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番頭

2013-04-19 05:47:20 | Weblog
道楽者の若旦那と、四角四面のお固い番頭が顔を付き合わせると、そこに滑稽なドラマが始まる。落語『山崎屋』で、遊ぶ金を店から融通するよう迫る若旦那を、ピシャリとはねつける番頭のたんかがふるっている。

「私は堅いんでございます。石橋の上で転ぼうもんならば、石の方で『痛い』って言うぐらい・・・」。そう言い切る番頭が、実は店の金で派手に遊んでいたりする。情けなくも憎めぬのが、落語世界の住民だ。

も一つ、切れのいい口上を読んでいただこう。こちらは番頭ならぬ、憲法の番人の弁。<独立を保護されている裁判所や裁判官は、政府や国会や与野党に気兼ねをする理由は全然ない・・・当事者のいずれが勝とうが、そこに何らの政治的意図はないのである・・・そこに支配するのはアカデミックな精神のみである>

発言の主は1950年から10年、最高裁長官を務めた故田中耕太郎氏。こう誇り高き番人がその実、落語の番頭も腰を抜かすほど、筋から外れたことをしていたらしい。

米公文書によれば、日米安保条約の合憲性が問われ、政府が対応に苦慮していた「砂川事件」の最高裁での審理を前に、長官が米外交官と密談し、判決の見通しまで漏らしたという。

もう半世紀前のこと、では済まされぬ。日本の司法の独立に関わることだ。「憲法の番人」の二枚舌は、歴史の審判に付すべきだろう。

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