本日お仏壇を見に来られたお客様。
「引越しのついでに古い仏壇を引っ張り出して、
あんまり汚かったから、洗車ブラシでこすったら
金箔がすっかりはげて、
ついでに水をまいたら、中の飾りがぼろぼろ落ちてしまった」
とのこと。
あまりの大胆さに思わず爆笑してしまいました。
ほぼ常識になっていますが、金仏壇(いわゆる、漆塗りで金箔張のお仏壇)の
金箔部分は特に、水気は厳禁。軽く拭いても金箔がはがれてしまいます。
逆に、拭いてもはげない、というのは特殊加工をしてある証拠。
便利なようですが、お仏壇のためにはあまりお勧めできません。
基本は毛ばたきで軽くはたいてほこりを払い、漆部分のみ優しく
からぶきしていただくこと。
こびりついた花の蜜などは硬く絞ったやわらかい布で
少しずつ丁寧に拭きとってください。
金箔部分はアンタッチャブル、と思っていただいたほうがいいようです。
線香によるくすみとかも気になるでしょうが、
我が家の歴史、と思っていただいたほうが無難です。
お仏壇も女性の肌と同じで、日々の手入れが肝心。
傷んでしまったものを急に若返らせるには無理がかかりますし、
あとでひずみが出るものです。
どうしても気になる場合は、仏壇店に金箔をきれいにする
「洗い」を依頼されるとよいでしょう。
そこそこの金額にはなりますが、ぼろぼろになってから修理に出すよりは
はるかにお得です。