子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

ワクチン事情

2012-04-11 15:16:41 | 雑記
世界的標準から遅れていた日本のワクチン実施状況でしたが、2008年12月ヒブワクチン・2010年2月肺炎球菌ワクチンが開始され、ここ2~3年で急速に世界的標準に近づきつつあります。

ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンは、広く認知されるようになり、接種費用の公費負担などもあり多くのお子さんが接種するようになってきました。それでも、千葉県では費用の全額負担制度にもかかわらず、昨年秋頃の集計では接種率が40%程度だったようです。

未だに、定期接種と任意接種と言う枠組みのためか、今のところは任意接種の扱いであるヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンの必要性が定期接種より低く思われている方もいるようで、そのために接種率が思ったより低いのかとも思います。
任意接種だからといって必要性が低いということはなく、乳幼児をヒブや肺炎球菌の重症感染症から守る為に、ぜひとも適切な時期(生後2ヶ月以降できるだけ早い時期)に接種をして欲しいワクチンです。

ただ、全ての乳児を対象に適切な時期に接種をするために、医療機関側の受け入れ態勢が現状では十分といえないのも実情です。

昨年末にはロタウイルス感染症に対するワクチンが日本でも開始、B型肝炎ワクチンも乳児からの接種が推奨され、生後2ヶ月~6ヶ月の時期に接種が出来るワクチンの種類が多くなり、適切な時期に全てのワクチンを接種するためには、今までと同じ態勢でワクチン接種をしていたのでは、今のワクチンスケジュールを全てのお子さんに適切な時期に提供することが出来なくなってきています。

当クリニックでは、現在のワクチン事情に対応しつつ生後2ヶ月から適切な時期に接種を完了できるよう、スタッフの協力のもと可能な限り受け入れる態勢を整え臨んでいますので、宜しくお願いいたします。