１月 ２日

　　　　　　　　　　　（　二日・福寿草・初夢　）


青空へもぐら顔出す二日かな 　　　　　　　　　沢木欣一


山彦も山を出ることなき二日 　　　　　　　　　鷹羽狩行


福寿草ひらききつたりまぶしかり 　　　　　　　細見綾子


魚屋が散らす紅鱗福寿草 　　　　　　　　　　　林　翔





初夢の杜甫と歩いてゐたりけり 　　　　　　　　吉田鴻司


初夢の二階より師に呼ばれけり 　　　　　　　　岡本眸


初夢のなかをわが身の遍路行 　　　　　　　　　飯田龍太



　伊吹嶺　一月　新年号　

例年ならば年賀郵便の関係で月初めから数日送れて届く伊吹嶺誌が年末の３１日には
手許に届いていました　これも編集ならび印刷所のご努力の賜物　感謝です

筑波嶺の風のかたちに干菜かな

豆柿のたわわに郷土資料館

むらさきの焔匂へり牡丹焚

あるたけの電球灯し酉の市

駄菓子屋のお面回せり空つ風　　　　　　　　　　　こころ

１月 １日

　　　　　　　　　　（　元旦・元朝・大旦・歳旦　）


　　　　　　あけましておめでとうございます　今年もよろしくお願いいたします


　静かさや辺戸の岬に初日かげ　　　　　　　　　栗田やすし





元朝の紅き袱紗の折目かな 　　　　　　　　　　　永島靖子


元朝の燭を掲げて仕込蔵　　　　　　　　　　　　 星野佑美


元旦やいつもの音にいつもの戸 　　　　　　　　　吉田鴻司


元旦の最初の客の皓歯かな 　　　　　　　　　　　能村登四郎


大旦はじめの言葉嬰が出す 　　　　　　　　　　　長谷川双魚


手のとどくところに鈴や大旦 　　　　　　　　　　村越化石


歳旦の幣なびかせぬ滝の神 　　　　　　　　　　　羽田岳水


歳旦の海凪ぐと見て戻りけり 　　　　　　　　　　福永耕二