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南米

2013-03-21 08:11:04 | Weblog
どんな人に尋ねるかで、これほど評価が割れる人もいないだろう。どの国で聞くか、先進国か発展途上国か、金持ちか貧し人か。独裁者と呼ぶ人もいれば、救世主と崇拝する人もいる。

そんな政治家、南米ベネズエラのチャベス大統領が58歳で逝った。貧しい家に生まれた。10歳にならぬうちから畑仕事を手伝い、祖母がつくる菓子を路上で売って稼いだ。野球少年で、夢は大リーガー。

「植物に水をやる時に歌ってやれば、きれいな花が咲く」と祖母に言われれば、一生懸命に歌った。子供のころ、曽祖父が「人殺し」だと聞いて、おののいた。後に調べたら、政府に反逆したゲリラと分かった。

支配層にとっては、「殺人者」。逆の立場から見ると、「英雄」。この二面性こそチャベス氏の姿だ。いや、ベネズエラ自体が、二つの顔を持つ国だった。世界屈指の産油国ながら、その富は特権層や海外資本に独占されて、人々は貧困にあえいでいた。

だから、石油利権に切り込んで、富を貧困対策に使った指導者に民衆は熱狂した。当然抵抗は強く、それを封じ権力を維持するためになりふり構わぬ手段も使って、国を二分した。二つの顔を持つ男チャベス氏の国葬は3月8日だった。

しかし、「貧しい人があふれる豊かな世界」という、この世の二つの顔は葬り去られるどころか、ますます鮮烈な明暗を見せている。

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