デジカメぶらりぶらり

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ソフト

2013-04-09 07:17:28 | Weblog
世界屈指の投資家として巨万の富を築いたゴールドスミス氏は7歳の時、兄にその読書嫌いをたしなめられて、こう言い放ったという。「大きくなったら富豪になって、僕のために本を読んでくれる人を雇うから、いい」。

是非はともかく、幼くして大した肝の据わり方だが、この少年の落ち着きぶりにも、舌を巻いた。17歳で富豪の仲間人りする英国のニック・ダロイシオさんだ。自ら起こしたスマートフォン向けのソフト開発会社が、28億円で米企業に買収されることになった。

そこで一言。「別にお金のためにやってきたのではない。お金が入っても何も変わらない」彼が画期的なソフトを作ったのは、試験勉強のせいだ。歴史を学ぶためにネットで調べていたが、もどろっこしい記述ばかり。このいらいらを解消するには・・・検索結果やウェブページの内容をさっと要約するソフトを造ってしまえ、と勉強部屋で取り掛かったという。

「僕は忍耐強くなくてね。同世代の子たちと一緒で、おもしろくないと思ったら、もう読み続けられない。とにかく素早く知りたいんだ」と英紙に語っている。少年らしい性急さが、発明の母となった。

願わくは、これからの人生が自慢のソフトでは要約不可能な、行間に深みをたたえたものになりむすように。

無効

2013-04-07 07:29:18 | Weblog
喧嘩の絶えない長屋の夫婦がいた。中国の故事にならい、おかみさんが縫ったのは不満をぶちまける堪忍袋。お互いに不満を吐き出した後はぎゅっと緒をしめる。言いたいことを言うとすっきりする。

堪忍袋は長屋中で引っ張りだこの評判になり、破裂寸前まで膨らんだ。海に捨てるしかないと思っていると、酔っぱらいがやってきた、制止も聞かずひったくって緒をぐっと引っ張ると、「ばか野郎っ、こんちくしょう、この野郎―っ」。

飛び出したのは、たまりにたまった罵詈雑言(ばりざつご)。落語「堪忍袋」のオチである。威勢のよい江戸っ子の言葉より上品だが、国会の無策ぶりにまさに堪忍袋の緒が切れたような判決だった。

一票の格差訴訟で広島高裁は先日、昨年12月に実施された衆院選の広島1、2区につて「無効」とする判決を言い渡した。自民党が圧勝した昨年の衆院選では「違憲」判断が相次ぐが、無効とする判断は初めてだ。

選挙結果に過度な配慮をしがちな司法が示した重い判断である。判決は11月までの猶予を国会に与え、抜本的な見直しを促した。自民党の改正案は、最高裁に批判された都道府県に一議席を割り振る「一人別枠方式」を事実上、温存したままだ。

利害が絡む国会議員に制度改革を委ねるのはもはや無理だ。国会外で第3者機関にまかせるしかない。国民の堪忍袋の緒が切れる前に。

歌舞伎座

2013-04-05 08:20:25 | Weblog
幕末の文久2年、幕府の視察団が欧州を訪問した。極東からの一行をもてなすために、各国は一流のオペラや演劇に案内したが、ちょんまげ姿の客はみな居眠りをしてしまう。

面目をつぶれされた招待者側から、なぜ寝るのか、と問われた日本人の通訳は答えた。「言葉がわからないから面白くない。面白くないから寝てしまう」。以後、開始前に粗筋が説明されるようになったそうだ。

この時の通訳が維新後、ジャーナリストや政治家として活躍する福地桜痴だ。この人物が後年、東京・木挽町に歌舞伎座を建てることになる。初代歌舞伎座の開場は、憲法の発布と同じ明治22年。

国会の開設より古い歴史を持つ劇場が先日、5代目として再開場しこれら落としとし公演が始まった。先代のさよなら公演から3年。中村勘三郎、市川團十郎という新しい歌舞伎座を背負うはずの名優の訃報を乗り越えての開場だ。

『弁天娘女白波』で弁天小僧菊之助を演じる7代目菊五郎に大向こうから「音羽」の掛け声が飛び交う。歌舞伎が高尚な芸術ではなく、庶民に支えられてきた文化であることを実感する。

手元のポータブル端末で演目の台本や開設などを見られる字幕ガイドが充実した。初めて見る人も居眠りすることは少なくなるはずだ。

4月1日

2013-04-03 07:22:40 | Weblog
長嶋茂雄さん、松井秀喜さんという二人のヒーローに国民栄誉賞が贈られるというニュース速報に接し、一瞬「これはひょっとして」と疑った人もいるのではなかろうか。

無論、賞にふさわしいお二人だが、4月1日の吉報は何ともまぎらわしい。いや、いかにも長嶋さんにふさわしいと思えぬでもない。この人ほど、嘘かと思うようなユーモラスな逸話に彩られたヒーローはいないだろう。

例えば・・・川上哲治監督が長嶋選手にノックを浴びせようとしたが、モジモジしている。呆れたことに、グラブを忘れてきたのだが、コーチ陣はニンマリ。長嶋さんが忘れ物をするのは、試合に向け集中している証拠。

そんな日は活躍間違いなしだったらしい。そんな長嶋さんがあの笑顔を封印し、手ずから鍛え上げたのが、松井選手だ。

天然ガス

2013-04-01 07:04:39 | Weblog
先週、愛知県・三重県沖の海底にあるメタンハイドレートから、国は天然ガスを取り出すことに世界で初めて成功した。深海の海底下などに分布する「燃える氷」の埋蔵量は、この海域だけで日本が今、消費している天然ガスの10年分以上という。

資源の乏しい日本には待望の国産燃料だが、課題も大きい。海底の深くまでパイプラインを設置するには、巨額の設備投資が必要だ。液化天然ガス(LNG)を海外から輸入する費用の2,3倍とも推測されるコストをどこまで抑えられるかが焦点になる。

原発に依存しない未来を創るためにも商業化に期待がかかる。米国の「シェールガス革命」というお手本もある」技術立国の底力を見せてほしい。