何でも実習生の実習日誌

電子工作、模型スチームエンジン工作など、何でも工作が大好きです。
手持ちの工作機械は卓上ボール盤だけ、全て手作りです。

基本からやり直し   - ジャンク部品でスーパーヘテロダインに挑戦 -

2022-02-26 13:36:37 | 電子工作
2022/02/25 (金曜日) 晴れ

今、ジャンク部品でトランジスタ式スーパーヘテロダイン受信機?を作る工作をしている。
1月の始め頃、鉱石ラジオの工作に手を出してラジオ工作も面白いな、と思っていたとき、
ジャンク部品箱にあった10mm角のIFTを見つけたことがきっかけだった。
あれからもう2か月近くになる。
部品、材料はすべてジャンク品。 バリコンだっておんぼろのいい加減な代物だ。
コイルは手巻き。 いい加減な巻き数でいい加減な基板に取り付けて調整をする。
まず第一には受信同調回路の共振周波数と局部発振回路の発振周波数との関係がうまくいくか
が一番気がかりだった。
ヘテロダインは受信電波と局部発振回路が発生する電波とを混合してその和または差の周波数成分
(中間周波)を作り出してその中間周波をIFTという濾波器(同調回路)で選択増幅して
高感度で混信のない受信をするというものだから、受信電波の周波数と局部発振回路の
周波数との関係が重要なポイントになる・・・(と思います)
そこでまずこのあたりから工作を始めたのだが、これがとても難しい。
何度もコイルを巻き直したり、トリマコンデンサを調節したりLOCのコアを回したり
したが両者の周波数は目的通りにはならない。
何度も何度も調整を繰り返すのでとうとう局部発振回路用のコイル(ジャンク品だけど
(自己流手作りではない信頼性のある)メーカー製だ)が壊れてしまった。
同調コイルも局発コイルも「自己流手巻き」になったしまったのでますます、いい加減な
設定になってしまった。
何度もの失敗でもう止めようか、という気持ちも出てきたが・・・・・
しかし一度も「音」を聞いていないで止めるのは残念だ。
ギャーとかブーとかいう雑音でもいいからそれを聞いてから考えよう。
さぁ、もう一度基本からやり直してみよう。

受信電波と局発電波とを混合して得る中華周波は常に一定の周波数であることが重要だ。
というのは中間周波を増幅する回路にある「IFT(中間周波トランス)」は同調周波数が固定だから。
というわけでその確認を始めた。

バリコンを一定の角度ずつ回して容量を変化させていくのだが同調回路や局部発振回路の
コイルの出力は右跳ね上がりのカーブになってしまう。 どうしてだろう・・・


バリコンを手で回しているとき、誤差がでてこんなことになるのかな?
なんて思ってしまったが、いやこれは同調回路はこういう風になるのが宿命なんじゃないか?
そこで計算式(EXCEL上)でバリコン容量を変化させたときの同調種は数を算出してみた。
やっぱり、バリコン容量は直線的に変化していくのに周波数は指数関数的なカーブで変化していく。

f = 1/2π(ルートLC)

うーん、これだな???  にーぱいるーとえるしー ・・・
この計算をすると結果はあのカーブのようになる。
こんなカーブを描く2つの出力を一定の差にするなんてできるわけがないよ。
だけどヘテロダインはこうやってるんだよねぇ・・・

バリコンに取り付けられている「トリマー」という小容量コンデンサを調節すると
周波数が合わせられるとのことだ。
うん、なるほどトリマを調節すると跳ね上がりが下がってくる。
だけど同調周波数は全体的には低くなってしまう。


トリマコンデンサーの容量を増やしていくとカーブは緩やかになっていく。
大きなトリマを付ければいいかな?
だけど共振周波数は下がっていくから限度があるだろう。

放送局の電波とバリコンの容量は変えられない。
この条件を基にしてどのくらいまでトリマを増やせるか確認してみた。

先ず基本に立ち返ってバリコンの容量を計測して記録を取った。

バリコンは3連バリコンだ。 面倒がらずに3つとも記録しておく。


付属のトリマの容量も大体同じにしておく。(5pFぐらい)


バリコンの容量はL/Cメータを使った。
今までは標準コイル(これも自作の10μHコイル)とNWT150(トラッキングジェネレータ)を
接続して共振点を探って容量を換算していたが、今回はL/Cメータで直読して記録した。


バリコンの容量は機械的なものなので変更することはできない。
(測定した容量 + 外付トリマコンデンサ容量)とコイルを組み合わせて放送受信範囲を
カバーするようにしなくてはならない。
外付トリマコンデンサの容量は大きい方が「右跳ね上がり」が抑えられるが、同調周波数が
下がり過ぎてしまうので限度がある。

今回の試算では 同調コイルを280μH、外付トリマコンデンサを40pFにすると
587.6KHz~1433.9KHzをカバーできるという結果を得た。

     (画像をクリックすると拡大されます)



さぁ、次は局発の発振周波数を計算してみる。



局発用バリコンの外付トリマーの値を30pF、40pF・・・と増やしながら局発コイルのインダクタンスを
修正しては上述の受信周波数と局発周波数の差が455KHzに近づくように確認していく。
こんなことを何度も何度も繰り返しては結果を求めていった。

試算ではLOCコイルのインダクタンスは85μH、外付トリマコンデンサの容量は100pFのときに
得られる中間周波がこんなものだった。


この計算による確認では受信同調コイルのインダクタンスは280μH、外付けトリマコンデンサは40pF
局発コイルのインダクタンスは85μH、外付けトリマコンデンサは100pFだった。

その局発周波数と受信周波数のカーブはこんな感じになる。
1000KHz以上の放送は受信できないかもしれない。


以上はすべて机上で計算した結果です。
思い違いや計算誤りがあるかもしれません。
もしかするとうまく聞こえるかもしれない・・・というかすかな望みを託して工作を続けようと思っています。
応援をどうぞよろしくお願いします。



コメント (2)
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トランジスタ用LOCができた!

2022-02-22 09:38:26 | 電子工作
2022/02/21(月曜日) 晴れ

前日の空芯(紙製ボビンに巻いた)コイルによる反結合発振回路の実験では
同調コイルのインダクタンスは130μHぐらいがちょうどいい感じだった。
とすると今まで壊れたLOCの代りを作る工作で巻いていたコイルは
300μH以上の大きな(巻き過ぎ)ものだったのだ。
エミッタ入力タップ位置も大き過ぎたし、コレクタコイル巻き数も多かった。

今日はその辺を考慮しながら壊れたLOCの代りを工作した。

トランジスタ用の小型コイルは小さくて巻き数変更後のテストをするのだ
とても面倒だった。 
巻き数を変更したらそのままテスト回路に接続できるようにこんな基盤を作った。


今までは100回ぐらい巻いていたが、今回は80回巻いて測定してみた。


コイルは剥き出しなのに139μHもある。
コアをかぶせたらもっと大きくなるからこれでは巻き数が多すぎる。




巻き数を50回に減じてコアを装着し、金属ケースを被せて計ってみたら93μだった。
これにエミッタ入力用のコイルを巻き足すからこのくらいがちょうど良いかもしれない。


エミッタ入力コイルを巻き足し(5回)、コレクタ・コイルを13回巻いてテストしてみた。
基板にテストリードをハンダ付けしてテスト回路に接続する。




おーっ、発振波形が出た!




発振波形は結構きれいだった。
発振する周波数範囲も大体OKだ。
今までの悪戦苦闘は何だったんだろう・・・
さぁ、またヘテロダイン工作に復帰しよう。

(この後、LOCの故障に備えて予備(X2)を作りました。)
コメント (6)
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やっと発振してくれた  - 反結合発振回路の実験 -

2022-02-20 13:56:00 | 電子工作
2022/02/18(金曜日) 晴れ

この頃は反結合発振回路の実験に明け暮れして失敗を繰り返している。
事の起こりはジャンク品のIFTやLOCを使ってスーパーヘテロダイン方式の
ラジオを作る工作だった。
ヘテロダインでは受信周電波と局部発振回路が発生する高周波を混合して中間周波
という信号を作りだす必要がある。
その局部発振回路のコイルがLOCだ。
そのLOCをいろいろ調整しているとき、ケース内のコアを支えているプラスチック
構造を破断させてしまったのだ。
このためコアが回せなくなって以後の作業ができなくなってしまった。
そこでジャンクIFTを改造してLOCにする工作を始めたのだがこれがうまくいかない。
何度もコイルを巻き直したのだが発振してくれないのだ。
LOCは反結合発振回路を構成している。 
ただし、とても小さくて細い線がフェライトコアー?に巻き付けてある構造になっている。
同じように巻いてもどこか条件に合わないところがあるんだろう。
よし、もっと大きなコイルで反結合発振回路を作って理解を深めようとしたのだが
これもうまくいかない。 なんでだろう・・・

今日はもっと細かい実験ができるようにコイルを3個に分割して、それぞれを移動させて
条件が変化させられるようにして実験してみた。

出力コイル、同調コイル、入力コイルの3つのコイルを独立させて巻いてある。
それを同調コイルと結合させ、その位置を変化させて発振の様子を探る。


同調コイル。 巻き数は200回(途中で巻線が重なったりして巻き戻し・巻き直ししたので
正確に200回ではないけど・・)だ。


インダクタンスの確認。 130μHぐらいだ。


出力コイルと入力コイル。 出力コイルはコレクタ回路に接続する。 20回巻き。
入力コイルは同調コイルの出力をピックアップしてエミッタに入力する。 10回巻き。


出力コイルのインダクタンスは9.5μH。


入力コイルのインダクタンスは3.3μH.


同調コイルに結合して発振実験を始めた。


いきなり異常発振状態だ。 バリコンを回しても周波数は変化しない。


そのテストの様子を動画でご覧ください。




同調コイルにはめ込んだ出力コイル、入力コイルを滑らせて位置や間隔を変化させた。
すると、基本波形?(同調コイルの同調範囲の周波数)が出てきた。


この波形はバリコンを回すとそれに追従して変化する。
そんな実験の様子を動画でご覧ください。










何とか反結合発振回路がうまく働くようになった。
この実験を基にして今度はあの小さなトランジスタ用LOCを作り直そう。


コメント (2)
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いろいろやったがやっぱりダメだ

2022-02-16 18:52:13 | 電子工作
2022/02/16(水曜日) 晴れ

反結合発振回路では出力、入力の2巻きのコイルで構成される。
出力コイルと入力コイルを結合して出力を入力に正帰還させて
発振を持続させるようになっている。
出力→入力への帰還は「正」でなくてはならない。
つまり、出力波形と入力波形は同相であることが条件になる。
昨日はこのあたりを確認して「正帰還」であることを確認したので
今日、また同じような実験をした。





しかし結果は昨日と同じでNGだった。 どうしてだろう・・・

出力が弱くて入力に十分なエネルギーが伝わらないのかな?


コレクタ・コイルを巻き足してみることにした。


巻き数を増やして(+13)30回巻きにした。
更に、同調コイルとの間隔を狭くしてエネルギー?がよく伝わるようにした。


今度こそ・・・・・ 期待を胸にスイッチをONしたのだが・・・


やっぱりダメだ。


エミッタへの入力(カップリングコンデンサ)を変更してみた。
初期には4000pFとしていたのだが 3000pF→2000pF→1000pFと
減じていった。 さらに減じて300pFにしたとき発振波形が出てきた。




だけどバリコンを回しても周波数は変化しないし、同調コイル端子(バリコン接続点)の
出力は極弱い。
以前のLOC(メーカー製)では同調コイルには5Vpp以上の出力があったのに・・・

結合コンデンサの容量を変えると発振波形は変化する。

300pFのとき 7.5MHz
100pFのとき 7.8MHz
5pFのときは 11.3MHz

になる。

5pF以下(結合コンデンサ無し)では発振は停止する。

どうしてバリコンを回しても周波数は変化しないんだろう???
ひょっとすると・・・

回路図上では(一番上の図)コレクタコイルは同調コイルの上側に書いてあるが
実際は同調コイルの下側に巻いてある。
そしてエミッターへの入力はGNDから10回巻いたタップから取り出している。


コレクタコイルを30回も巻いたり、同調コイルに接近したりしたから
こんなことが起きてるんじゃないだろうか?(素人考え・・・(笑わないでね))


   
だからバリコンを回しても変化が無いんじゃないだろうか・・・

また前のように戻してエミッタ結合コンデンサの値を変化させてみよう。
コレクタコイルもタップの位置近くではなく、同調コイルのトップに巻いてみよう。

ところで何でこんなことをしてるの? 
スーパーヘテロダインの局発コイルが壊れてしまったからでしょっ。
そんなら新しいのを買えばいいじゃないの・・・
200円も出せば買えるでしょうに・・・

うーん、おっしゃるとおりです。
でも何とか自分の手でLOCを作ってみたい・・・ただそれだけです。
どうぞ応援をよろしくお願いします。







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コイル巻線の極性(同相・逆相)確認

2022-02-15 16:21:25 | 電子工作
2022/02/15(火曜日) 晴れ

最近の工作でも発振回路は何回か工作した。
ただその発振回路は周波数は相当高く、120MHz以上のコルピッツ型だ。
コイルはせいぜい2、3回巻き。 同調コンデンサも数十pF程度だった。
まぁ、何とかうまくいって超再生受信機としてエアーバンドを受信している。
今回は数百KHz~2、3MHzと周波数が低く、コイルはグルグルと百回
ぐらい巻かなくてはならない。
回路は帰還型とかいうタイプで今までにあまり経験がない。
まぁ、出力の一部を入力に戻してぐるぐる回りで発振を持続させるタイプだが
(スピーカの音をマイクが拾ってその音がまたスピーカーから出てぐるぐる
回るハウリングの高周波版だよね)それがうまくいかない。
コイルの極性のことを実験してみた。



コイルの一方にテストオシレータの出力を加えて共振回路の波形を見てみる。


テストオシレータの波形は相当乱れている。(真空管式の年代物。 前はこんなのを使ってた)
同調回路の波形はきれいに整形されている。(逆位相だと思う)


コイルのC端子とD端子の接続を入れ替えて同調コイルの出力を見る。
これは同相の波形だ。
発振を持続させるのにはこの接続にしなくてはいけない。


それにしてもテストオシレータの波形が歪んでいて気持ち悪い。
GDM(グリッド・ディップ・メータ)の出力を使ってみた。
これはきれいなサインカーブに見える。


逆位相の接続だ。


これは同相接続の波形だ。 持続発振をさせるのにはこの接続にする。


拡大してみるとピークの波形がずれている(遅れている)。
オシロスコープのせいかな?





コイルの端子番号は正しく認識されている。
さぁ、次は持続発振させる実験だ。



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