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ガラス

2012-10-20 06:51:00 | Weblog
今から百年ほど前、フランスの科学者が実験室で、ニトロセルロースという化学物を入れたフラスコを落とした。破片は飛び散らなかった。彼はただ、それを棚にしまい込んだ。

この化学者がある日、事故を目撃する。当時の車には板ガラスが使われていて、若い女性が砕けたガラスでひどい傷を追っていた。研究室に戻った彼が、例のフラスコを取り出し考えたのが、割れても飛散しない安全ガラス。

多くの人の命を救う技術の誕生だった(『天才科学者のひらめき36』創元社)失敗を、糧にする。目の前で苦しんでいる人がいたら、役立つ技術を考えようとする。多くの科学者、技術者たちは、そうやって偉大な成果を挙げてきた。

「脱原発は日本経済にマイナス」と、大企業を束ねる経団連は主張し続けるが、愛知中小企業家同友会のアンケートでは、6割が脱原発支持だ。「原発ゼロは日本経済にプラス」と、答えた人も3割超。多くの経営者たちが、今こそ新エネルギー技術開発の好機とも考えている。

安全ガラスは割高なため、なかなか車に装備されなかった。自動車王フォードが新車の開発に取り組んでいた時、部下がガラス片で大けがをした。経営者が事後をわが身のことと考えて、ようやく導入された。

日本の大企業経営者は、福島の惨事を、まだ他人事と思っているのだろうか。

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