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バングラデシユ

2012-12-05 08:08:43 | Weblog
開発学を学んでいた山口絵里子さん(31)は大学4年の時、チャンスをつかんだ。憧れの国際援助機関で働く機会を得たのだ。だが、そこにあったのは上から目線の官僚機構だった。

自分の目で途上国の現実が見たい。パソコンで「アジア 最貧国」」と検索したら、バングラデシユと出た。現実は想像を超えていた。街にあふれる物乞い。水害のたび失われる何千もの命。

腐敗した政治と、霧散する巨額の国際援助。逃げ出したくなっても、とどまり続けたのは、必死に、ただ生きるために生きる人々の姿に打たれたからという。

日本の4割ほどの狭い国土に1億5千万人が暮らすバングラデシユの最大の資源は、マンパワーだ。安い労働力は外国企業をひき付け、繊維産業で輸出を伸ばしてきた、しかし、工場の労働環境は劣悪だった。

従業員はうつむいてミシンを踏んでいた。山口さんは、作り手も売り手も誇りを持って、使う人に大事にされるモノ作りを目指した。困難を極めたが、24歳で起業した「マザーハウス」のおしゃれなバッグは今や、途上国と先進国を結ぶ新たなビジネスの一つの象徴だ。

ただ、そうした取り組みはまだ例外だ。先日は防火設備が粗末な繊維工場で火災が起き、100人以上が亡くなった。際限ない低価格競争の陰で、必死に生きる人々が踏み潰される現実がある。