デジカメぶらりぶらり

デジカメのほやほやの写真をご覧下さい。

粒子

2013-10-14 06:48:47 | Weblog
宇宙が誕生して0.0000000000001秒後、つまり1兆分の1秒後の世界はどんな世界だろうか。タイムマシンはないが、それをのぞくことはできる。

陽子を光速に近い速度で飛ばし衝突させる加速器は、宇宙創成の謎に挑む装置だ。素粒子はあるものの、まだ陽子や中性子もない。原子にいたっては、そこから38万年も立たないと誕生しない・・・そんな極限の世界をうかがわせてくれる。

素粒子はかつて光速で飛び回っていたが、そこに質量が生まれることで、モノを形作ることができるようになった。その質量を生み出す粒子を理論的に予言していたヒッグス博士らが、ノーベル物理学賞に選ばれた。

受賞は、ヒッグス粒子が発見されてのこと。陽子を毎秒2千万回衝突させる加速器でも数十億回に一度しか生成しない粒子を、日本を含む各国の科学者が気が遠くなるような実験を続け、捕まえた。

加速器をめぐっては、こんな話がある。1969年、米国のフェルミ国立加速器研究所の計画を審議する議会でウィルソン所長がただされた。「加速器は国防に寄与するのかね?」所長は答えた。

「加速器は、人間の尊厳と文化への愛に関わるものです・・・それは国防に直接寄与するものではありませんが、国を守るに値するものにすることには役立ちます」。新粒子発見に尽くしたすべての科学者に喝采を送ろう。