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水墨抽象画

2013-04-15 07:01:20 | Weblog
お手本通りに字を書いていれば、いい点をもらえる。それを当たり前とは思わない少女だった。お手本とは違うけれどいい字だね。と言ってくれる人がいたことで救われた。枠にはめられることが嫌いな自由人だ。

「芸術の根本は自由です。自由でなければ一本の線も書けませんよ」と言い切る強さが、世界で高く評価される作品を発表してきた篠田桃紅(とうこう)さんの源泉だろう。

独特の水墨抽象画はメトロポリタン美術館などの一流美術館に収蔵されている。日本を代表する美術家は28日で百歳になった。創作意欲は衰えを知らない。世界に認められるきっかけは1956年の単身渡米だった。

帰国直前に作品が評価され、相次いで個展が開かれた。当初二カ月間だったピザは延長を重ね、滞在は2年近くに、決まり事にとらわれがちな日本と違う反応が新鮮だった。「狭い部屋から広場に放り出されたような快い開放感に似ていた」(『桃紅百年』世界文化社)篠田サンの作品を愛するモダン・ジャズ・カルテットのピアニスト、ジョン・ルイスさんは「墨の中に私の表現したい音がある」と語ったそうだ。

ジャズの世界に通じる何かがあるのだろう。父の出身地である岐阜と縁が深く、百歳を記念した回顧展が県内で始まった。東京でも、新宿伊勢丹や菊池寛実記念・智美術館で開催される。