2015/10/14 (水曜日) 晴れ
スチームエンジンの部品にエキセントリックというものがある。
中心部で偏心した円板を回転させてその振れによって部品を上下運動させる
カムの一種だ。
実習生の手作り工作ではこれを作るのもなかなか難しい。
偏心円板は真丸で、なるべく小さい方が良いのだが、これを作るのは大変だ。
ヤスリで削って真丸な円板を作るのはどだい無理な話だ。
出来上がったものは歪(いびつ)でカムはスムーズには動作しない。
小さくて真丸なもの・・・・・
5円玉が頭に浮かんだことがある。
早速5円玉を使ってエキセントリックを作ったが、通貨をこんなことに使うと
なんだか法律に違反するんだとか・・・・
善良なオイらは前科者にはなりたくないから、それっきり5円玉とは縁を切って
真面目にヤスリで丸くしているが、やっぱりできる円板は歪んでいる。
なんとか真丸な小さい円盤が簡単にできないものかと、グラインダーに取り付ける
アダプターを作ってみた。
以前にもっと簡単なものを作って有効性は確認していたが、今回は改良を加えて
もう少し作業がしやすいものにした。
取付台は自由に回転できるようになっていて、グラインダーの砥石面と円板の中心までの距離は
「ストッパー」で規定値に設定できるようになっている。
円板になる材料の中心を心棒に嵌めて左右に回転させながら砥石に押し当てて削っていくと
やがてストッパーの位置でそれ以上は削れなくなり、円板は完成する、というわけだ。
中心の心棒の位置を変えれば大きな円板も削れる。
↓ 小さい円板に挑戦してみた。 直径16mmは初めてだ。 ちなみに5円玉の直径は22mmもある、
材料の切断と荒削りは今までどおり、カナノコとヤスリでゴリゴリだ。
それからこのアダプターで整形する。
↓ 整形完了。 今までのものより格段に真丸に近い。
↓ ついでにフライホイールも削ってみた。
フライホイールはそれほど厳密に真丸ではなくても構わないが、まっ、真丸の方が見栄えが良いかも。
フライホイールにはこのために3mm厚の銅板を購入していたが、使用中に
黒ずんでしまうのでほとんど使用せず、材料箱で眠っていたが、もったいないので
今回の新V4エンジンで使うことにした。
ところが銅板はやっぱり柔らかい(粘っこい)。
グラインダー削ると円板の縁にバリ(かえり)が沢山出てアダプターの台にひっかっかて
うまく回転させられない。
結局、少し削ってはバリ取りをしてまた削る。 少し削ってバリ取り・・・を繰り返して
やっと削り終えた。
真鍮材ならこんなことはないだろう。
↓ エキセントリック用偏心円板。 直径16mmで偏心量は5mm。
↓ フライホイール。 直径40mm。 小さめなので軽すぎるときは2枚重ねる。
この小さなエキセントリック(偏心円板)にボスを取り付けるのだが、
果たしてうまく行くかな? ちょっと心配だ・・・・・