しばらく教室はお休みなので、野菜や農業や食に関するいろんなことをぼちぼちと書こうと思います。
今日は品種の話。
農業実践教室を始めて衝撃を受けたことの一つが、野菜の品種の多さです。
一般的なスーパーのみならず、こだわり宅配で野菜を買っても、たいていの場合、にんじんはにんじん、キャベツはキャベツ、ダイコンはせいぜい三浦ダイコンと青首ダイコン、くらいしか種類がありません。
なんででしょう・・・。
トマトだけは、すごーく品種もそしてブランドもたくさんありますね。
キャベツの値段が100円上がったら、夕方のニュースで恨めしそうに報道されます。でも、トマトは、日本では野菜の中でも次元が違うようで、価格の許容範囲が大きく、あんな小さいのに1個300円でも都心の高級スーパーでは軽く売れちゃいます。値上がったとしても「値上がり感」が最も薄い商品なのではないでしょうか。
皆さんがトマトの価格に対してなぜあれだけ寛容なのかというと、トマトの場合は「糖度」という分かりやすい味の尺度があるからでしょう。最近のトレンドは、たぶん「甘いは旨い」です。分かりやすく「旨い」と思えるので、高くても買っちゃうんです。
ある有名なブランドのトマトを展開する会社の社長さんは、「トマトは、もはや野菜ではなくフルーツ、おやつ感覚」とおっしゃっていました。
確かに、食料品というカテゴリーでは値段にシビアな方も、おやつのカテゴリーになると別バージョンのそろばんをはじきます。
それにしても、トマトは、あまりにも品種が多く、しかも品種の多さについて消費者レベルでも認知されているせいか、トマトだけを取り扱うショップ(”店”ではなくショップ→語尾を上げる感じで発音)まであるくらいです。
でもですね。
トマト以外にも、品種によってすごく味が違う野菜ってあるんです。
第3期で品種による味の違いがすごく分かったのがニンジン。
ニンジンは第3期では4種類作りましたが、中でもベータリッチという品種のニンジンは、他の3種類に比べて別格の味で、それはもう甘くて大好評でした。調理して食べるより、生で食べた方がずっと美味しさを体感できますので、居酒屋でスティックニンジンとして出したら、大好評であること間違いなしですね!
すっごく美味しいのに、病気になりやすく栽培が難しいせいか、今まで店頭に並んでいるのを見たことがないし、通販宅配でも見たことがありません。
確か千葉県では、栽培に力を入れていると聞いたのですが、滅多にお目にかかれず、一体どこに流通しているんでしょうか。。。
そしてカブ。
「カブは冬がうまい」という定説を覆したのが、溝口さんが5月頃に出荷していたカブです(品種は溝口さんの商売に悪影響があると困るのでヒミツ♪)。
ヒエーっと驚くくらい品種で味が違うのに、いつだってカブは「ただのカブ」扱いです。
ハッキリ言って、あの味を知ってしまったら、「今買おうとしているこのカブは、あのカブなのか違うカブなのか」・・・見分けて買いたいです。
そしてそして、この2年間ワタシが美味しいと主張し続けている「長崎晩生」。
ハクサイの一種だけれど、もはやあれはハクサイだと思わずに、どうか仕入れてくださいな小売業者の皆様。
皆さん、トマトだとものすごく色んな種類の商品を店頭に置くのに、たとえばどうしてハクサイは取り扱いが1種類だけなのでしょうか??しかも、長崎晩生の場合にはハクサイっぽくないから商品としてバッティングしないのになあ。難点を言えば、結球タイプのハクサイより日保ちはしなし、ちょっとグニャっとするので、取り扱いがほんの少し難しいかもしれませんけれど・・・。
ああ、知ってしまうと奥深くはまっていく野菜の品種の世界・・・。
もちろん、野菜によっては、品種や栽培方法による味の違いが分かりにくいものもありますが、違うものは断然違います。
最近、いわゆる「高付加価値型の野菜」として、小売店では顔が見えたり、携帯電話をかざすとちょっとした文章が読めたりする野菜が流行っていますが、そのような差よりも、「所詮ニンジン」「所詮カブ」というレベルから一歩抜きん出ている、食べてみて「」とする野菜こそが高付加価値な野菜だと思うのですが・・・。
というわけで、農業実践教室では、無農薬での野菜の作り方を学ぶだけでなく、野菜の味も楽しみますよ!
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第4期農業実践教室は、おかげさまで定員に達しましたので、お申し込みを締め切らせていただきました。 たくさんのご応募をありがとうございました。
2月9日の説明会は、第5期に向けた説明会とさせていただきます。こちらについては、引き続きお申し込みを受け付けておりますので、ドシドシお申し込みください。
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