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靴、

2013-11-28 10:41:50 | Weblog
そこは「くつ塚」と呼ばれるようになった。1959年の9月に5千人以上の命を奪った伊勢湾台風が襲った時、名古屋市南区浜田町も濁流にのまれ、この一帯だけで3百人あまりが命を落とした。

2週間ほどして水が引くと、主なき靴がひとところに集められるようになった。靴の小山は、亡き人をしのぶための「くつ塚」となった。15歳の一人息子を目の前で高波にさらわれた遺族は、ベニヤ板にこんな言葉を書き付け、塚に立てたという。

<ここは冷たい海でした/胸までつかる水の中/よろめく足を踏みしめて/あらしの中に手を取って/頑張り続けたところです>台風30号に襲われた南の島々でも、あらしの中で愛する人を濁流に失い、それでもよろめく足をふみしめ、頑張り続けている人が大勢いるはずだ。行方が知れぬ人の靴を抱きしめている人もいるだろう。

最大瞬間風速が90メートルにも達し、死者が1万人を超すのではないかともいわれる。「5メートルの高潮で家が壊れた」「まるで津波のような波が何度も襲ってきた」・・・。

フィリピンからの断片的な被害情報を追い、現地の映像を見れば、遠い伊勢湾台風の記憶や東日本震災の惨事がよみがえり、遠い国の出来事とはとても思えない。日本赤十字社では近く、海外救援金の募集を始めるという。日本の心が、少しでも被災者をあたためられればと願ってやまない。

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