子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

何をしてきたのか、

2014-05-11 17:21:16 | 雑記
5月10日(土)は休診をいただき、日本アレルギー学会に行ってきました。

今回の学会参加主目的は、「舌下免疫療法講習会」を受けることでした。

舌下免疫療法って何ですかと言うと、
アレルギー性鼻炎などの治療法として、減感作療法というスギ花粉やダニなどいった原因が特定されている場合に、原因となっているスギ花粉やダニなどの抗原物質を持続的に投与することで原因物質に対する体の過剰な反応を起こさなくする治療法があります。
今までは皮下注射しか投与方法がありませんでしたが、今回スギ花粉に対して舌下投与(舌の裏に2分ほど溜めてから飲み込む)での薬が承認され保険適応されることになり、この舌下投与法の減感作療法のこを舌下免疫療法と言います。

この治療法で効果が得られれば、花粉症の症状が軽減し抗アレルギー薬の減量や中止といったことが期待できます。
一方、花粉の飛散時期以外でも持続して治療を続ける必要があり、より良い効果を得るためには出来るだけ長い期間(最低でも2年)治療を継続する必要があり、口のかゆみや腫れといった比較的軽度なものから希ですがアナフィラキシーといった副反応の可能性などいろいろと注意しなれければならない点もあります。

当院でも実施経験がありますが、皮下注射法は初期の段階で頻回の通院して注射する必要があり簡単に行なえるものではありませんでしたが、舌下投与は最初の投与時以外は原則自宅で可能なため注射法よりは敷居が低くなったと思います。

今後ダニなどのスギ花粉以外の薬もでてくると思われますが、この舌下免疫療法の薬を処方できる医師には条件があり、講習会の受講がその一つでした。

実際に保険で治療が出来るようになるのは秋以降になる見込みです。