税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

有価証券の譲渡対価の額(残余財産の分配)

2012-11-02 06:28:58 | 新会社法
有価証券の譲渡対価の額(残余財産の分配)

1、有価証券の譲渡
有価証券の譲渡には、売買だけでなく、あらゆる法的原因による所有権の移転や消滅が含まれます。
したがって、合併や残余財産の分配も有価証券の譲渡とみなされる。

2、みなし配当の控除
上記1の有価証券の譲渡の対価の額からは、みなし配当の金額は控除される(法人税法61条の2第一項1号カッコ書き)。

3、設例(残余財産の分配)
A社は、B株(簿価:4,500千円)を所有していたが、その法人が解散し残余財産の分配金として5,000千円(源泉所得税1,000千円を含む)を取得した。なお、A社の株式所有割合に対応するB社の資本等の額は3,000千円であった。

みなし配当の金額:5,000千円-3,000千円=2,000千円
譲渡損失:(5,000千円-2,000千円)-4,500千円=▲1,500千円

注1、みなし配当金額については受取配当金敷金不算入、源泉所得税については所得税額控除の適用ができる。

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第二次納税義務(残余財産分配)

2012-10-31 09:20:35 | 新会社法
第二次納税義務(残余財産分配)

●残余財産分配時にみなし配当が発生する場合があります。みなし配当金については源泉徴収税額を控除して、その残額を株主に分配しなければなりません。

●もし、その会社がみなし配当につき、うっかり源泉徴収を忘れて、全額を株主に分配してしまった場合は、どうなるのか。

それは、第二次納税義務の規定(国税徴収法34条)により、清算人及び残余財産の分配を受けた者が納税義務を負うこととされています。

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加算税(期限後申告)

2012-10-30 06:21:08 | 新会社法
加算税(期限後申告)

期限後申告書の提出をすると、その納付税額(本税)の他に、加算税が課せられます。

[設例]
Aは2年前、9,000千円の贈与を受けたが、その申告を平成24年にした。その贈与税額1,910千円も申告と同時に納付した。
加算税はいくらか。

[加算税の額]
イ、1,910千円×15%=286,500円
ロ、(1,910千円-500千円)×5%=70,500円
ハ、加算税の額 286,500円+70,500円=357,000円

注、期限内申告書の提出がなかったことにつき正当な理由がある場合など加算税が課せられない場合がある。

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事前確定届出給与(決議機関)

2011-10-11 06:38:28 | 新会社法
おはようございます。税理士の倉垣です。

事前確定届出給与(決議機関)

法人税法においては、役員報酬は原則として損金不算入であるが、定期同額給与や事前確定届出給与は損金に算入される。
事前確定届出給与の定めの決議機関を確認してみます。

1、事前確定届出給与の損金算入要件
その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づき支給する給与(納税地の所轄税務署長に届出をしているものに限る)は損金に算入されます。

2、決議機関について
上記1の給与は株主総会、社員総会又はこれらに準ずるものの決議により定められなければならない。
株主総会で給与の支給額の総額を定め、個々の役員ごとの給与額は取締役会に一任する方法も認めれれるものと思われます。

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印紙税(契約書の取扱い)

2011-09-29 06:28:58 | 新会社法
おはようございます。税理士の倉垣です。

印紙税(契約書の取扱い)

1、同一の内容の文書を2通以上作成した場合(印紙税基本通達19条)
(1)契約当事者間において、同一の内容の文書を2通以上作成した場合において、それぞれの文書が課税事項を証明する目的で作成されたものであるときは、それぞれの文書が課税文書に該当する。
(2)写、副本、謄本等と表示された文書で次に掲げるものは、課税文書に該当する。
イ、契約当事者の双方又は一方の署名又は押印があるもの(ただし、文書の所持者のみが署名又は押印しているものを除く)
ロ、正本等と相違ないこと、又は写し、副本、謄本等であることの契約当事者の証明(正本等との割印を含む)のあるもの(ただし、文書の所持者の実が証明しているものを除く)

2、契約当事者以外の者に提出する文書
契約当事者以外の者(例えば、監督官庁、融資銀行等当該契約に直接関与しない者をいい、消費貸借契約における保証人、不動産売買契約における仲介人等その契約に参加する者を含まない。)に提出又は交付する文書であって、その文書に提出若しくは交付先が記載されているもの又は文書の記載文言からみてその契約当事者以外の者に提出若しくは交付することが明らかなものについては、課税文書に該当しないものとされる(印紙税基本通達20条)。

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印紙税(文書の所属の決定)

2011-09-26 06:28:15 | 新会社法
おはようございます。税理士の倉垣です。

印紙税(文書の所属の決定)

印紙税は、まずその文書が課税物件表の第1号から第20号文書のどれに該当するかを判断します。

1、単一の事項のみが記載されている文書
その記載されている事項が、課税物件表のどの号に該当するか判断する。

2、2以上の事項が併記又は混合記載されている文書
1の文書で課税物件表の2以上の号の課税物件が記載されているものは、通則2の規定によりそれぞれの号に掲げる文書に該当し、更に通則3の規定により1の号にその所属を決定する(印紙税基本通達9条)。

(1)第1号又は第2号文書と第3号から第17号までの文書とに該当する文書(ただし、次の(2)又は(3)に該当する文書は除く)
第1号(又は第2号)文書
例、不動産及び債権譲渡契約書(第1号と第15号文書)→第1号文書

(2)第1号又は第2号文書で契約金額の記載のないものと第7号文書とに該当する文書
第7号文書
例、継続する物品運送についての基本的な事項を定めた記載金額のない契約書(第1号文書と第7号文書)→第7号文書

(3)第1号又は第2号文書と第17号の1文書とに該当する文書のうち、売上代金に係る受取金額(100万円を超えるものに限る。)の記載があるものでその金額が第1号若しくは第2号文書についての契約金額を超えるのも又は第1号若しくは第2号文書についての契約金額に記載のないもの
第17号の1文書
例、売掛金800万円のうち600万円を領収し、残額200万円を消費貸借の目的とすると記載された文書(第1号文書と第17号の1文書)→第17号の1文書

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監査役の報酬の決定

2011-06-24 06:52:22 | 新会社法
おはようございます。税理士の倉垣です。

監査役の報酬の決定

監査役の報酬の決定方法について会社法の取扱いを確認しておきます。

1、監査役の報酬
監査役の報酬は、定款でその額を定めるか、株主総会の決議によって定める(会社法387条1項)。
取締役の関与は排除されています。監査役の独立性を確保するためです。

2、監査役が複数の場合
監査役が複数ある場合で、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、その報酬等については、上記1の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定めることとなっている(会社法387条2項)。
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発行可能株式総数(会社法)

2011-06-18 13:42:15 | 新会社法
おはようございます。税理士の倉垣です。

発行可能株式総数(会社法)

1、設立時
設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない(会社法37条3項本文)。

2、発行可能株式総数の増加
定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合には、変更後の発行可能株式総数は、その定款の変更が効力生じた時における発行済株式総数の4倍を超えることができない(会社法113条3項本文)。

3、非公開会社の場合
非公開会社の場合には、上記1と2の制限はない(会社法37条3項但書、会社法113条3項但書)。

4、公開会社の定義
公開会社とは、その発行する全部または一部の株式の内容として譲渡によるその株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない会社をいう(会社法2条5号)。

日本の多くの中小会社は株式の譲渡制限を設けている非公開会社とおもわれますので、発行可能株式総数の発行済株式数による制限は大きな上場会社などに適用されるだけでしょう。

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清算株式会社の機関

2011-04-06 06:24:43 | 新会社法
おはようございます。税理士の倉垣です。

清算株式会社の機関

清算株式会社の株主総会以外の機関のうち、清算人と監査役について会社法の規定をみてみました。

1、清算人
(1)清算人の設置
清算株式会社には1人又は2人以上の清算人を置かなければならない(会社法477条1項)。

(2)清算人の就任
次の掲げる者は、清算株式会社の清算人となる(会社法478条1項)。
イ、取締役(次のロ又はハに掲げる者がある場合を除く。)
ロ、定款で定める者
ハ、株主総会の決議で選任された者

(3)清算人の職務
清算人は、次に掲げる職務を行う。
イ、現務の終了
ロ、債権の取立て及び債務の弁済
ハ、残余財産の分配

(4)清算人の任期
清算人の任期の規定はないが、株主総会はいつでも解任できる(会社法479条)。

2、監査役
解散時に大会社又公開会社であった会社は、監査役を置かなければならない。それ以外の会社は、定款で定めることにより、監査役を置くことができる(会社法477条2項、4項)。

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