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魚雷

2013-11-12 08:48:17 | Weblog
中央アジアのキルギスには、海はない。当然ながら海軍もない。だがソ連からキルギスが独立した時、引き継いだ一大産業は、魚雷生産であった。キルギスが誇るイスイククル湖は琵琶湖の9倍もある、天山山脈に囲まれた美しい湖だ。

そこに、ソ連は魚雷発射試験場を造った。「海軍もない国の魚雷など、どの国が買ってくれるだろう」悪い冗談のような話だが、ソ連という超大国は事程左様に、各共和国・民族の自立を許さぬような経済開発を進めた。

ソ連崩壊直後に各共和国で経済改革が軒並み失敗し、中央アジアでは混乱と貧困を土壌に、イスラム原理主義が台頭した。どうも天山山脈の東の方でも似たようなことが起きているうだ。

中国政府が新疆ウイグル自治区などで進める西部大開発もウイグルの人々にとっては「山中の魚雷工場」に見えるのかもしれない。地元の豊かな天然資源を開発しても、利権を握るのは中央政府の息がかかった漢族の企業ばかり。

ウイグル族は貧困から抜け出せず、汚染など悪しき副産物に苦しむばかり。そんな構図になっているのではないか。天安門前に車が突入した事件を、中国当局は、ウイグル族の恐怖主義者(テロリスト)の犯行とみているようだ。

本当に恐ろしいのは、テロを生む土壌に目を向けないことなのだが。


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