仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

位牌に見る「戦争」

2006-08-15 17:48:18 | 本音

終戦記念日だから、というわけでもないけれど

時折垣間見えてくる「戦争の現実」というようなものがあります。

私の場合、「位牌」

たとえば、あまりにも古くなってしまったお位牌を新しいものに作り変える、とか

「繰り出し位牌」に書き換えるとかいうとき、

位牌の裏に「○○にて戦死」などと書いてあるときがあります。

「伍長」など軍隊での位階が書いてあることも。

また、亡くなられた日付が「昭和20年8月6日」だったりすると

「もしかして、広島の原爆で亡くなられたのかな??」と

想像することもあります。

 

そして、もっとどっきりするのが夫婦位牌を作りに来られるとき。

夫婦位牌というのはご夫婦で戒名を彫るために

片方を空けておいて、亡くなった後で彫るというもの。

90歳近くで亡くなったおばあちゃんの戒名をお預かりして、

いざ、夫婦位牌を彫ろうとしてよく見ると

ご主人は昭和20年前後に20代の若さで亡くなっていたりします。

 

若くして夫をなくして、90歳近くまで女で一つで一家を支えてきたおばあちゃんの

長い長い戦後が語りつくせないような感慨を持って、ずっしりと胸に迫ってきます。

戦争って、やってる最中も地獄かもしれないけれど

終わった後も長い長い別の地獄を残しているものです。