3月 31日

2020-03-30 15:27:25 | Weblog
                      猩々袴


     石をもて猩々袴掘り出せり            茨木和生


     猩々袴のをさなきが咲き茂吉歌碑         清水弓月


     奥美濃の山路に猩々袴かな            中山敏彦



          

            アネモネ

     アネモネの飄々と伸びまだ散らず         細見綾子


     アネモネや太き眉毛は母譲り           大島知津


     アネモネの花の陰より白き足           有馬朗人



          

            一人静


     一人静咲きいで旅のこときまる          水原秋櫻子


     一人静揺れ咲く母の生家跡            中根多子


     一人静ひるの鶏鳴かすれたり           鍵和田釉子



          

            明日葉


     芹よりも明日葉匂ひ売られけり          石塚友二


     明日葉や鱗飛び散る外流し            丸山節子


     明日葉の根を張る岬風あらし           安藤幸子


     明日葉へこぼして飲めり釣瓶水          山本悦子



          

            黄心樹(をがたま)の花


     黄心樹の花のほころぶ神鼓かな          紅林みのる


     をがたまの雨に香れり古窯跡           上田博子


     黄心樹の一樹の月に神遊び            小原菁々子


     をがたまの匂ひ輪蔵まはるたび          ころころ
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