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4月 21日

2019-04-20 17:53:39 | Weblog
                復活祭・イースター・染卵・昇天祭・聖週間


         イースターは日本語で言うと、『復活祭』のことです。
         十字架にかけられて処刑されたイエス・キリストが
         3日後に復活したことを祝うお祭りで、キリスト教における
         最も重要な行事です。


     糊効きし牧師のカラー復活祭           上村龍子




     染卵そつと握りし手に温き            砂川紀子




     染卵色付く指を見せ合へり            武藤光晴




     身ごもりを告ぐる娘や染卵            桑原健次




          



     クロス垂る市場の婆々も聖週間           飯田蛇笏


     唇づけて子の髪にほふ復活祭            大石悦子


     昇天祭夕月楚楚と天にあり             古賀まり子


     復活祭神父の腰に鍵あまた             有馬朗人


     胸に享く復活祭の染卵               石田波郷
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4月 20日

2019-04-19 15:46:55 | Weblog
                牡丹・ぼうたん・牡丹園・白牡丹・緋牡丹<季=夏>




     白牡丹しべをあらはにして崩る          栗田やすし




     地の冷えに牡丹花びらこぼさざる         沢木欣一




     牡丹に広げし母の手織縞             細見綾子




     牡丹描く女片膝地に着けて            丹羽康碩




     白牡丹揺れ戻るときうすみどり          梅田 葵




     墓訪はな母の牡丹の咲く頃に           都合ナルミ




     子が父になりたる朝の白牡丹           福田邦子




     一刷けの風ぼうたんを崩しけり          谷口千賀子




     ぼうたんへ吐息のごとき宵の風          矢野孝子




     崩れゆく牡丹の匂ひ闇深む            山たけし




     観音に百の献上牡丹かな             小栁津民子




     ぼうたんの終りの一花あでやかに         松本恵子




          



          



     傘つくる宿に咲いたり白牡丹           長谷川かな女


     掃き寄せしものうつくしき牡丹園         伊藤トキノ


     あるかなし会釈の別れ夕牡丹           谷口桂子


     大牡丹崩るるはみな真昼時            福田清人
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4月 19日

2019-04-18 14:01:16 | Weblog
               通草の花・花通草・通草咲




     高原に風の抜け道花あけび            国枝洋子




     しだれ咲く通草の花のあづき色          山崎文江




     固閉ざす秋篠窯や花通草             小島千鶴




     花通草風に吹かるる蜘蛛の糸           中村修一郎




     野鍛冶屋の屋根を覆へり花通草          日野圭子




     負ふた子や通草の花に手をのべる          松瀬青々


     垣ひそと通草の花の曇りかな            大森桐明


     通草の花訛れる声音ききとれず           原田種茅



          



          郁子(むべ)の花・常磐通草



     郁子の花師の玄関を明るくす           長崎真由美




     異人館郁子の花垣高くして             山田節子


     錦絵の戯文くづしに郁子の花            星野紗一
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4月 18日

2019-04-17 16:56:51 | Weblog
               蜜柑の花・花蜜柑・レモンの花<季=夏>




     みかんの花浪のしぶきの墓数基         細見綾子




     ヴィオロンの止みて蜜柑の花匂ふ        澤田正子




     花蜜柑庭の片隅明るうす            三田誠子




     吹き上ぐる風の匂へり花みかん         関野さゑ子




     吹き上ぐる瀬戸内の風花蜜柑           田端 龍




     花みかん匂ふ峠や海の風             山下善久




     師と歩く蜜柑の花の匂ふ畔            大島知津




     陵(みささぎ)へ蜜柑の花の匂ひ立つ       中山敏彦




     雨兆す風に匂へり花みかん            熊澤和代




          

          レモンの花
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4月 17日

2019-04-16 14:28:02 | Weblog
                   著莪の花・花著莪・姫著莪<季=夏>




     著莪の花涼しさを知るはじめなり         細見綾子




     著莪の花藪に捨てたる鼠取り           清水弓月




     擦れ違ふ禰宜と会釈や著莪の道          丹羽康碩




     著莪咲くや川音響く塩の道            岸本典子




     花著莪や古墳に著き獣道             熊澤和代




     芭蕉碑や雨に色増す著莪の花           森垣昭一




     絵付場の玻璃うつ雨や著莪の花          伊藤範子




     浄智寺の磴の湿りや著莪の花           武藤光晴




     そり返り鐘撞く僧や著莪の花           生田美貴子




     滝壺へ降りて明るし著莪の花           大島知津




          



     姫著莪の花に墨する朝かな             杉田久女


     紫の斑の仏めく著莪の花              高浜虚子


     あたらしき柄杓が置かれ著莪の花          川崎展宏


     昼ひとり鍵して病めり著莪の花           岡田 和子


     雀の墓かくれてしまひ著莪の花           中山純子
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4月 16日

2019-04-15 14:09:47 | Weblog
                   花林檎・林檎の花




     山水でとぐ米白し林檎の花             細見綾子




     みちのくの雨に烟れり花りんご          栗田やすし




     山国の夕日が淡し花林檎             清水弓月




     岩越えてをどる沢水桷の花            国枝洋子




     信濃晴れ水田に映る花林檎            倉田信子




     マラソンの過ぎし静けさ花林檎          奥山ひろ子




      一族の墓を囲みし花林檎             高橋悦子




     藤村の円きかな文字花林檎            日野圭子




          



     畑打に林檎の花のさかりかな            瀧澤伊代次


     白雲や林檎の花に日のぬくみ            大野林火


     祝唄も津軽訛よ花りんご              伊藤京子


     みちのくの女色白花りんご             下村梅子

     
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4月 15日

2019-04-14 15:08:21 | Weblog
                筍・笋・たかんな・竹の子 <季=夏>




     孤独の座筍煮れば青くさき             沢木欣一




     筍の堀りすててあり芭蕉の道            細見綾子




     磨崖仏前に筍掘りし跡               都合ナルミ




     たけのこを猪の親子が食べにきし          片山浮葉




     先づ深く筍飯の湯気を吸ひ             佐藤とみお




     陶工の行き来せし径淡竹の子            梅田 葵




     たかんなの切り口白くしたたれる          伊藤範子




     朝掘りのたかんなを提げ馬籠坂           山下智子




     濡れしまま友のさし出す真竹の子          門村鈴子




     念仏寺裏に筍掘りの声               小原米子




          



     筍や妻とくらべる観世縒               秋元不死男


     時かけて初筍のひとり酒               石田波郷


     蝶の舞うたかんなの頭の黒かりき           金子兜太


     筍が真夜のおどろの草の中              飯田龍太


     たかんなや学僧の眉一文字              大野林火
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4月 14日

2019-04-13 14:42:59 | Weblog
                 春蘭・ほくり・ほくろ・はくり




     春蘭の花をコップに誕生日            細見綾子




     人送り来て春蘭に屈みたる            矢野孝子




     春蘭の擡ぐ花芽や紅ほのか            近藤きん子




     春蘭の塩漬け甘き香を放つ            山本悦子




     春蘭の和紙のごとくに花芽透く          中根多子




     指ほどの春蘭ひらく古窯址            伊藤範子




     春蘭の蕾ふくらむうすみどり           中山ユキ


 



          



     春蘭を掘つて薬師の裏の山            森 澄雄


     春蘭や小瀧の多き裏高尾             水原秋櫻子


     春蘭や実生の松にかこまれて           星野立子


     春蘭や酒仙住みにし深廂             鷹羽狩行


     春蘭の影濃くうすく昼しづか           桂 信子
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4月 13日

2019-04-12 14:29:55 | Weblog
                  梨の花・花梨・梨花・梨咲く




     能登けふは海の濁りの梨の花           細見綾子




     反抗期始まる少女梨の花             栗田やすし




     梨花白し神学校の小さき窓            伊藤範子




     棚田群一望の丘梨咲けり             倉田信子




     安達太良に雪一筋や梨の花            上杉美保子




     梨咲くや母に記憶の消えしまま          高橋ミツエ




     梨の花咲いて信濃は雨もよひ           金田義子




     河口まで白く続けり梨の花            澤田正子
      




          



     梨の花ふるさと人の早寝かな            中村汀女


     梨咲くや見えゐて遠き師との距離          岡本眸


     梨花と梨花白極まりて触るるなり          林 翔


     釜屋師の火がぼうぼうと梨の花           山口青邨
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4月 12日

2019-04-11 16:25:57 | Weblog
                山吹・八重山吹・濃山吹・面影草<山吹草・白山吹> 




     山吹の茎にみなぎり来し青さ           細見綾子




     かんむりに山吹の花稚児の舞           夏目悦江




     能郷へ山吹の花なだれ咲く            上田博子




     山吹やほろほろこぼる砥部の里          三井あきを




     山吹をゆらして姥の棺出づ            八尋樹炎




     山吹に遍き夕日峠越ゆ              松本恵子




          


          白山吹(バラ科シロヤマブキ属)



     山吹や薪割る妻の一語勢             秋元不死男


     遠目にも山吹の黄の一重なり           星野立子


     大屋根の崩れんばかり濃山吹           永田耕一郎


     山吹の檜垣抜け出し一枝かな           富安風生


     濃山吹朝よりひかり招きよす           柴田白葉女




          


          山吹草 (ケシ科クサノオウ属)
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