子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

ウイルス性胃腸炎

2007-12-23 09:23:02 | 雑記
インフルエンザは出だしが早かった割には、今のところ流行も限定的な印象があります。
最近は、インフルエンザよりも嘔吐や下痢を主症状とするウイルス性胃腸炎(感染性胃腸炎、お腹の風邪)の方が多くなってきています。

ノロウイルスによるものが多いのではないかと思いますが、昨年大流行した時と比べると、発生数・症状の程度とも穏やかな印象です。

つらい嘔吐症状は、病初期に集中しますが、通常は1~2日程度で治まってきますので、この間に脱水などにならないよう水分や適度な塩分の補給ができるようなら、慌てる必要はありません。
ウイルス性胃腸炎を治す薬はないので、病院での処置は嘔気が強ければ吐き気止めを処方したり、水分が十分補給出来ていないない(出来そうにない)場合には点滴をするなど、風邪自体が自然に落ち着いてくるまでの間の症状や状態に対する対症的なものになります。
よく、「かぜ薬や抗生剤は処方してくれないのですか」と言われることがありますが、ウイルス性胃腸炎に対しては効果はないので必要ありません。
とにかく、薬を飲む事よりも、少しづつでよいので水分や適度の塩分の摂取を優先させる必要があります。

母乳であれば少しずつ飲んで嘔吐がなければ母乳が一番です。
ミルクや離乳後の場合は、最初の吐き気の強い時期は、白湯(時々みそ汁の上澄みやコンソメスープなど塩分のあるものも)や乳幼児用のイオン飲料を利用するのもよいかと思います。
特に最初のうちは少しずつ根気よく飲ませてあげて下さい、様子をみながら少しずつ量は増やして行き、内容は吐かないで受け付けられるようなら様子をみながら量等を加減して普段の内容に戻していってください。(ただし、油物や冷たいものなど消化に悪そうなものは避ける様にしてください)

また、乳幼児用のイオン飲料などは、病気が治ってしまえば日常的な水分補給のために使用する事は虫歯などの問題からお勧め出来ないので、状態が良くなったら止める様にして下さい。