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うなぎ

2013-07-04 07:58:54 | Weblog
まずは、江戸の小咄から。ある男が上野の弁天様をお参りした帰り、亀を売る商人に出会う。「亀は万年。間違いなく万年生きるのを一匹もらう」という客に、商人は「これなら万年間違いなし」と請け負って渡す。ところが、この亀、明くる朝には死んでいた。

男が文句を言いに行くと、商人はしれっと、「きのうがちょうど万年目」かつて寺社や橋の辺りには、「放し亀」「放し鰻」を商う者がいたという。飼うため、食べるためではない。買った客が池や川に放してやることで功徳を積む「放生」である。

殺生なしには生きられぬ身であることへの、せめてもの、小さな罪滅ぼし。ご先祖さまが常日ごろから大事にしていたそんな心掛けも、大量消費の世にかすんでしまったのだろう。

生命力旺盛なニホンウナギも、今や絶滅危惧種だ。その鰻を守るために、浜名湖では、現代版「放し鰻」をする話が進んでいるという。湖で水揚げされた天然鰻から、産卵期に差しかかって入るものをより分けてすべて買い取り、体力を回復させてから、海に放流するというアイデアだ。

財源など詰めなくてはならないことも多いと聞くが、ニホンウナギを日本の河川に取り戻すため、うなぎ丼をわが家の食卓に復活させるためにも、ぜひ実現させてほしい、平成の世が、鰻が死に絶える「ちょうど万年目」になってしまっては困る。

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