12月 21日

2022-12-21 06:09:11 | Weblog
                       冬木・冬木立・冬木宿・冬木道



          巣箱一つ子規の小庭の冬木立         栗田やすし


          冬木立透かして青き尾張富士         橋元信子


          いつまでも見ゆる葬列冬木立         矢野孝子


          板壁に冬木の影や版画館           奥山ひろ子


          サックスの音色抜け来る冬木立        藤本いく子




                  



          歳月の獄忘れめや冬木の瘤          秋元不死男


          堕ろし来て妻が小さし冬木立         吉田鴻司


          触れし手のゆき処なし冬木立         谷口桂子


          わが凭れる冬木ぞ空の真中指す        八木絵馬


          砂町は冬木だになし死に得んや        石田波郷
 
 




                  


           昨日も日本全国で189,983人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります 
         どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
         心がけましょう    
         ( 前週同曜日比+10,582人 )
  
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12月 20日

2022-12-20 06:03:22 | Weblog
                    紙漉・寒漉・楮(三椏)蒸す・楮晒す・紙漉女



          紙漉女稼ぎを問はれ恥ぢらひぬ       細見綾子


          楮選る一日水に顔映し           栗田せつ子


          松枯れの薪どんとくべ楮蒸す        中斎ゆうこ


          粗壁に水陽炎や楮選る           都合ナルミ


          桶の湯に手を温めては紙漉けり       山崎文江




                  



          女の月日白き紙漉き重ねては        津田清子


          百漉けば百の祈りや紙漉女         林 翔


          漉く紙のまだ紙でなく水でなく       正木ゆう子 


          紙漉の裾より寒さひろがりぬ        石田あき子


          火の神の棚に湯気上げ楮蒸す        皆川盤水




                  

                   ( こうぞ )

                  

                   ( 三椏の花 )


           昨日も日本全国で69,138人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります 
         どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
         心がけましょう   (写真の一部はサイトからお借りしました) 
         ( 前週同曜日比+8,183人 )
  
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12月 19日

2022-12-19 05:50:55 | Weblog
                         日記買ふ・日記果つ・古日記



          「日記買う」を季題に本屋、文具屋さんを見て歩く この時期には来年の日記の棚に並んで必ず
           手帳もずらりと並んでいる以前より「手帳買う」が季語になっていないことを不思議に思っていますが
           もうそろそろ認めてもいいのでしょうね



          古書街のはづれ十年日記買ふ        下里美恵子


          父に似て話し下手なり日記買ふ       土方和子


          表紙絵はモジリアーニや日記買ふ      鈴木みすず


          古書街の昼の静けさ日記買ふ        森垣一成


          死ぬ死ぬといひて三年日記買ふ       近藤文子




                  



                  



          強がりの日記果てんとしてゐたり      黒田杏子


          寿命との天秤如何に日記買ふ        林 翔


          克明に一病記して日記果つ         楢原清子


          子育ての尽きることなき日記果つ      福屋千穂美


          秘めごとのひとつやふたつ古日記      山田弘子




                  



           昨日も日本全国で135,514人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります 
         どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
         心がけましょう    
         ( 前週同曜日比+17,005人 )
 
  
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12月 18日

2022-12-18 07:44:27 | Weblog
                              湯豆腐



          湯豆腐の踊り疲れて崩れけり        丹羽康碩


          湯どうふの半丁で足る一人の夜       松島のり子


          湯豆腐や壁に志功の天女の絵        伊藤旅遊


          日溜りに湯豆腐の旗南禅寺         花田紀美子


          湯豆腐の崩れを掬ふ陶(すえ)の匙     清水弓月




                  



          湯豆腐やいのちのはてのうすあかり     久保田万太郎


          湯豆腐やつやつや光る女の手        村山古郷


          湯豆腐や若狭へ抜ける京の雨        角川春樹


          湯豆腐の崩れぬはなく深酔す        福永耕二


          二年や獄出て湯豆腐肩ゆする        秋元不死男




                  


           昨日も日本全国で158,808人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります 
         どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
         心がけましょう   (写真の一部はサイトからお借りしました) 
         ( 前週同曜日比+22,564人 )
 
  
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12月 17日

2022-12-17 06:47:03 | Weblog
                         羽子板市・浅草寺羽子板



          東京では、毎年12月18日が浅草寺のご縁日にあたり、この日をはさんだ三日間、境内で開かれます
          はじまりは、今から約350年ほども昔の江戸時代初期(万治年間・1658年)頃


          観音へ羽子板市を抜けて来し           下里美恵子


          羽子板市手締めの声のよく透る          中山敏彦


          羽子板市富樫弁慶睨み合ふ            伊藤範子


          抽斗に色褪せぬ羽子見つけたり          千葉ゆう


          羽子の市ぬけて銭湯にひとつ風呂         ころころ




                  



          うつくしき羽子板市や買はで過ぐ         高浜虚子


          羽子板市三日の栄華つくしけり          水原秋櫻子


          羽子板市切られの与三は横を向き         石原八束


          羽子板市片割れ月も明治ぶり           林 翔


          灯の増えて羽子板市の艶めけり          阿部美恵子




                  



          声かけぬ羽子板市の清水屋に           石田波郷


          この清水屋さんは雷門に入って仲見世の右手、最初のお土産屋さん「旧清水屋」仲見世では唯一俳誌を
          扱ってました「雲母」「沖」「河」「馬酔木」あと数誌有ったと思います
          そこの主が「河」の同人伊藤黄雀さんでここを通る俳人は俳誌が並ぶのを見てほとんど黄雀さんに声を
          かけて行ったそうです私も26~7才の頃、ここまで俳誌を買いに来ては黄雀さんとしゃべりして
          帰ったのを思い出します。もう代替わりをしてお土産専門になって屋号も変えて
         (福光屋)現在でも商っていますもともとは江戸時代末期、絵草子屋より始まった店という事です
          ころころが俳句の深みにはまった縁のお店です


          荷風忌の踊り子がガムを噛む楽屋         伊藤黄雀



                  


           昨日も日本全国で153,420人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります 
         どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
         心がけましょう   (写真の一部はサイトからお借りしました) 
         ( 前週同曜日比+26,147人 )
 
          
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12月 16日

2022-12-16 06:11:10 | Weblog
                霜・初霜・霜の花・はだれ霜・強霜・霜だたみ・霜どけ



          霜の小石拾ひて供ふ石仏に         細見綾子


          職引いてぽつぺん鳴らす霜夜かな      国枝隆生


          産声待つ霜夜の廊下行き来して       矢野孝子


          薄墨の筆ペン握る霜夜かな         伊藤範子


          休み田の霜のまぶしき朝かな        ころころ




                  



          霜柱俳句は切字響きけり          石田波郷


          初霜や底より湧いて鯉の色         広瀬直人


          百花園初霜の門ひらきけり         鈴木真砂女


          かまつかの霜や老妓の深ねむり       林 翔


          切株のはなればなれに霜を待つ       福永 耕二




                  


                  


          霜柱という植物です
          シソ科の多年草であり、枯れた茎に霜柱(霜華)が出来ることで知られる。宿根性花は9-10月頃に咲く。
          茎の先端側半分くらいの葉腋から総状花序を出す。花序の軸は真上に伸び、花はその軸に茎の先端側に
          偏ってつきます



                  

                     ( シモバシラの花 )


            昨日も日本全国で167,978人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります 
         どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
         心がけましょう   (写真の一部はサイトからお借りしました) 
         ( 前週同曜日比+34,994人 )
 
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12月 15日

2022-12-15 06:06:24 | Weblog
                         襤褸市・ぼろの市・世田谷襤褸市


          東京世田谷のぼろ市です、安土桃山時代から楽市として有ったものです
          元々は古着の売買が盛んに行われたことから、明治時代に「ボロ市」の名が付いた現代では古着のほかに、
          骨董品、古本、植木、食料品、神棚、玩具、寝具、新品の衣類、生活雑貨などが売られています
          周辺の常設飲食店にはボロ市に合わせて臨時メニューを出すところもあります 
          「ボロ市名物といえばやはり代官餅」この代官餅は昭和50年(1975年)の発売開始から、その場で蒸して
          ついた温かくてボリュームあるお餅を食べられることから、ボロ市を代表する名物として親しまれています。
          ボロ市のときだけ食べられるこの代官餅は、あんこ、きなこ、からみの3種類で、各650円で発売されています
          2022年12月15日(木)と12月16日(金)の2日間と、2023年1月15日(日)と1月16日(月)の2日間の計4日、
          「世田谷ボロ市」は、440年以上の歴史をもつ伝統行事。俳句仲間との吟行にも行くところです



          ぼろ市や客を横目に股火鉢          小長哲郎


          一書欠く花の図鑑やぼろの市         森垣一成


          ぼろ市に若きひばりのブロマイド       佐藤とみお


          ぼろ市に売る軍服の金ボタン         関根切子


          ぼろ市のランプ灯して売られけり       ころころ




                  


                  



          ぼろ市の木魚と坐る嫗かな          水原春郎


          ぼろ市の由緒くはしき河童の図        有馬朗人


          ボロ市に来て遊びをり昼芸者         村山古郷


          ぼろ市の客も膝つく赤絵皿          林 八重子


          ぼろ市の急に鳴り出す掛時計         津田昭子




                  



           昨日も日本全国で190,378人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります 
         どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
         心がけましょう   (写真の一部はサイトからお借りしました) 
         ( 前週同曜日比+41,712人 )
 
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12月 14日

2022-12-14 06:35:58 | Weblog
                              山眠る


          中国の「臥遊録」の「冬山惨淡として眠るが如し」から》冬の山の静まり返ったようす
          秋は「山粧ふ」、春は「山笑ふ」と、擬人法の典型のような季語であり、夏は「山滴る」でですが、
          これは季語としないという意見もあって、歳時記によっては掲載の無いものも有るようです



          うつすらと裾見せて富士眠りをり      栗田やすし


          ふところに火止めの窯や山眠る       矢野孝子


          山眠る火気厳禁の札立てて         斉藤真人


          崩落のあとまざまざと山眠る        平松公代


          噴きあがる湯の轟きや山眠る        ころころ




                  



          眠る山或日は富士を重ねけり        水原秋櫻子


          いくたびも虹を吐いては山眠る       高野ムツオ


          眠る山起さぬやうに数珠をもむ       丸山佳子


          山眠り石で囲ひし楮畑           大峯あきら


          薄目せる山も混りて山眠る         能村登四郎




                  



           昨日も日本全国で179,403人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります 
         どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
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12月 13日

2022-12-13 06:27:31 | Weblog
                           菊・枯菊焚く



          菊枯るる一本づつが立ちてゐる       細見綾子


          枯菊焚く煙の青し東慶寺          矢野孝子


          枯菊を焚いて父の忌過ごしをり       下里美恵子


          枯菊のつよき香放ち折られけり       近藤文子


          枯菊を焚く無住寺に人集ひ         森 靖子




                  



          ぼろぼろの身を枯菊の見ゆる辺に      福永耕二


          枯菊焚き菊のいのちの匂ひけり       つじ加代子


          モナリザはいつもの如し菊枯るる      山口青邨


          枯菊を焚いて黄泉の火起しけり       石原八束


          菊枯るるいのちあるゆゑ湧く泪       秋元不死男




                  



           昨日も日本全国で60,956人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります 
         どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
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12月 12日

2022-12-12 06:36:29 | Weblog
                          千両・仙蓼・草珊瑚



          石棺に鎌の研ぎ跡黄千両          国枝隆生


          梁に吊る嫁入り駕籠や実千両        松本恵子


          草珊瑚島の土俵の潮じめり         角田勝代


          吉良の首洗ひし井戸や実千両        奥山ひろ子


          啄める小鳥揺れづめ実千両         長谷川しげ子




                  



          千両や大墨にぎる指の節          長谷川かな女


          婚の荷の届きし部屋の実千両        木村ヤスエ


          いくたび病みいくたび癒えき実千両     石田波郷


          千両の一粒こぼし活け終る         石垣弘子


          千両や馬頭観音紅ほのか          市江律子



                  


           昨日も日本全国で118,510人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります 
         どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
         心がけましょう    
         ( 前週同曜日比+29,773人 )
   
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