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刀傷

2012-04-30 08:12:47 | Weblog
映画監督の溝口健二には、背中に刀傷のようなものがあるという。関係のもつれから確か粋筋の女性に切りつけられた後で、本人はこう嘯いていたそうだ。「これぐらいのことがないと女は描けない」。

名匠が吐くから、決まる台詞。片傷も、場合によっては“勲章”になりえるということであろう。さて、前田国交相と田中防衛相に対する問責決議が20日の参院本会議で可決された。

前者は、岐阜県下呂市長選の告示前に送った特定候補支援の文書が公選法に抵触する疑いを持たれており、後者は、国会での説明能力不足など大臣としての資質が問題にされた。

いわば野党が「許さぬ」と刀を抜いたのだから、この議決は、閣僚が受けた刀傷であろう。だとしたら民主党には、刀傷を持つ人がゴロゴロいることになる。あの政権交代からまだ2年半なのに、問責決議を突きつけられた閣僚は、実に6人にもなる。

もっとも、自民党も簡単に抜刀しすぎるきりがある。仮に将来、民主党と立場が逆転したら意趣返しを受けるのは想像に難くない。何しても、溝口のそれとは正反対の無粋な“刃傷沙汰”である。

国民そっちのけで、どう転んでも、“勲章”とはなり得ぬ刃傷だけが政治家の背中に増えていく。


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