子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

「水ぼうそう」「おたふくかぜ」の予防注射

2006-11-16 01:32:27 | 雑記
任意の予防注射である「水ぼうそう」「おたふくかぜ」について、受けた方が良いのかどうかよく質問されます。

一般的な小児科医の立場として、ワクチンを接種することをお勧めしています。

「水ぼうそう」「おたふくかぜ」の予防接種を受けていても、周りで流行があるとどうしても接種したかたの中から2割程度のかたが感染発症してしまいます。それでも、8割のかたは発症を阻止され、また発症しても軽症化が期待出来ます。

「水ぼうそう」はかかっても治療薬があるし、「水ぼうそう」「おたふくかぜ」はかかってしまった方が免疫もしっかりついて良いのではと考えているかたもいるかもしれません。でも、実際にかかってしまうと学校など集団生活や行事などは休まなくてはならなくなりその時になりどうにかならないかと言われるかたも少なくありません。また発症を予防することだけでなく、「水ぼうそう」にかかったことで後々に「帯状疱疹」を発症してしまうリスクは、予防接種で「水ぼうそう」を予防する事で確実に減らす事ができます。「おたふくかぜ」に関しても、「おたふくかぜ」の髄膜炎や難聴といった合併症のリスクを減らすことができます。

「水ぼうそう」「おたふくかぜ」の予防接種も、多くの人が接種することで流行の発生を阻止することができます。現状では「水ぼうそう」「おたふくかぜ」の予防接種を受けている人の方が全体の中では少数ではないかと思います。

「水ぼうそう」「おたふくかぜ」の予防接種も定期接種として多くの子どもたちが接種できるようになればいいのですが、今の日本の予防接種行政の状況ではなかなか実現しそうにありません。