2017/09/21(木曜日) 晴れ
何でこんなことをやってるんだろう?
毎日、毎日、半田ゴテを握って背中を屈めて作業机に向かっている。
これじゃ体に良いわけがない。
思い起こせば、もう一年半ばかり前のことになるが、ジャンク箱を整理しようと押し入れの奥から
引っ張り出したのがきっかけだった。
箱の中にバリコンがあったのでこれを使って鉱石ラジオでも作ってみようと工作を始めた。
季節は梅雨時で部屋の中での退屈しのぎだったのだがコイルを巻いたり、半田付けをしたり、
結構面白かった。
感度を良いものにしようと再生式にしてみたりいろいろ遊んでいたが、「あっ、そうだ! 超再生
受信機を作ってみよう!」と思い立った。
超再生受信機はラジオ少年だったころから作ったり壊したりを繰り返していたが、失敗ばかりで
一度も成功したことがない。
当時は碌な測定器もないし、部品だっていい加減なものだったんだから・・・(失敗の言い訳(笑い))
今は一応はオシロスコープもある。 古いけれどグリッドディップメータもある。
インターネットのサイトにはいろいろな参考記事も掲載されていし、トランジスタだって高性能な
ものが安く手に入る。
それからは超再生受信機工作にはまってしまった。
感度は「中華製のおもちゃレベル」だったが何とか動作してくれた。
その後改良を加えて今は一応120MHz付近のエアーバンドは受信できるようになった。
やがて「SDR(Software Defined Radio(ソフトウェアラジオ))」という
ものに出会い、その面白さに惹きつけられてしまった。
SDRはいわゆるパソコンで操作するラジオであるが、受信状況や周囲の電波の様子を画面で確認出来て
発振回路(電波を出す機器)の工作では結構役に立つものだった。
これを利用すればもっと高い周波数の電波の工作ができる。
というわけで今は320MHzのエアバンドを120MHzの超再生受信機で聞いてみようと工作
しているんだった。
自作した超再生受信機は選択度が甘いからいちいちダイヤルを回さなくてもいろいろな通信が聞こえてくる。
つまり、混信がひどいということだ。
だけど、空中をどんな電波が飛び交っているかをチェック(ワッチ)するには便利だ。
たまには珍しい内容の交信を聞いているときに強力な電波が飛んできて上被せになってしまい、
残念なこともあるけど、まぁ、面白いものだ。
ただ受信範囲が100MHz~150MHzなので近くにある航空自衛隊の基地から出る320MHzの電波が
受信できない。
そこで320MHzの電波を120MHzに変換するコンバータを工作しているのだがこれがうまくいかない。
低い周波数を高い周波数に変換することはできるのだが高い周波数を低くすることができないのだ。
(一度はうまくいったのだが調整を繰り返しているうちにダメにしてしまった。)
これを見た工作友人が「DBM(二重平衡変調器)」をプレゼントしてくれた。
これを使えば高くも低くも間違いなく変換できるということだ。
ただし、DBMを動作させるためにはちょっと強力な信号が必要になる。
オイらが作ったひ弱な信号発生器(LOC:局部発振器)では動作してくれない。
そこでメーカー製の測定器の信号発生器(VFO)を使って実験してみた。
実験対象の電波は数MHzから十数MHzの短波放送。
それをSDRが受信可能なFM放送以上の周波数に持ち上げる(高く変換する)実験だ。
実習生の目的とは逆だがこれでOKなら逆もOKのはずだ。
VFOの周波数は220MHzにセットした。
これをDBMの端子に入力して200MHz付近に変換されて出力された短波放送を
受信してみるとフェージングしながら(多分13MHz帯の)放送が聞こえてきた。
その受信状況を動画でご覧ください。
DBMの入力にいつもNWT-150のVFOを使うわけにはいかない。
自作したLOCの出力を使ってみた。
ただし、LOCの出力をDBMに接続すると発振が停止してしまうので(DBMが重荷になって
発振停止してしまうんだろう)
結合コイルを発振コイルに接近させて誘導で発生した信号を入力した。
これで一応、短波放送は受信できた。
ただ、“ブブブ・・・”というノイズがひどくて放送内容は聞き取れない。
そんな受信の様子を動画でご覧ください。
ダメだ・・・LOCを作り直そう。
発振出力を一旦緩衝(バッファ)アンプで受けてその出力をDBMに送り込もう。
こんな感じのLOCを工作した。(生基板に切り張りランドを張り付けた)
バッファアンプ付のLOCでDBMをドライブしてみた。
今度はブブブ・・・”というノイズはあまり聞こえない。
短波放送の内容も聞き取れるようになった。
その受信状況を動画でご覧ください。
何とか組込のLOCでDBMをドライブできた。
今回の実験では低い周波数の(短波放送)を200MHz付近に変換に(持ち上げる)実験だった。
今度は実際の320MHzエアバンドを100MHzに下げて超再生受信機で聞く実験をしてみよう。