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ジュゴン

2013-03-09 06:53:00 | Weblog
「反対運動がなかったら、もうこの眺めは失われていたんですよ」。沖縄県名護市辺野古の浜で、海上基地建設反対のため3230日もの間座り込みを続ける一人が、そう言った。

その眺めのすばらしさをどう表現すればいいのか。美しい海を見慣れている沖縄の人も「ここはいいねぇ」と嘆息する。翡翠(ひすい)やトルコ石が溶けたかのようなサンゴ礁の海が、濃紺の大海原へと続く。

「辺野古ではいくら子だくさんでも食い潰れしない」と言われてきたそうだ。食べ物に困っても海に行けば、貝や魚がいくらでも捕れる。戦中戦後の食糧難の時も海が助けてくれた。

その豊かな海の象徴が、沖繩でジャンやザンと呼ばれるジュゴンだ。地元の民族を研究する前田一舟さん(38)によれば、「ジャンが人間に子孫を残す道を教えてくれた」「人間とジャンの間にできた子こそ、われわれの先祖」といった神話が沖繩には数多く伝わる。

ジュゴンは海の恐ろしさも象徴する。「ジャンを捕ると津波が襲う」「ジャンが見えると、津波が来る」という言い伝えも各地に残る。ザンという言葉自体が津波を意味するとの説もあるそうだ。

そんな海の神も沖繩には今や十数頭しかいないという。普天間飛行場が辺野古に移設されれば、その貴重な生息地が失われる。安倍首相はこの「美しい国の宝」をどう考えているのだろう。

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