなのか、わかりませんが、あと二日で形になるのか、わかりません。そんなところです。