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エリコ

2012-12-02 07:36:52 | Weblog
エリコは、ヨルダン川の西岸にある。最も古から人々が定住した都市の一つとされ、聖書にも、その名が記される。旧約聖書が描くのは、老若男女ことごとく剣にかけられたエリコの大虐殺だ。

今はパレスチナ自治区のこの街で、発掘調査のための深い立て坑がある。よく見ると、不自然に黒い層がある。地元の人が教える。「あれは戦いで焼け焦げた跡。この街の悲劇の歴史だ」。

それが幾層もある。最古の街は、繰り返される殺戮の歴史を刻む。8日間にわたり、空爆とロケット弾攻撃の応酬を続けたイスラエルとパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスが停戦に合意した。

地上戦は避けられたものの、160人が死亡、多くの子どもが犠牲になった。停戦は成ったが、中東のきな臭さは増している。イスラエルはイランの核開発阻止のため攻撃も辞さぬ構えだ。

米紙ニューヨーク・タイムズが書いている。「ガザのロケット弾戦はイラン戦争への実験だ」。ハマスが今回使った射程が長いロケット弾はイラン供与のもの。イスラエルの新型ミサイル迎撃システムは、米国の巨額援助で開発された。

双方、交戦で教訓を得たという訳だ。イスラエルでは年明けの総選挙に向け、政治家が勇ましい言葉を振り回している。それがいかなる悲劇を生むか、歴史は、十分に教えてくれているはずだが。