名古屋の最高気温は26度で、5月下旬の陽気とのことだ。
柳が芽吹き初夏の爽やかさだが、黄砂が飛来して遠くのビルが霞み、せっかくの新緑も冴えない表情だ。
高山では肌寒い日が続き、朝晩の暖房が必要だったが、外を歩いていると汗ばむほどで、上着が邪魔になった。
ユキも急な暑さに対応できず、大きな口を開けてあえいでいた。
左目の白内障を患っているユキは、名古屋に来てから段差や階段を怖がるようになった。少し症状が進んだようだ。
高山の獣医師で治療を受けているが、薬は進行を遅らせることは出来ても、元へ戻ることは無いといわれている。
手術で治すことも出来るが、病状が進んでいると成功の可能性は低いようだ。
障害物を避けて慣れた場所を散歩していれば、嗅覚や触覚は鋭いので、人間ほど困ることは無いとも言われた。
山里で12年間も苦楽をともにしたユキは、人間の6~7倍の速さで歳を取るので、既に後期高齢犬になっている。
これから何かと手を差し伸べてやらないと、自立が難しくなっていくことだろう。
自分の明日の姿を思い描きながら、手厚い介護をしてやろうと思ったりしている。