3月 14日

2020-03-13 13:44:31 | Weblog
                     牡丹の芽・芽牡丹


     武蔵野の土やはらかし牡丹の芽          栗田やすし


     牡丹の芽筆ほどといふしか思ふ          細見綾子


     早起きの妻のけはひや牡丹の芽          沢木欣一


     遠き日や綾子の庭の牡丹の芽           国枝隆生


     忌を修す母の牡丹の芽に屈み           都合ナルミ


     牡丹の芽影置くほどに伸びにけり         矢野愛乃


     菰解きて日ざしあふるる牡丹の芽         倉田信子


     臥す夫が牡丹の芽吹き問ふてをり         八尋樹炎


     人気なき山の御堂や牡丹の芽           松平恭代


     細竹で囲みて守る牡丹の芽            相澤勝子


     忌明けの雨にほつるる牡丹の芽          内田陽子



          



     鎌倉の古き土より牡丹の芽            高濱虚子


     支へ木も紐もこまやか牡丹の芽          岡本眸


     みほとけに上品下品牡丹の芽           六本和子


     牡丹の芽の覗かれてばかりゐる          石田郷子


     嫁ぐ子へ日の剥がれゆく牡丹の芽         林 翔


     一寸にして火のこころ牡丹の芽          鷹羽狩行




          
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