2018/08/20(月曜日) 晴れ
パルスゼネレータから出力されるパルスを2進カウンタで計数しその2進コードを
抵抗ラダー回路で鋸歯状波に変換してみた。
この鋸歯状波はとてもきれいな波形だった。
この鋸歯状波をバリキャップに加えてスイープ発振回路を動作させてみた。
うまくスイープ発振してくれるかどうか、その確認はSDRドングルとSDR#や
HDSDRのソフトウェアで確認した。
何とかスイープ発振していることは確認ができた。
しかしパルスゼネレータのパルスを計数し、ラダー回路で鋸歯状波に変換すると
カウント0から最大カウント、そしてまた0から最大までカウントする・・・を
繰り返すので鋸歯状波も0から最大までを繰り返している。
スイープ発振回路も鋸歯状波の出力に従って低い周波数から高い周波数を繰り返し
て発振し、その周波数範囲は相当広いものになる。
SDRドングルはこの広い範囲の周波数の電波を受信してHDSDRなどのソフトウェアで
PCディスプレイにスペクトラム表示などをおこなうのであるが、スペクトラムを表示
する範囲は狭く(HDSDRは最大3MHz、SDR#のそれは1MHzばかりである)
スイープ発振回路が発振したその、ほんの一部を表示するだけで、しかも、ほんの一瞬だけ
しか表示されない。
次のスイープが始まってまた同調周波数がやってくるまで待つのだが結構時間がかかる。
これを早めるためにスイープ周期を早めるとSDRが反応しなくなってしまう。
結局スペクトラムをはっきりと見えるようにするにはゆっくりスイープにしなくてはならず
休み休みのスペクトラム表示になってしまう。
それを解決するには指定した回数から計数を始め、指定した回数でまた元に戻って
指定した回数から計数を始めるようなカウンタが必要になる。
これを純然たるハードウェアで実現するのは結構大変だ。
コンピュータを使えばわけはないだろうが、コンピュータだけあっても用はなさない。
「コンピュータ。 ソフトがなければただの箱」
ソフトウェアが必要なんだ。 これは簡単には作れない。
なんだかんだあれこれ準備が必要なんだ。
ところが何の準備もいらないコンピュータがあった。
もう何十年も前に購入した「ワンボード・マイコン」 TK-85 が押し入れに眠っていた。
このマイコンは全て手入力でプログラムが組める。
そのかわり、すべてのことを人間がしなくてはならない。
マイコンとはマシン語(コンピュータが理解できる記号)でやりとりするしかない。
CE 00 23 D3 80 ・・・・ だとかわけのわからない記号をメモリーに
書き込んで行く。
もうこの歳になると記憶力もほとんど0だからマニュアルを何度も何度も見直さなくてはならず
とても大変で時間がかる。
しかし苦心して入力したプログラムが思い通りに動いてくれた時の喜びは何とも言えない。
そんなこんなで苦労して指定したカウントから計数して指定したカウントで元に戻ってカウントを
始めるプログラムができあがった。
マイコンが指示したとおりの計数をして出力してくる。 それを鋸歯状波に変えてスイープ発振する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/e6/e7b602de8459a7dff879919d0e7151c2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/24/6ff68d8bf08583e7002b4309e7951b50.jpg)
先ずカウント0~255の鋸歯状波でスイープ発振をしてみる。
これはパルスゼネレータを使ったのと同じことになる。
TK-85で計数制御したカウントでスイープ発振させたときの様子です。
TK-85で カウントを1つずつアップさせたときのスペクトラムの様子です。
この実験では抵抗ラダー回路は8bitになっている。
0V~最高レベルまでを256段階に分割していることになる。
最高電圧が5Vとすると1段階あたり0.02Vになる。
静的な実験データによるとこの発振回路は
1V辺り12MHzぐらいの変化をするから0.02Vでは0.24MHz変化することになる。
だから今回の実験ではカウントが1つ変化するとスペクトラムが大きく変化してしまうのだ。
現在8bitのものを12bitにすれば1/4096(1カウント当たり0.001Vの変化)に、16bitにすれば1/65536
(1カウント当たり0.00008Vの変化)にできる。
実際に抵抗ラダー回路を使う時は12bit以上が必要だろう。
まぁ、これが実用になるかどうかはわからないが、いろいろ実験ができて面白かった。
いろいろアドバイスをくださったJANJANJANさん、ありがとうございました。