何でも実習生の実習日誌

電子工作、模型スチームエンジン工作など、何でも工作が大好きです。
手持ちの工作機械は卓上ボール盤だけ、全て手作りです。

ピストンピンの工作はなかなか面倒だ

2014-08-31 18:53:29 | エンジン工作
2014/08/31 (日曜日) 晴れ


単動式V4スチームエンジンのピストン換装工作もあと一歩のところまできた。
新しいピストンはプランジャーという棒状のピストンだ。
丸棒そのものがピストンでその終端にコンロッドが結合されるようになる。
その結合にはネジ止めのピン(ピストンピンかな?)で行うのだが、
今回はピンの部分もシリンダー内にもぐり込む設計になっている。
設計では簡単に図面を引いたが、いざ実際に工作することになると、なかなか
面倒だ。
ピストンピンを固定するナットはダブルナットできつく締めて激しく振動しても
緩まないようにしなくてはならない。。
ピストンピンはどんなに小さく作っても11mm以上の長さになってしまう。
シリンダーの内径は12mmだから余裕は極わずかだ。
そのわずか11mmのピンの両側をナットで締めるためにネジを切らなくては
ならないが、この短いピンを固定するのは容易ではない。
ネジを切るためにダイスを回すと、ピンも一緒に回ってしまってネジが切れないのだ。
こんな小さなピンを4個作るだけでかなりの時間がかってしまった。



↓ 2mm真鍮丸棒から切り取ったピストンピンの素材。 ネジを切りやすいように両端を細く削ってある。



↓ 両端に2mmのネジを切ったがこれがなかなか大変。 片方はダブルナットをかますので長く切ってある。



↓ ピンの片方のナットは半田付けで固定してしまう。



↓ 片方のナットは半田付けで固定するので緩むことはない(はずです)。



↓ 出来上がったピストンピン。 取り付け状況をみると、シリンダの面とほとんど一緒だ。



↓ シリンダーの内側に薄いパイプを嵌めて半田付けで固定する。 ライナーのつもり。
   これでロウ付けの高温で歪んだかもしれないシリンダーのことも気にしなくてよい(はずです)。  



↓ ハンダが流れて気密になったライナー。 出っ張っているハンダ代は切り取って整形する。



↓ ハンダ代を切り取るのにも注意が必要だ。 シリンダーを万力などで挟んだらきっと歪んでしまうだろう。
   シリンダー内径と同じ丸棒(ピストン素材)を挿入して固定してそぉーっと切り落とす。



↓ ハンダ代を切り落として整形が済んだシリンダー。 残るは蓋をして密閉するだけだ。



↓ コンロッドの長さも図面どおりにした。 試しにピストン(プランジャー)に取り付けてみた。



↓ シリンダーに嵌めてみた。 とても軽く出し入れできる。



↓ 出来上がったコンロッド。




これで部品は全部できた。
後はシリンダの蓋を作って密閉するだけだ。
明日は動作確認ができるかな? ガンバローっと・・・・・
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コンロッドの工作とロウ付け

2014-08-30 19:47:23 | エンジン工作
2014/08/30(土曜日) 朝のうちは雨後曇り午後一時晴れ間



午前中は用事で工作は出来ないと思っていたが天気が悪かったので予定が変わって
昼前に帰宅できた。
急いで工作場を準備して作業に取り掛かった。



今日はコンロッドを工作した。
このコンロッドは後からクランクに取り付けられるようにビッグエンドはクランクピンを挟むように
上下に分割できるようにしてある。
小さな部品なので工作はなかなか面倒だ。
それに4気筒分だから4個も作るのだから尚更だ。
そこで今回は作り方を工夫して能率を上げてみた。


↓ 先日の材料仕入れのときにメガネに取り付ける拡大鏡(ルーペ)と自動ポンチを買ってきた。
   これで少しは正確にセンターポンチを打つことができるかも・・・・・



↓ 自動ポンチは、いちいちカナヅチを持ち替えなくていいので便利だ。



↓ ルーペで拡大して罫書き線の真上に正確にポンチを打つことができる。



↓ 材料をボール盤のテーブルに平らに直接置いて、穴をあけた。 このくらいの厚さ(5mm)ぐらいなら
   ほとんど真っ直ぐに穴が開く。



↓ 裏側に開いた穴を見てみるとほとんど真っ直ぐに(中心線上に)穴が開いていた。



今までは一つ一つ切り取って、それに穴を開けていた。 それも上から半分、下からも半分開けて
貫通させて真っ直ぐを確保していたが、今回は上側から一気に穴を開けても大丈夫だとわかったので
部品をまとめて(切断せずに)穴を開けてしまう工作方法を試してみた。
センターポンチは上側だけに打てば良いので工作の能率は上がった。


↓ 4個分のビッグエンド。 2mmネジを立てる方とビスを通す方(2ミリネジ用バカ穴)の2本ある。



↓ ネジを立てる方に2mmタップで雌ネジを切る。 (4個分)



↓ 上下を組合わせてネジで締め付けておく。



↓ クランクピンを通す穴を開ける。 ボール盤のテーブルに直に平らに置いて穴を開ければ真っ直ぐに穴が開く。



↓ 穴をだんだんと大きくしていく。



↓ プラスチック軸受(平軸受)を嵌めるため、5mmの穴を開ける。



↓ いよいよ、1個ずつ切り離していく。



↓ 1個ずつ切り離したビッグエンド。



↓ ヤスリで削って整形する。



↓ 整形し終わったビッグエンド。



↓ コンロッドを取り付ける。 スコヤーを当てて直角に立つように調整する。



↓ ロウ付けを待つコンロッド。



↓ ロウ付け完了。 このくらいの大きさのものならほとんど失敗しなくなった。



↓ シリンダーのフランジのロウ付け。 シリンダーが垂直に立っているか確認する。



↓ ロウ付けすると、きれいだった真鍮も真っ黒になってしまう。



↓ 今日の工作の成果。



↓ 今日までに出来上がった部品。 シリンダー、プランジャー、コンロッド。
 



ボール盤のテーブルは案外正確に取り付けられているものだ。
今までは材料の下に板の切れ端などを置いて穴あけしたり、ボール盤用のバイスを取り付けて
材料を固定したりしていたが、これが穴が真っ直ぐに開かない原因だったようだ。
材料をボール盤のテーブル面に平らに置くか、垂直に置けば穴は真っ直ぐに開くことがわかった。
これからの工作が楽しくなるような気がする。

何とか主要な部品は出来上がった。
シリンダーの頭部はフランジ式で密閉するか、それとも半田付けで固定密閉してしまうか迷うが、
今回は簡単な半田付け固定密閉にしようと思う。
この場合、プランジャーの取り付けや取り外しの度にシリンダーを取り外さなくてはならないが、
まだエンジンがうまく動くかわからないから簡単な方法で行くことにした。
明後日には試運転が出来るかな? ガンバローっと。





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プランジャー用シリンダーの工作

2014-08-29 19:19:33 | エンジン工作
2014/08/29 (金曜日) 朝のうち小雨後曇り午後は晴れたり曇ったり


起床してすぐ部屋の外を見た。 なんだか屋根が濡れている。
雨が降っているようだ。 これじゃー今日は工作はできないなぁ・・・と
ぐずぐずしているとどうやら雨は上がったようだ。
それじゃー一つ工作でも始めるか・・・・・・


↓ シリンダーにするパイプを切り取った。



↓ 4気筒分だから4つも作らなくてはならい・・・・あぁ、当たり前か。



↓ シリンダーの長さを揃える。
   ハイトゲージのような高級測定器はないのでトースカンとスケールで済ませる。



↓ シリンダに挿入するライナー。 肉厚はわずか0.5mmだ。 ちょっと力をかけると歪んでしまうので
   慎重に切断しなくてはならない。 ピストン用の丸棒に嵌めて固定して切断した。



↓ 切断したライナー。 外径13mm、内径は12mmだ。



↓ シリンダーになるパイプはこれからフランジをロウ付けする。 赤熱するほど炙るからちょっとは歪むかも
   しれないが、最終的には後でシリンダーに挿入されるライナーがカバーしてくれる。



↓ シリンダーの基部にロウ付けするフランジ素材。 厚さ1.5mmの真鍮板。 



↓ ドリルで穴を開けて糸鋸を通して切り抜く。



↓ フランジをケースに固定するネジは2.6ミリを使う。 その2.6ミリネジを通す穴は2.8ミリにした。
   ところがそのドリルが全然切れない。 ハンドルを強く押し下げてもキリキリ・・・と変な音がするばかり。



↓ 2.8ミリドリルは予備がない。 仕方がないのでグラインダーで研いでみた。



↓ おぉー、とてもよく切れるようになった。 グラインダーも役に立つなぁ。



↓ 一応ここまで出来たシリンダーとプランジャー。



↓ コンロッドとピストンを繋ぐ部分(ピストンピン?)は2mmの真鍮丸棒を使う。 固定は2mmナットの
  ダブルナットにして激しく振動しても緩まないようにする。 このため、ナット部が厚くなり、シリンダーに
  ぶつかって内部に入り込めない心配があったが、ピストンピン支えの片方を薄く削って対応した。



↓ ぎりぎりセーフだ。 だが薄くなった支えの強度が心配だ。 最悪はピンを片持ち式にすればいいが、
   やっぱり左右の両側で支えるようにしたい。




さぁ、次はフランジのロウ付けだ。 
これもシリンダーがフランジに対して垂直に立つようにロウ付けしなくてはならないからちょっと難しい。
今日は時間が中途半端だから明日にしよう。
と言うわけで本日はここまで。
コメント (8)
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単動式V型4気筒スチームエンジンのプランジャー化を目指して

2014-08-29 08:17:09 | エンジン工作
2014/08/28 (木曜日) 小雨


初めて作ったスチームエンジンボートは長さは1m近く、重さは15Kgもあるとても大きなものだ。
エンジンは2Wオーバーのパワーを出すが、ボートの動きは鈍くて面白くない。
そこで、もう少し小型で軽量のボートを作ろうと思い立ったがそれには搭載するボイラーやエンジンを
小型に作らなくてはならない。
ところがこの小型のボイラーやエンジンが失敗に次ぐ失敗でなかなかうまく作れない。


↓ 小型に作った単動式のV4エンジンだけど、パワーが出るものは動作が不安定。 安定に動作するものは
   パワーが不足。 どうもうまく行かない。



↓ ボアー13mmのピストンはパワーが出るが途中で停止するなど動作が不安定になる。
   ボアー11mmのピストンに換装したが今度はパワーが不足だ。



↓ あれこれ手を加えてはパワーのチェックを繰り返したがうまく行かない。



単動式のピストンはシリンダの下部(下死点側)は開放なんだから背丈の長いピストンでも使えるだろう
と、思い、全体がピストン(丸棒状)のプランジャー式のエンジンを作ってみた。


↓ プランジャーをピストンにした実験機。 これはうまく動作して1.5Wものパワーを出してくれた。



そこで具合の悪かったV4エンジンもピストンをプランジャーにして見ようと工作を始めた。



↓ 既存のエンジンのプランジャー化なのでいろいろ制約がある。
   プランジャーの長さは30mmは確保しないと蒸気漏れが大きくてパワーが出ないし、コンロッドの長さは
   20mmぐらいが限度だし、コンロッドとの結合部(ピストンピン?)をシリンダー内部に入り込むように
   した。 しかしこれが難しい。 ボアー12mmではピンが長過ぎてシリンダの口にひっかっかてしまう。
   ピンの固定にはEリングを使えば良いかもしれない。
   あれこれ思案しながらこんな設計図を描いてみた。




↓ プランジャーの切り出し。 素材は12φアルミ丸棒だ。




↓ コンロッドと結合する部分。 ピンを左右で支えたいので“人間フライス盤”で細い溝を切った。


↓ フライス盤なんていう高級なものは持っていない。 ヤスリでゴリゴリと削って整形だ。



↓ 同じものを4個も作るのは飽きてしまう。 素材がアルミだから柔らかくて助かるが・・・・



↓ コンロッドと結合するピンを通す穴を開けた。 



↓ 何とか出来上がったプランじゃー。




この“長大”なプランジャーは組みあがったV4エンジンケースからはシリンダーには嵌められない。
シリンダーの頭から入れるか、またはシリンダーをケースから外して取り付けるしかないのだ。
シリンダーの頭から入れるようにするにはフランジを取り付けて蓋が開閉できるようにしなくては
ならないし、シリンダーを取り外せば折角の調整が狂うし、まぁ、なかなか面倒なことだ。
だけどここまできたら、やるっきゃないじゃーないか・・・・文句いわずにガンバローっと。
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プランジャー(棒ピストン)の気密部を薄くしてみる    - 実験用スチームエンジン -

2014-08-21 13:17:01 | エンジン工作
2014/08/20(水曜日)晴れ


このプランジャー(棒ピストン)はプランジャー全体が丸棒状で
(長さ41mm)シリンダー内に収まる部分は全て気密に寄与している。
このため蒸気漏れは少ないと思われるが、無駄な重量もあるという
問題もある。
そこで丸棒状の気密部分を短く(ピストンを薄くするのと同じ)して
その性能について調べてみた。


↓ 長さ41mmの丸棒状の半分を削ってみる。



↓ 気密部分(ピストン部分)は20mmにした。 他は削り落としたので少しは軽くなったはずである。






↓ プランジャーの残り部分はシリンダーの内部をすべり、側圧を分散吸収する。



↓ シリンダーにピストンを収めて取り付け組立する。



ピストンが薄くなって摩擦が減少したためであろう。
手で回したときにとても軽く回るようになった。
これなら人間コンプレッサー(息を吹き込む)でも回せるのではないかと思うほどだ。
高速回転を期待してボイラーに点火した。


そのテストの状況を動画でご覧ください。




ピストン部が薄くなってシリンダーと接触する面積が減って摩擦が減少したのだろう。
0.2気圧程の蒸気で起動ができた。
回転数は最高で50回転/secぐらいで、55回転には及ばなかった。
次にパワーテストをしてみたがやっぱりパワーは少ない。
蒸気漏れが大きくなったためだと思う。

その様子を動画でご覧ください。




無負荷ではわずか0.2気圧で軽く回ったエンジンも、負荷をかけたら今度は1.3気圧も
掛けなくては起動しない!  パワーも1Wちょっとしか出ない。
蒸気漏れはやっぱり問題だ。

そこで次はピストンの厚さを30mmにしてテストしてみた。


↓ 溝なしプランジャーの丸棒部分を削り落としてピストン部を30mmにした。



↓ ピストンを交換するにはシリンダーを取り外さなくてはならないから面倒だ。 でもこれも楽しみの一つかな?



ピストンの厚さ30mmのプランジャーを取付けて先ほどと同様のテストをしてみた。
ピストンの厚さがわずか10mmの差だけど性能は大分アップする(と思います)。
無負荷最高回転数は40回転ばかりだけど、これは火力の調整が不十分だったのではないか?
と思います。


その様子を動画でご覧ください。





発電機を回してのパワーチェックでは丸々プランジャーの時のように0.5気圧で
回転を始めた。
そして最大パワーは1.6KWをオーバーしてくれた。

その時の様子を動画でご覧ください。






ピストン部の厚さが30mmあると以前のように1.6KWを発電できた。
今後のピストン工作の目安かな?
さぁ、また新しいエンジンを工作するか。
それにしても暑いなぁ・・・・・・・・


コメント (14)
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